【東濃】乙女渓谷から小秀山
Posted: 2012年10月25日(木) 00:06
【日 付】2012年10月20日(土)
【山 域】岐阜・長野県境 小秀山(1981.7m)
【天 候】曇り時々晴れ
【メンバー】ひいちゃん、山日和
【コース】乙女渓谷キャンプ場6:27---7:36夫婦滝7:48---9:31三ノ谷道分岐9:43---10:03兜岩---10:55小秀山
12:27---13:28三ノ谷道分岐---15:05登山口---15:32キャンプ場
乙女渓谷のキャンプ場が小秀山の登山口だ。このキャンプ場は立派な管理棟ときれいなバンガロー群があり、設
備も充実して近辺では有数のキャンプサイトのようだ。
管理棟の横が二ノ谷登山道の登山口。橋を渡ったところで念のため水を汲む。渓谷沿いの道とはわかっていても、
初めての登山道でもあり、万一水が汲めないと昼飯抜きになってしまうのだ。
整備され過ぎるほど整備された遊歩道(夫婦滝までは遊歩道らしい)は、登山道というよりは渓谷の奥にあるお寺へ
行く参道のようだ。5人ぐらい並んで歩けるほど広い木の階段と回廊が延々と続き、山登りに来たことを忘れてしまい
そうである。
それでも谷は美しく、屏風岩や烏帽子岩、ねじれ滝、和合滝といった名のあるポイントをところどころに配して楽しま
せてくれる。
[attachment=4]P1090476_1.JPG[/attachment]
木の階段にもそろそろ飽きてきた頃、眼前に夫婦滝が現われた。だいぶ手前に展望所があったが、直近で見る滝
の姿はなかなか迫力がある。高さは約80m。水量が多ければ豪快な滝だろう。この滝は夫婦の内の男の方である。
女滝は展望所からは見えたが別の谷に掛かっているようでここでは見えない。
ひいちゃんが滝つぼの近くまで下りていった。ここで先発の登山者3人と途中で追い抜いていった若者3人パーティ
ーが集結していたが、下りたのはひいちゃんひとりだけだった。この中では最年長だと思われるが、好奇心も一番強
かったようである。
[attachment=3]P1090517_1.JPG[/attachment]
これまでの遊歩道から一転、登山道らしくなった道は急登で滝の巻きにかかった。
落ち口のラインで滝身へトラバース。ちょうど落ち口の上に出た。本当の落ち口は確保がないと恐くて覗けない。
雄滝の上には子滝があり、さらにその上は孫滝と、親子三代の連瀑?だ。
親が偉大過ぎて子や孫は無理に名前を付けてもらったという程度の小さな滝である。
孫滝を過ぎると道は谷を離れて尾根に向かって登り始めるが、半端ではない急登だ。
尾根に上がって鎧岩という巨岩を回り込むと、このコース一番の難所とされる「カモシカ渡し」の岩場である。痩せた
尾根がちょっとした岩稜になっており、木の根や岩角をつかんで三点確保しながらの登りは退屈しのぎにはちょうど
いい。
樹林帯の中ながら、展望も少しずつ利いてきた。右上高くに兜岩の岩峰を望むようになると三ノ谷コースとの分岐に
到着だ。「休憩適地」とわざわざ書いてくれているのでザックを降ろす。
天気予報では日本中晴れのはずなのに、登り始めから山の上の方は雲の中だった。ようやく少しずつ青空が広が
りだしたもののスカッと晴れてはくれない。
山頂に着く頃には雲が取れて、メインイベントの御岳の展望が楽しめるだろうか。
[attachment=2]P1090613_1.JPG[/attachment]
巨岩の積み重なる兜岩の上に立つとようやく小秀山の山頂を望むことができた。
ここからはまた大きく雰囲気が変わり、高原状の地形を緩やかにアップダウンしながら進む。二ノ谷コースは渓谷、
岩場、高原と、いろいろ楽しめるいいルートだ。
地図を見るとすぐのように思えた山頂は、いくつかニセピークを越えてやっと目の前に現われた。避難小屋が山頂の
肩にちょこんと顔を出している。
小屋まで来れば50mほどで小秀山の山頂である。期待していた御岳の展望は・・・雲の中だった。
小屋でランチしながら眺望が開けるのを待つとしよう。
「秀峰舎」と名付けられた山小屋はまだ木の香りも新しい、清々しい小屋だ。2年前に建てられたばかりでバイオトイ
レも備えている立派な避難小屋である。地元の加子母(かしも)スカイウォーカーという団体が主体となって建設された
らしく、ヘリでの資材搬入作業の写真パネル等が壁面に飾られていた。
[attachment=1]P1090616_1.JPG[/attachment]
鈴鹿から来たという若者3人パーティーと一緒にランチタイムとなった。最近山に若者が増えたのはわかっているが、
