【若狭】甲森谷支流白谷から芦谷山
Posted: 2012年7月17日(火) 23:32
【日 付】2012年7月16日(月)
【山 域】若狭 芦谷山周辺
【天 候】晴れ
【コース】関電取水施設7:40---8:40甲森谷出合---9:25白谷出合9:40---11:15尾根13:00---13:30芦谷山---15:00横谷川本流15:15---16:40駐車地
朝から気持ちが悪い。暑さと寝不足の上に、食欲もないのに無理やりハンバーガーを食べてしまったのが拍車をかけた。
さっさと温泉に入って帰りたいぐらいだがそうもいかず、登山口へ向かう。
横谷川林道の関電取水施設前の定位置は今日も無人。ここは朝のうちは日陰で、川上から涼しい風が吹き抜ける。
ちょっと気分が持ち直した。
林道をしばらく歩いて最終堰堤から巡視路に入る。崩れた跡が直されているがかなり荒れている。神経を使うトラバース
もあり、登山道しか歩いたことがない人にはちょっと辛い道だろう。
最初の吊り橋で水辺へ降りるとホッとする。やはり夏は水辺が一番だ。最近の雨で水量はやや多いものの、増水してい
るというほどではない。それでも左岸のへつり部分などは水没して、普通の靴では歩けない。橋もことごとく落ちており、渓
流シューズは必携である。
2番目の吊り橋は渡る気が起こらないほど老朽化している。落ちてはいなくても真ん中で「くの字」に曲がって逆太鼓橋状
態の橋もある。
[attachment=4]P1080486_1.JPG[/attachment]
この「関西屈指の鉄塔巡視路」も通い慣れたものだ。1時間ほどで甲森谷出合に到着。ここでひと息入れるのもいつもの
習慣である。
やさしい流れを上流へ辿る。劇的なことは何も起こらない谷だが、何度来ても飽きることがない。何も起こらないと思ってい
たらつまずいた拍子にカメラがケースから飛び出して水没寸前でストラップにぶら下がってしまった。あわてて水滴を拭き取
るが、レンズの内側がなんとなく曇っているようだ。今日は沢登りと言うほどでもないので防水カメラにしなかったのが失敗
だった。
[attachment=3]P1080507_1.JPG[/attachment]
甲森谷右岸唯一の支流が白谷である。この出合の手前のミニゴルジュが本流で一番美しいところだろう。出合の本流左
岸には炭焼窯跡とトチの木の小台地があり、休むにはうってつけの場所だ。
今日の目的は気になりながらこれまで入ったことのなかった白谷の探索である。直角に本流へ流れ込み、さらに急角度
で右折する谷は、出合のゴルジュ地形から見ても滝が連続しそうな雰囲気を漂わせている。
しかし現実は1~2m程度の落差が続く平凡な渓相だった。耳川流域の小谷の平均的な風景と言えるだろう。
谷そのものは平凡でも、谷を覆う樹林はすべてトチを主体とした自然林で美しい。これまた耳川の谷を代表する風景である。
[attachment=2]P1080528_1.JPG[/attachment]
谷の真ん中に巨岩が現われた。一瞬インゼルかと思ったが二俣だった。岩の上には約束事のように大きなトチが根を張っ
ている。初めての谷でもどこかで見たような風景が連続する予定調和の世界だ。
甲森谷本流と違い、短い谷だけにすぐに谷は傾斜を増す。ほとんどが小滝が繋がったような流れだが、流倒木が多いので
スッキリしないのが残念だ。
標高500mを超えると倒木が姿を消し、きれいな斜瀑が連続するようになった。早くも源頭の趣きを見せる谷は放射状に広
がり、その中に連瀑を掛ける。
周りの斜面にはブナも姿を見せ始めた。その斜面もほとんど下生えがなく、非常にスッキリした印象だ。この源頭は付近の
谷の中でも一二を争う美しさだろう。両岸の尾根上にはブナ林が広がる。
[attachment=1]P1080566_1.JPG[/attachment]
その美しさとは裏腹に、こちらはもうヘロヘロである。こんなに体力がなかったかなと思うほど足が重い。
水の切れた谷は目の前で終わり。右手から尾根に這い上がる。グリップの利かないフェルトソールでずるずる滑りながら、
青息吐息で甲森谷本流との中間尾根に乗った。涼しい風がオーバーヒートした体を冷却してくれる。少し早いがメシにしよう。
気持ちのいいブナ林にシートを広げた。今日はとろろ蕎麦。ソーメンと並んで暑い日には食べやすいメニューだ。ビールも
なんとか冷えを保っている。
食後の仕上げは昼寝だ。上着を羽織って乾いた靴下を履いたら寒くはない。30分ほど熟睡しただろうか。
[attachment=0]P1080584_1.JPG[/attachment]
甲森谷源流の森水屋(谷の名前である。このあたりには「トタテ」や「ジャツキ」「中小屋」「水舟」など変わった名前の谷が
多い。)から「トチとカツラのワンダーランド」を経由して下りるつもりだった。
最近あるHPを見ると、「登山者にトチとカツラのワンダーランドと呼ばれているらしいが、筆者は横文字の名前を好まない云
々」と書いてあった。自分も好きなわけではないが、あの森を初めて見た時の素直な驚きがこういう表現になっただけだ。
名前を付けるとしたら「桂の桃源郷」。翻って「桂源郷」というところか。なんだか落語家の名前みたいでイマイチだが。
すっかり涼しくなったこともあり、もう一度濡れた渓流シューズを履く気が失せて、芦谷岳から未踏のP577m尾根を下るこ
