【台高】水無山北東尾根から桧塚奥峰、千秋峰へ
Posted: 2012年10月28日(日) 23:37
【日 付】2012年10月27日(土)
【山 域】台高北部 木屋谷川周辺
【天 候】曇り
【コース】木屋谷橋7:20---8:25万才橋---9:20奥山谷出合---10:45水無山---10:57明神平---11:42奥山谷左俣奥の右俣の二俣
12:40---13:27桧塚奥峰---14:36千秋峰先下降点14:57---15:43木屋谷橋
先週の小秀山ではほとんどブナを見ることがなかった。山でブナに出会わないと調子が出ない。しばらくすると禁断症状
も出てきた。ブナ欠乏症候群だ。これは早期に治療が必要である。
特効薬はビタミンB(UNA)の注射だ。それも大量に投与するほど効果があるというものだ。
水害後、初めて訪れる木屋谷川。木屋谷橋を渡ったところでバリケードがあり、立入禁止の看板がある。登山者らしい先
客の車が2台止められていた。
下山予定の尾根の末端に杣道があるのを確認して出発。いつも車で走り抜けていた林道を歩くのはだるいが、歩かなけれ
ば見えない発見もある。堰堤で寸断された部分以外の本流はなかなかの渓谷美だ。
しかしこの林道、距離的にはそれほどでもないが、登山口の万才橋まで標高差320mばかりを稼がなければならない。
途中で自然のお呼びが掛ったが、林道には隠れる場所がない。谷へ急降下する小尾根を見つけて、転落しないように注意
しながら無事お勤めを完了した。
木屋谷川本流沿いの登山道は荒れている。水害直後よりは整備されたのだろうが、以前より確実に危ない箇所が増えて
いた。
本日は新しい軽登山靴の筆降ろしである。以前から兆候のあったソールの剥がれが先週の小秀山で決定的なものになっ
たのだ。ソールの張り替え料にプラスアルファすれば新しい靴を買える。張り替え料があまりに高過ぎるのだ。
その新しい靴はどこまでグリップしてくれるのかわからないので、全面的に信用できない。濡れた丸太や岩など、ただでさえ
グリップの悪い場所では勢い慎重にならざるを得ない。
奥山谷出合手前の渡渉点でついにやってしまった。岩の上に置いた右足が意思に反してズルズルと滑り出して水中へ。
危ういところで転倒・全身水没は避けられたものの、デビュー戦から水没とは運の悪い靴である。
[attachment=5]P1090737_1.JPG[/attachment]
今日は100%晴れると信じてやってきたのだが、文字通りどうも雲行きが怪しい。
それでも水無山北東尾根に乗ってしばらく歩いた頃には少し日差しが出てきた。
木々の色付きはまだ60~70%というところか。尾根の北面は緑が多く、南面は結構色付いている。
この尾根は何度歩いてもいいところだ。花の時期、雪の時期にも歩いているが、紅葉の時期の味わいも格別のものがある。
ブナ、ミズナラ、ヒメシャラ達が次々に出迎えてくれ、中間部のゆったりした緩斜面の広がりは豊かな森に遊ぶ心を満たして
くれる。少し風があり、汗で濡れた風が冷えて寒い。
桧塚方面は厚い雲の中。反対に国見山はスッキリと晴れている。目指す水無山はちょうどその中間ぐらいか。
水無山直下の岩場混じりの急斜面では、楽なルートがないかと右寄りに巻き気味に上がってみたが、結果は同じだった。
直上するのが一番早いようだ。
明神平にはテントが数張り。大又方面から3人パーティーが上がってきた。それ以外は単独者がカメラを構えていただけで
意外に静かだった。気のせいかもしれないが、明神平がやけに小さくなってしまったように思えた。
天理大小屋の裏から奥山谷への登山道に入る。小屋の陰にはポリバケツがあるせいか、ゴミの捨て放題。なぜみんな
持って帰らないのだろう。誰かが処理してくれると思ってるんだろうか。
テン場としては日なたの草原よりこちら側の樹林の方が優れていると思うが、これではゲッソリだ。
