【中央アルプス】越百山~南駒ヶ岳周回
Posted: 2012年9月10日(月) 22:26
【日 付】2012年9月9日(日)
【山 域】中央アルプス南部 越百山・南駒ヶ岳
【天 候】晴れ時々曇り
【コース】今朝沢橋駐車場5:07---5:28福栃沢登山口---8:44越百小屋---9:38越百山10:04---11:12仙涯嶺---
12:33南駒ヶ岳13:18---14:51 2411m---16:18今朝沢登山口---16:43福栃沢登山口---16:57駐車地
5月の毛勝三山以来本気で歩いていないような気がする。最近はマンションの階段を上がるのも足がだるいというあり
さま。たまには体に鞭打つことも必要だ。
以前から考えていた中央アルプスの南駒ヶ岳と越百山の周回。累積標高差2000mを超えるこのコースで体力測定して
みよう。
計画にあたって、どちらから回るかを吟味した。標高差は大きいものの、先に南駒に上がってしまえば後は下り基調な
ので気が楽だろう。しかし中央アルプスの主稜線を高みに向かって歩きたいという気持ちで逆コースを選択した。
南下コースは以前歩いたことがあるというのも大きな要因だ。
深夜の伊奈川ダム奥の登山口。意外なことに1台の車も止まっていない。日曜のせいもあるかもしれないが、9月にな
ればこんなものなのだろうか。
朝になると2台の車があった。人影はなく、すでに出発したようだ。自分と同じ周回組だろう。
DOCを押してゲート脇の通路を通るが狭い。明け始めた空はヘッデンが要るか要らないかという暗さだ。未舗装の林道
は走りにくく、小石を避けながらの走行だ。
20分ほどで福栃沢の登山口に到着。やはりDOCを持ってきて正解だった。帰路ではもっと正解になるだろう。
[attachment=5]P1080607_1.JPG[/attachment]
この登山道は全体的に鬱蒼とした針葉樹林の中を行く。花も展望もなく、ただひたすら高度を稼ぐだけの面白みのない
道である。まだこの尾根まで日が届かないので明るい気持ちにもなりようがない。
空気がひんやりしているのだけが救いだ。
上の水場を過ぎるとひとりの登山者が下りてきた。「水場はまだですか?」と聞かれたので「すぐそこですよ」と答える。
見れば小学生の遠足のようなリュックを担ぎ、拾った木切れを杖に足元も覚束ない。ここから先の道からすれば心配する
こともないだろう。
越百小屋では小屋番夫婦が干し物の真っ最中だった。「ゆっくり休んでいって」と言われてザックを降ろした。
「下山者と会った?」と聞かれ、「上の水場の近くで会いました」と言うとびっくりしていた。6時頃小屋を出発したと言うの
である。ここから水場までは30分ほどだ。おまけに昨日は摺鉢窪の避難小屋を6時に出て、越百小屋に着いたのがなん
と18時だったと言う。避難小屋泊まりなのにシュラフも持たず、おにぎりを作ってやったのに礼も言わず立ち去ってしまっ
たと憤慨していた。山登りのスタイルは人それぞれとは言うものの、まあ、いろんな人がいるものだ。
しかしこの小屋のカラーリングは個性的というか、とにかくよく目立つ。
[attachment=4]P1080631_1.JPG[/attachment]
小屋を過ぎるとやっと森林限界を超えて見通しが利くようになった。いい天気だ。これから向かう南駒ヶ岳もはっきりと
見え、闘志を掻き立てられる。
しかし、越百山までこんなに遠かったかと思うほど、なかなか到達しなかった。やっぱり闘志と体力が比例していないの
か。
やっとの思いで越百山頂に立った。今日は晴れているもののかなり雲が多く、御岳も見えない。南アルプスも鋸あたり
がチラッと見えるだけである。
腰を降ろしてさて携帯を取り出そうとしたが、ない。圏外なので電源を切ったところまではよかったが、ザックに入れるの
を忘れたらしい。これで遭難できなくなってしまった。
[attachment=3]P1080658_1.JPG[/attachment]
ほぼ予定の時間に出発。南駒ヶ岳に12時半に着けば余裕で下山できるだろう。
仙涯嶺へは緩やかな尾根が続く。高山植物の残骸があちらこちらにあるだけで、今は潤いのないハイマツと砂ザレの道
だ。それでも青空の下、2500mを超える尾根を歩くのは気持ちがいい。たまには人の道を外さずに生きるのもいいもんだ。