この3人の年令を足してもひいちゃんひとりと少ししか変わらないというのが驚きだ。
男2人、女1人という構成だったが、女性の方が元気なのは世の習いだろうか。こちらがビールとワインを取り出したの
をうらやましそうにしていたので、ひいちゃんがワインを勧めると女性だけがうれしそうに口にしていた。
せっかく冷やしてきたビールは冷やし過ぎたようでシャーベットと化していた。プルタブを開けると次々にシャーベットが
マグマのようにが吹き出てきて飲めたものではない。久々の失敗である。
1時間以上粘って再び山頂へ向かった。期待も空しく御岳は未だ雲の中だった。
周りの山々もノーマークの山域だっただけに、どこがどこやらさっぱりわからない。あきらめて下りよう。
登って来た頃は自分たちも入れて10名ほどだった登山者も、全員が入れ替わって同じような人数が山頂で憩ってい
た。下山を開始するとまだ登って来る人が結構いる。さすが200名山だけのことはある。
下山は三ノ谷コース。二ノ谷は下山に使うにはちょっと危ないかもしれない。
三ノ谷コースは「谷」と言いながらも登山口まで水を見ることのないルートだった。二ノ谷と三ノ谷を分ける尾根の北側
斜面を絡んでジグザグを切りながら緩やかに下る。
上部では自然林の紅葉に日が当たって美しい。二ノ谷コースでは針葉樹が多く、紅葉らしい紅葉が見られなかっただ
けにうれしい。
しかし中間部を過ぎると植林帯に入り、まったく面白くない道になってしまった。登りに取れば退屈極まりない道だろ
う。下山にはピッチが上がって楽なルートではある。
結局一度も谷に下りずに林道へ出た。二ノ谷コースとは名前の意味が違って、「三ノ谷の方へ下りる」コースというこ
とか。足にやさしい登山道ということは間違いない。
登山口の近くに面白い標識があった。「クマに注意」の下に「クマも人間に注意してくれ」と書いてある。クマがこれを
読んでくれたらいいのだが。
[attachment=0]P1090652_1.JPG[/attachment]
後は林道を30分ばかりポクポクと歩いてキャンプ場へ戻る。
駐車地から近いところにある「付知温泉おんぽいの湯」もなかなかよかった。
初めての山域は新鮮味があっていいのだが、再び訪れるかと聞かれれば即座にイエスとは言えないだろう。
それなりに変化もあるいい山だったと思うが、最大の目的だった目の前の御岳は見ることができなかったのだけが心
残りだ。
山日和
【山 域】岐阜・長野県境 小秀山(1981.7m)
【天 候】曇り時々晴れ
【メンバー】ひいちゃん、山日和
【コース】乙女渓谷キャンプ場6:27---7:36夫婦滝7:48---9:31三ノ谷道分岐9:43---10:03兜岩---10:55小秀山
12:27---13:28三ノ谷道分岐---15:05登山口---15:32キャンプ場
乙女渓谷のキャンプ場が小秀山の登山口だ。このキャンプ場は立派な管理棟ときれいなバンガロー群があり、設
備も充実して近辺では有数のキャンプサイトのようだ。
管理棟の横が二ノ谷登山道の登山口。橋を渡ったところで念のため水を汲む。渓谷沿いの道とはわかっていても、
初めての登山道でもあり、万一水が汲めないと昼飯抜きになってしまうのだ。
整備され過ぎるほど整備された遊歩道(夫婦滝までは遊歩道らしい)は、登山道というよりは渓谷の奥にあるお寺へ
行く参道のようだ。5人ぐらい並んで歩けるほど広い木の階段と回廊が延々と続き、山登りに来たことを忘れてしまい
そうである。
それでも谷は美しく、屏風岩や烏帽子岩、ねじれ滝、和合滝といった名のあるポイントをところどころに配して楽しま
せてくれる。
[attachment=4]P1090476_1.JPG[/attachment]
木の階段にもそろそろ飽きてきた頃、眼前に夫婦滝が現われた。だいぶ手前に展望所があったが、直近で見る滝
の姿はなかなか迫力がある。高さは約80m。水量が多ければ豪快な滝だろう。この滝は夫婦の内の男の方である。
女滝は展望所からは見えたが別の谷に掛かっているようでここでは見えない。
ひいちゃんが滝つぼの近くまで下りていった。ここで先発の登山者3人と途中で追い抜いていった若者3人パーティ
ーが集結していたが、下りたのはひいちゃんひとりだけだった。この中では最年長だと思われるが、好奇心も一番強
かったようである。
[attachment=3]P1090517_1.JPG[/attachment]
これまでの遊歩道から一転、登山道らしくなった道は急登で滝の巻きにかかった。
落ち口のラインで滝身へトラバース。ちょうど落ち口の上に出た。本当の落ち口は確保がないと恐くて覗けない。