[attachment=4]P1090772_1.JPG[/attachment][attachment=3]P1090785_1.JPG[/attachment]
わずかに下ると水流が現われ、すぐに小さなナメで流れ込む奥山谷本流と出合う。
この奥山谷の源頭はいいところだ。明神平の端っこを歩くよりもこちらの方が楽しい。
水の多い時には池塘のような小さな池がいくつもできる明神岳北側の台地もいい。今日はただのヌタ場でしかなかったが。
そろそろランチ場を決める時間だ。奥山谷左俣の三俣が候補地だったが、それまでにいいところがあれば腰を据えるつも
りだった。
三俣の右俣を目指して尾根を下りて行く。右俣のさらに二俣に近付いたところで素晴らしい雰囲気になった。
左右の流れは今歩いている尾根のすぐ下にある。尾根の末端は大きく広がり、いつの間にか二俣に吸収されていた。
これは申し分のない場所である。流れの落ち込みにビールを放り込む。
お誂え向きの丸太のベンチに腰を降ろせばここは三ツ星レストランも凌駕するランチスポットだ。
濡れたものを着替えてもまだ寒い。もうそろそろ鍋に切り替えてもいい季節になったようだ。
[attachment=2]P1090792_1.JPG[/attachment]
谷沿いに少し下れば三俣である。ここで無傷の左足も滑らせて水没。新山靴にとっては散々なデビュー戦となった。
この三俣はすぐ下にゴルジュを抱え、3方向に緩やかな谷が伸びるお気に入りの場所だ。
今日は歩いたことのない左俣を行ってみよう。そこから奥ワサビ谷右俣の源頭へ下りるつもりだった。だが進むにつれ谷の
中が歩きづらくなって右手の尾根に上がってしまった。
天気も回復の兆しは見えず、雨すら降り出しそうな気配。すんなり桧塚から千秋峰へ歩いて早いとこ下山するか。
登山道へ出るとさすがにメジャールートだけあって、何組ものパーティーに出会う。紅葉はそれなりではあるが期待してい
たほどではなかった。時折現われる真っ赤なアカヤシオに変身したシロヤシオが美しい。
[attachment=0]P1090826_1.JPG[/attachment]
ガスで何も見えないが、桧塚奥峰には一応挨拶しておこう。山頂には初めて見る立派な標識が設置されていた。
そう言えば道中にもやたら立派な道標があった。なぜか樹林の中に建てられていた松阪山岳会の山名標識はなくなってい
た。
桧塚からP1214m、千秋峰へと伸びる尾根を辿る。ヌタハラ林道分岐であるP1214mから先は未踏の領域だ。
尾根が南東から東へ向きを変える、夫婦滝展望地への道の分岐の近辺は実にいい雰囲気だ。
この尾根はずっとブナが続き、ヒメシャラの黄褐色の木肌が彩りを添える。
千秋峰手前のコルの樹林もなかなかいい。木屋谷橋への下降点までは十分に美しいブナ林を満喫できるいい尾根歩きだ
った。
[attachment=1]パノラマ 1_1.JPG[/attachment]
千秋峰までくると林相は一変して、尾根の北側は完全に植林帯となってしまう。下降する尾根は駐車地にダイレクトに下
りるだけのために選んだので特に期待はしていなかったが、いきなりこれかよという感じである。
最初は下生えのないフカフカの土の植林だったが、やがてシダ類が茂りだしてあまりうれしくないルートとなる。
それでも歩くのに難儀することはなく、植林されている以上は人が入っているので下りられない心配もない。
Ca700mまで来ると完全な現役の杣道となり、しっかり踏まれた道をつづら折れに下るだけとなった。
沢音が大きくなってきたと思ったら愛車の屋根が見え、朝確認した杣道の入口にどんぴしゃ下り着いた。
長年、この山域の帰りにお世話になった「東吉野温泉みのや」が廃業していた。
桧作りのガッチリした浴槽が気持ち良くて好きだっただけに残念だ。