仙涯嶺は岩だらけのピークだが、登山道は岩稜歩きというわけではなく、岩を縫って普通の道が付けられている。
前回はガスッていたので山頂らしきところは素通りしてしまった。今日はそれと思しきピークに寄ってみたが、標識のひと
つもない。
そこで休んでいると、南駒ヶ岳方面からの単独者が素通りして行くのが見えた。彼も逆回り周回組のひとりだろう。
[attachment=2]P1080701_1.JPG[/attachment]
仙涯嶺からは100mほどの下りとなる。この下りも岩を縫って、時折鎖場が現われたりするものの大したものではない。
見上げると巨岩・奇岩が林立して壮観だ。仙涯嶺という名前がうなずける景観である。
手前から見ると、最低コルから南駒ヶ岳までは岩稜が続いている。さて、どんなルートだったかなと考えるが思い出せ
ない。コルに立ってみると、道は東側斜面を巻いて付けられていた。1ヶ月早ければ見事なお花畑だったんだろうと思う。
途中でまた単独者と出会った。もうひとりの逆回り周回組だ。「暑いですねえ」と言葉を交わす。
今まで雨の日以外は帽子を被ることがなかった。最近暑さにめっきり弱くなって、少し前に日よけのつば広の帽子を買
ったのだが、被ってみると効果はてきめん、陰になった部分の体感温度が全然違う。
いろんなことに気を遣わなければならない歳になったということか。
すぐそこに見えていたはずの南駒ヶ岳山頂は意外に遠く、着いたと思ったピークは南の前衛峰だった。
「御料局三角点」という標石がある。本当の南駒はなだらかな尾根の先にあった。
晴れていた空にさっきからガスが掛かりだしていたが、再びベールが取れて視界が利き出した。さっきの単独者は山頂
手前から何も見えなかったと言っていたからアンラッキーである。
[attachment=0]P1080751_1.JPG[/attachment]
3度目の南駒ヶ岳。前2回もそうだったが、誰もいない静かな山頂だ。
大きな岩の上に乗って、靴も靴下も脱いで寛ぐ。保冷対策してきたビールをやっと開ける時が来た。半袖で十分な気温
にそよそよと吹く風が心地良い。空木岳は雲の中。赤梛岳と百間ナギの強烈なガレが目を引く。
空木方面から猛烈なスピードで登山者がやってきた。聞けば今朝5時半に駐車場を出て、空木岳経由で来たと言う。
若いとは言え恐るべきスピードだ。当然越百山経由の下山だが、余裕綽綽だろう。
しばらくするとまたも空木方面から単独者が現われた。越百小屋泊まりかと思ったが、こちらは池山尾根からの日帰りだ。
空木まででも結構しんどいと思うが、南駒の往復をプラスするとは恐れ入る。明るいうちに下りられないでしょうと笑ってい
たが、この山は結構な猛者が集まる山なのだろうか。
[attachment=1]P1080764_1.JPG[/attachment]
ここからは未知の下山路である。岩稜というより巨岩累々と言った趣きの北沢尾根を辿る。ペンキ印はあるものの、少々分
かり辛いところもある。何より巨岩の間の隙間が落とし穴のように口を開いていて、うっかり落ちたらタダで済まないので
気が抜けない。
2時間足らずしか寝ていない寝不足とアルコールのせいか、息が上がってどうにも調子が出ない。我慢して歩いていたが、
2591m標高点のあたりでひっくり返って目を瞑った。こんな調子で下りられるんだろうか。
少し休むと体調も回復、徐々にペースが上がり始めた。2411mの標高点からはかなりいい道となり、明るい樹林とも相
まって気分も上向きだ。
この尾根道はあまり良くないという先入観があったがうれしい誤算である。越百山の登山道よりいいのではないだろうか。
上部のハイマツのちょっとしたヤブと岩の落とし穴さえ我慢すればいいルートだ。
山頂から2591mまで1時間も掛ったのがウソのように快調に下る。今朝沢の沢音が近付いて、いよいよ登山口かと思わ
せてから、嫌になるぐらい山腹を巻いて行くのが予想外だったが。
今朝沢登山口に出たら思いっきり沢水で顔を洗おうと思っていたが、手近に水の流れるところがなかった。
20分ほどの林道歩きで福栃沢の登山口。
行儀よく待っていたDOCに跨り、お尻を突き上げるショックにしばし耐えれば駐車地まではすぐだ。