雄滝の上には子滝があり、さらにその上は孫滝と、親子三代の連瀑?だ。
親が偉大過ぎて子や孫は無理に名前を付けてもらったという程度の小さな滝である。
孫滝を過ぎると道は谷を離れて尾根に向かって登り始めるが、半端ではない急登だ。
尾根に上がって鎧岩という巨岩を回り込むと、このコース一番の難所とされる「カモシカ渡し」の岩場である。痩せた
尾根がちょっとした岩稜になっており、木の根や岩角をつかんで三点確保しながらの登りは退屈しのぎにはちょうど
いい。
樹林帯の中ながら、展望も少しずつ利いてきた。右上高くに兜岩の岩峰を望むようになると三ノ谷コースとの分岐に
到着だ。「休憩適地」とわざわざ書いてくれているのでザックを降ろす。
天気予報では日本中晴れのはずなのに、登り始めから山の上の方は雲の中だった。ようやく少しずつ青空が広が
りだしたもののスカッと晴れてはくれない。
山頂に着く頃には雲が取れて、メインイベントの御岳の展望が楽しめるだろうか。
[attachment=2]P1090613_1.JPG[/attachment]
巨岩の積み重なる兜岩の上に立つとようやく小秀山の山頂を望むことができた。
ここからはまた大きく雰囲気が変わり、高原状の地形を緩やかにアップダウンしながら進む。二ノ谷コースは渓谷、
岩場、高原と、いろいろ楽しめるいいルートだ。
地図を見るとすぐのように思えた山頂は、いくつかニセピークを越えてやっと目の前に現われた。避難小屋が山頂の
肩にちょこんと顔を出している。
小屋まで来れば50mほどで小秀山の山頂である。期待していた御岳の展望は・・・雲の中だった。
小屋でランチしながら眺望が開けるのを待つとしよう。
「秀峰舎」と名付けられた山小屋はまだ木の香りも新しい、清々しい小屋だ。2年前に建てられたばかりでバイオトイ
レも備えている立派な避難小屋である。地元の加子母(かしも)スカイウォーカーという団体が主体となって建設された
らしく、ヘリでの資材搬入作業の写真パネル等が壁面に飾られていた。
[attachment=1]P1090616_1.JPG[/attachment]
鈴鹿から来たという若者3人パーティーと一緒にランチタイムとなった。最近山に若者が増えたのはわかっているが、
この3人の年令を足してもひいちゃんひとりと少ししか変わらないというのが驚きだ。
男2人、女1人という構成だったが、女性の方が元気なのは世の習いだろうか。こちらがビールとワインを取り出したの
をうらやましそうにしていたので、ひいちゃんがワインを勧めると女性だけがうれしそうに口にしていた。
せっかく冷やしてきたビールは冷やし過ぎたようでシャーベットと化していた。プルタブを開けると次々にシャーベットが
マグマのようにが吹き出てきて飲めたものではない。久々の失敗である。
1時間以上粘って再び山頂へ向かった。期待も空しく御岳は未だ雲の中だった。
周りの山々もノーマークの山域だっただけに、どこがどこやらさっぱりわからない。あきらめて下りよう。
登って来た頃は自分たちも入れて10名ほどだった登山者も、全員が入れ替わって同じような人数が山頂で憩ってい
た。下山を開始するとまだ登って来る人が結構いる。さすが200名山だけのことはある。
下山は三ノ谷コース。二ノ谷は下山に使うにはちょっと危ないかもしれない。
三ノ谷コースは「谷」と言いながらも登山口まで水を見ることのないルートだった。二ノ谷と三ノ谷を分ける尾根の北側
斜面を絡んでジグザグを切りながら緩やかに下る。
上部では自然林の紅葉に日が当たって美しい。二ノ谷コースでは針葉樹が多く、紅葉らしい紅葉が見られなかっただ
けにうれしい。
しかし中間部を過ぎると植林帯に入り、まったく面白くない道になってしまった。登りに取れば退屈極まりない道だろ
う。下山にはピッチが上がって楽なルートではある。
結局一度も谷に下りずに林道へ出た。二ノ谷コースとは名前の意味が違って、「三ノ谷の方へ下りる」コースというこ
とか。足にやさしい登山道ということは間違いない。
登山口の近くに面白い標識があった。「クマに注意」の下に「クマも人間に注意してくれ」と書いてある。クマがこれを
読んでくれたらいいのだが。
[attachment=0]P1090652_1.JPG[/attachment]
後は林道を30分ばかりポクポクと歩いてキャンプ場へ戻る。
駐車地から近いところにある「付知温泉おんぽいの湯」もなかなかよかった。
初めての山域は新鮮味があっていいのだが、再び訪れるかと聞かれれば即座にイエスとは言えないだろう。
それなりに変化もあるいい山だったと思うが、最大の目的だった目の前の御岳は見ることができなかったのだけが心
残りだ。
山日和