山日和
【山 域】台高北部 木屋谷川周辺
【天 候】曇り
【コース】木屋谷橋7:20---8:25万才橋---9:20奥山谷出合---10:45水無山---10:57明神平---11:42奥山谷左俣奥の右俣の二俣
12:40---13:27桧塚奥峰---14:36千秋峰先下降点14:57---15:43木屋谷橋
先週の小秀山ではほとんどブナを見ることがなかった。山でブナに出会わないと調子が出ない。しばらくすると禁断症状
も出てきた。ブナ欠乏症候群だ。これは早期に治療が必要である。
特効薬はビタミンB(UNA)の注射だ。それも大量に投与するほど効果があるというものだ。
水害後、初めて訪れる木屋谷川。木屋谷橋を渡ったところでバリケードがあり、立入禁止の看板がある。登山者らしい先
客の車が2台止められていた。
下山予定の尾根の末端に杣道があるのを確認して出発。いつも車で走り抜けていた林道を歩くのはだるいが、歩かなけれ
ば見えない発見もある。堰堤で寸断された部分以外の本流はなかなかの渓谷美だ。
しかしこの林道、距離的にはそれほどでもないが、登山口の万才橋まで標高差320mばかりを稼がなければならない。
途中で自然のお呼びが掛ったが、林道には隠れる場所がない。谷へ急降下する小尾根を見つけて、転落しないように注意
しながら無事お勤めを完了した。
木屋谷川本流沿いの登山道は荒れている。水害直後よりは整備されたのだろうが、以前より確実に危ない箇所が増えて
いた。
本日は新しい軽登山靴の筆降ろしである。以前から兆候のあったソールの剥がれが先週の小秀山で決定的なものになっ
たのだ。ソールの張り替え料にプラスアルファすれば新しい靴を買える。張り替え料があまりに高過ぎるのだ。
その新しい靴はどこまでグリップしてくれるのかわからないので、全面的に信用できない。濡れた丸太や岩など、ただでさえ
グリップの悪い場所では勢い慎重にならざるを得ない。
奥山谷出合手前の渡渉点でついにやってしまった。岩の上に置いた右足が意思に反してズルズルと滑り出して水中へ。
危ういところで転倒・全身水没は避けられたものの、デビュー戦から水没とは運の悪い靴である。
[attachment=5]P1090737_1.JPG[/attachment]
今日は100%晴れると信じてやってきたのだが、文字通りどうも雲行きが怪しい。
それでも水無山北東尾根に乗ってしばらく歩いた頃には少し日差しが出てきた。
木々の色付きはまだ60~70%というところか。尾根の北面は緑が多く、南面は結構色付いている。
この尾根は何度歩いてもいいところだ。花の時期、雪の時期にも歩いているが、紅葉の時期の味わいも格別のものがある。
ブナ、ミズナラ、ヒメシャラ達が次々に出迎えてくれ、中間部のゆったりした緩斜面の広がりは豊かな森に遊ぶ心を満たして
くれる。少し風があり、汗で濡れた風が冷えて寒い。
桧塚方面は厚い雲の中。反対に国見山はスッキリと晴れている。目指す水無山はちょうどその中間ぐらいか。
水無山直下の岩場混じりの急斜面では、楽なルートがないかと右寄りに巻き気味に上がってみたが、結果は同じだった。
直上するのが一番早いようだ。
明神平にはテントが数張り。大又方面から3人パーティーが上がってきた。それ以外は単独者がカメラを構えていただけで
意外に静かだった。気のせいかもしれないが、明神平がやけに小さくなってしまったように思えた。
天理大小屋の裏から奥山谷への登山道に入る。小屋の陰にはポリバケツがあるせいか、ゴミの捨て放題。なぜみんな
持って帰らないのだろう。誰かが処理してくれると思ってるんだろうか。
テン場としては日なたの草原よりこちら側の樹林の方が優れていると思うが、これではゲッソリだ。
[attachment=4]P1090772_1.JPG[/attachment][attachment=3]P1090785_1.JPG[/attachment]