山日和
【山 域】中央アルプス南部 越百山・南駒ヶ岳
【天 候】晴れ時々曇り
【コース】今朝沢橋駐車場5:07---5:28福栃沢登山口---8:44越百小屋---9:38越百山10:04---11:12仙涯嶺---
12:33南駒ヶ岳13:18---14:51 2411m---16:18今朝沢登山口---16:43福栃沢登山口---16:57駐車地
5月の毛勝三山以来本気で歩いていないような気がする。最近はマンションの階段を上がるのも足がだるいというあり
さま。たまには体に鞭打つことも必要だ。
以前から考えていた中央アルプスの南駒ヶ岳と越百山の周回。累積標高差2000mを超えるこのコースで体力測定して
みよう。
計画にあたって、どちらから回るかを吟味した。標高差は大きいものの、先に南駒に上がってしまえば後は下り基調な
ので気が楽だろう。しかし中央アルプスの主稜線を高みに向かって歩きたいという気持ちで逆コースを選択した。
南下コースは以前歩いたことがあるというのも大きな要因だ。
深夜の伊奈川ダム奥の登山口。意外なことに1台の車も止まっていない。日曜のせいもあるかもしれないが、9月にな
ればこんなものなのだろうか。
朝になると2台の車があった。人影はなく、すでに出発したようだ。自分と同じ周回組だろう。
DOCを押してゲート脇の通路を通るが狭い。明け始めた空はヘッデンが要るか要らないかという暗さだ。未舗装の林道
は走りにくく、小石を避けながらの走行だ。
20分ほどで福栃沢の登山口に到着。やはりDOCを持ってきて正解だった。帰路ではもっと正解になるだろう。
[attachment=5]P1080607_1.JPG[/attachment]
この登山道は全体的に鬱蒼とした針葉樹林の中を行く。花も展望もなく、ただひたすら高度を稼ぐだけの面白みのない
道である。まだこの尾根まで日が届かないので明るい気持ちにもなりようがない。
空気がひんやりしているのだけが救いだ。
上の水場を過ぎるとひとりの登山者が下りてきた。「水場はまだですか?」と聞かれたので「すぐそこですよ」と答える。
見れば小学生の遠足のようなリュックを担ぎ、拾った木切れを杖に足元も覚束ない。ここから先の道からすれば心配する
こともないだろう。
越百小屋では小屋番夫婦が干し物の真っ最中だった。「ゆっくり休んでいって」と言われてザックを降ろした。
「下山者と会った?」と聞かれ、「上の水場の近くで会いました」と言うとびっくりしていた。6時頃小屋を出発したと言うの
である。ここから水場までは30分ほどだ。おまけに昨日は摺鉢窪の避難小屋を6時に出て、越百小屋に着いたのがなん
と18時だったと言う。避難小屋泊まりなのにシュラフも持たず、おにぎりを作ってやったのに礼も言わず立ち去ってしまっ
たと憤慨していた。山登りのスタイルは人それぞれとは言うものの、まあ、いろんな人がいるものだ。
しかしこの小屋のカラーリングは個性的というか、とにかくよく目立つ。
[attachment=4]P1080631_1.JPG[/attachment]
小屋を過ぎるとやっと森林限界を超えて見通しが利くようになった。いい天気だ。これから向かう南駒ヶ岳もはっきりと
見え、闘志を掻き立てられる。
しかし、越百山までこんなに遠かったかと思うほど、なかなか到達しなかった。やっぱり闘志と体力が比例していないの
か。
やっとの思いで越百山頂に立った。今日は晴れているもののかなり雲が多く、御岳も見えない。南アルプスも鋸あたり
がチラッと見えるだけである。
腰を降ろしてさて携帯を取り出そうとしたが、ない。圏外なので電源を切ったところまではよかったが、ザックに入れるの
を忘れたらしい。これで遭難できなくなってしまった。
[attachment=3]P1080658_1.JPG[/attachment]
ほぼ予定の時間に出発。南駒ヶ岳に12時半に着けば余裕で下山できるだろう。
仙涯嶺へは緩やかな尾根が続く。高山植物の残骸があちらこちらにあるだけで、今は潤いのないハイマツと砂ザレの道
だ。それでも青空の下、2500mを超える尾根を歩くのは気持ちがいい。たまには人の道を外さずに生きるのもいいもんだ。
仙涯嶺は岩だらけのピークだが、登山道は岩稜歩きというわけではなく、岩を縫って普通の道が付けられている。
前回はガスッていたので山頂らしきところは素通りしてしまった。今日はそれと思しきピークに寄ってみたが、標識のひと
つもない。
そこで休んでいると、南駒ヶ岳方面からの単独者が素通りして行くのが見えた。彼も逆回り周回組のひとりだろう。
[attachment=2]P1080701_1.JPG[/attachment]
仙涯嶺からは100mほどの下りとなる。この下りも岩を縫って、時折鎖場が現われたりするものの大したものではない。
見上げると巨岩・奇岩が林立して壮観だ。仙涯嶺という名前がうなずける景観である。
手前から見ると、最低コルから南駒ヶ岳までは岩稜が続いている。さて、どんなルートだったかなと考えるが思い出せ
ない。コルに立ってみると、道は東側斜面を巻いて付けられていた。1ヶ月早ければ見事なお花畑だったんだろうと思う。
途中でまた単独者と出会った。もうひとりの逆回り周回組だ。「暑いですねえ」と言葉を交わす。
今まで雨の日以外は帽子を被ることがなかった。最近暑さにめっきり弱くなって、少し前に日よけのつば広の帽子を買
ったのだが、被ってみると効果はてきめん、陰になった部分の体感温度が全然違う。
いろんなことに気を遣わなければならない歳になったということか。
すぐそこに見えていたはずの南駒ヶ岳山頂は意外に遠く、着いたと思ったピークは南の前衛峰だった。
「御料局三角点」という標石がある。本当の南駒はなだらかな尾根の先にあった。
晴れていた空にさっきからガスが掛かりだしていたが、再びベールが取れて視界が利き出した。さっきの単独者は山頂
手前から何も見えなかったと言っていたからアンラッキーである。
[attachment=0]P1080751_1.JPG[/attachment]
3度目の南駒ヶ岳。前2回もそうだったが、誰もいない静かな山頂だ。
大きな岩の上に乗って、靴も靴下も脱いで寛ぐ。保冷対策してきたビールをやっと開ける時が来た。半袖で十分な気温
にそよそよと吹く風が心地良い。空木岳は雲の中。赤梛岳と百間ナギの強烈なガレが目を引く。
空木方面から猛烈なスピードで登山者がやってきた。聞けば今朝5時半に駐車場を出て、空木岳経由で来たと言う。
若いとは言え恐るべきスピードだ。当然越百山経由の下山だが、余裕綽綽だろう。
しばらくするとまたも空木方面から単独者が現われた。越百小屋泊まりかと思ったが、こちらは池山尾根からの日帰りだ。
空木まででも結構しんどいと思うが、南駒の往復をプラスするとは恐れ入る。明るいうちに下りられないでしょうと笑ってい
たが、この山は結構な猛者が集まる山なのだろうか。
[attachment=1]P1080764_1.JPG[/attachment]
ここからは未知の下山路である。岩稜というより巨岩累々と言った趣きの北沢尾根を辿る。ペンキ印はあるものの、少々分
かり辛いところもある。何より巨岩の間の隙間が落とし穴のように口を開いていて、うっかり落ちたらタダで済まないので
気が抜けない。
2時間足らずしか寝ていない寝不足とアルコールのせいか、息が上がってどうにも調子が出ない。我慢して歩いていたが、
2591m標高点のあたりでひっくり返って目を瞑った。こんな調子で下りられるんだろうか。
少し休むと体調も回復、徐々にペースが上がり始めた。2411mの標高点からはかなりいい道となり、明るい樹林とも相
まって気分も上向きだ。
この尾根道はあまり良くないという先入観があったがうれしい誤算である。越百山の登山道よりいいのではないだろうか。
上部のハイマツのちょっとしたヤブと岩の落とし穴さえ我慢すればいいルートだ。
山頂から2591mまで1時間も掛ったのがウソのように快調に下る。今朝沢の沢音が近付いて、いよいよ登山口かと思わ
せてから、嫌になるぐらい山腹を巻いて行くのが予想外だったが。
今朝沢登山口に出たら思いっきり沢水で顔を洗おうと思っていたが、手近に水の流れるところがなかった。
20分ほどの林道歩きで福栃沢の登山口。
行儀よく待っていたDOCに跨り、お尻を突き上げるショックにしばし耐えれば駐車地まではすぐだ。
山日和
また、夏には反対側から中小川を溯行して、越百小屋でゆっくり泊まる との案も絵に描いた餅 状態です。