わずかに下ると水流が現われ、すぐに小さなナメで流れ込む奥山谷本流と出合う。
この奥山谷の源頭はいいところだ。明神平の端っこを歩くよりもこちらの方が楽しい。
水の多い時には池塘のような小さな池がいくつもできる明神岳北側の台地もいい。今日はただのヌタ場でしかなかったが。
そろそろランチ場を決める時間だ。奥山谷左俣の三俣が候補地だったが、それまでにいいところがあれば腰を据えるつも
りだった。
三俣の右俣を目指して尾根を下りて行く。右俣のさらに二俣に近付いたところで素晴らしい雰囲気になった。
左右の流れは今歩いている尾根のすぐ下にある。尾根の末端は大きく広がり、いつの間にか二俣に吸収されていた。
これは申し分のない場所である。流れの落ち込みにビールを放り込む。
お誂え向きの丸太のベンチに腰を降ろせばここは三ツ星レストランも凌駕するランチスポットだ。
濡れたものを着替えてもまだ寒い。もうそろそろ鍋に切り替えてもいい季節になったようだ。
[attachment=2]P1090792_1.JPG[/attachment]
谷沿いに少し下れば三俣である。ここで無傷の左足も滑らせて水没。新山靴にとっては散々なデビュー戦となった。
この三俣はすぐ下にゴルジュを抱え、3方向に緩やかな谷が伸びるお気に入りの場所だ。
今日は歩いたことのない左俣を行ってみよう。そこから奥ワサビ谷右俣の源頭へ下りるつもりだった。だが進むにつれ谷の
中が歩きづらくなって右手の尾根に上がってしまった。
天気も回復の兆しは見えず、雨すら降り出しそうな気配。すんなり桧塚から千秋峰へ歩いて早いとこ下山するか。
登山道へ出るとさすがにメジャールートだけあって、何組ものパーティーに出会う。紅葉はそれなりではあるが期待してい
たほどではなかった。時折現われる真っ赤なアカヤシオに変身したシロヤシオが美しい。
[attachment=0]P1090826_1.JPG[/attachment]
ガスで何も見えないが、桧塚奥峰には一応挨拶しておこう。山頂には初めて見る立派な標識が設置されていた。
そう言えば道中にもやたら立派な道標があった。なぜか樹林の中に建てられていた松阪山岳会の山名標識はなくなってい
た。
桧塚からP1214m、千秋峰へと伸びる尾根を辿る。ヌタハラ林道分岐であるP1214mから先は未踏の領域だ。
尾根が南東から東へ向きを変える、夫婦滝展望地への道の分岐の近辺は実にいい雰囲気だ。
この尾根はずっとブナが続き、ヒメシャラの黄褐色の木肌が彩りを添える。
千秋峰手前のコルの樹林もなかなかいい。木屋谷橋への下降点までは十分に美しいブナ林を満喫できるいい尾根歩きだ
った。
[attachment=1]パノラマ 1_1.JPG[/attachment]
千秋峰までくると林相は一変して、尾根の北側は完全に植林帯となってしまう。下降する尾根は駐車地にダイレクトに下
りるだけのために選んだので特に期待はしていなかったが、いきなりこれかよという感じである。
最初は下生えのないフカフカの土の植林だったが、やがてシダ類が茂りだしてあまりうれしくないルートとなる。
それでも歩くのに難儀することはなく、植林されている以上は人が入っているので下りられない心配もない。
Ca700mまで来ると完全な現役の杣道となり、しっかり踏まれた道をつづら折れに下るだけとなった。
沢音が大きくなってきたと思ったら愛車の屋根が見え、朝確認した杣道の入口にどんぴしゃ下り着いた。
長年、この山域の帰りにお世話になった「東吉野温泉みのや」が廃業していた。
桧作りのガッチリした浴槽が気持ち良くて好きだっただけに残念だ。
山日和
水害後、初めて訪れる木屋谷川。木屋谷橋を渡ったところでバリケードがあり、立入禁止の看板がある。登山者らしい先