とにした。これが大きな間違いだった。
涼しかったのはさっきの尾根だけで、町界尾根に上がると日も当たるようになって猛烈に暑い。全国で猛暑日となった日
だけあって、さすがにこんな標高の低い山の尾根では暑さから逃れられない。
またまた汗だくになって、芦谷岳の次のピークから北西への支尾根に入った。
最初はそこそこの大木もありいい雰囲気だったが、それも間もなく終了。ユズリハのヤブと杉の幼木が鬱陶しいヤブ尾根
に変わった。それなりに踏み跡はある。だいぶ前にokuちゃんが歩いて、あまりいいように書いてなかったことを思い出した。
横谷川本流の上流域は植林が入っているので、その近辺の尾根や谷はあまり期待してはいけないのだ。
おまけにP577mからの下りで広い尾根に惑わされて外してしまい、ヤブの薄い方へ誘われて真北の支尾根を下りる羽目
になってしまった。
この辺の尾根は岩壁に突き当たることもないと思っていたら、目の前に大岩が現われた。岩の向こうはストンと切れ落ちて
いるようだ。右手の斜面を鹿が2頭走り抜けた。そちらの斜面にはそれとなく踏み跡風のルートがジグザグに付けられてい
るように見えた。ズルズルの斜面をなんとか下り切る。
今日もまたしなくてもいい苦労を買って谷筋に着地。冷たい渓水で顔をザブザブ洗うと人心地着いた。
このあたりは一面植林帯である。杣道を拾って下流へ進めば巡視路に合流する。しばらく歩くと甲森谷の出合。
夕方の谷筋ということでメガネを掛けた。さほど目が悪いわけではないが、薄暗いと見えにくくなるのだ。
第一吊り橋まで戻って休んでいる時に外したメガネに手を着いてしまった。何か嫌な音がしたなと思ったがあまり気にもせ
ず歩き出す。どうも視界がおかしい。メガネを外した方がよく見える。
度が合わなくなったのかなと思いながら車に戻り、メガネを拭こうとしたら右眼のレンズがなくなっていた。
山日和
【山 域】若狭 芦谷山周辺
【天 候】晴れ
【コース】関電取水施設7:40---8:40甲森谷出合---9:25白谷出合9:40---11:15尾根13:00---13:30芦谷山---15:00横谷川本流15:15---16:40駐車地
朝から気持ちが悪い。暑さと寝不足の上に、食欲もないのに無理やりハンバーガーを食べてしまったのが拍車をかけた。
さっさと温泉に入って帰りたいぐらいだがそうもいかず、登山口へ向かう。
横谷川林道の関電取水施設前の定位置は今日も無人。ここは朝のうちは日陰で、川上から涼しい風が吹き抜ける。
ちょっと気分が持ち直した。
林道をしばらく歩いて最終堰堤から巡視路に入る。崩れた跡が直されているがかなり荒れている。神経を使うトラバース
もあり、登山道しか歩いたことがない人にはちょっと辛い道だろう。
最初の吊り橋で水辺へ降りるとホッとする。やはり夏は水辺が一番だ。最近の雨で水量はやや多いものの、増水してい
るというほどではない。それでも左岸のへつり部分などは水没して、普通の靴では歩けない。橋もことごとく落ちており、渓
流シューズは必携である。
2番目の吊り橋は渡る気が起こらないほど老朽化している。落ちてはいなくても真ん中で「くの字」に曲がって逆太鼓橋状
態の橋もある。
[attachment=4]P1080486_1.JPG[/attachment]
この「関西屈指の鉄塔巡視路」も通い慣れたものだ。1時間ほどで甲森谷出合に到着。ここでひと息入れるのもいつもの
習慣である。
やさしい流れを上流へ辿る。劇的なことは何も起こらない谷だが、何度来ても飽きることがない。何も起こらないと思ってい
たらつまずいた拍子にカメラがケースから飛び出して水没寸前でストラップにぶら下がってしまった。あわてて水滴を拭き取
るが、レンズの内側がなんとなく曇っているようだ。今日は沢登りと言うほどでもないので防水カメラにしなかったのが失敗
だった。
[attachment=3]P1080507_1.JPG[/attachment]
甲森谷右岸唯一の支流が白谷である。この出合の手前のミニゴルジュが本流で一番美しいところだろう。出合の本流左
岸には炭焼窯跡とトチの木の小台地があり、休むにはうってつけの場所だ。
今日の目的は気になりながらこれまで入ったことのなかった白谷の探索である。直角に本流へ流れ込み、さらに急角度
で右折する谷は、出合のゴルジュ地形から見ても滝が連続しそうな雰囲気を漂わせている。
しかし現実は1~2m程度の落差が続く平凡な渓相だった。耳川流域の小谷の平均的な風景と言えるだろう。
谷そのものは平凡でも、谷を覆う樹林はすべてトチを主体とした自然林で美しい。これまた耳川の谷を代表する風景である。
[attachment=2]P1080528_1.JPG[/attachment]
谷の真ん中に巨岩が現われた。一瞬インゼルかと思ったが二俣だった。岩の上には約束事のように大きなトチが根を張っ
ている。初めての谷でもどこかで見たような風景が連続する予定調和の世界だ。
甲森谷本流と違い、短い谷だけにすぐに谷は傾斜を増す。ほとんどが小滝が繋がったような流れだが、流倒木が多いので
スッキリしないのが残念だ。
標高500mを超えると倒木が姿を消し、きれいな斜瀑が連続するようになった。早くも源頭の趣きを見せる谷は放射状に広
がり、その中に連瀑を掛ける。
周りの斜面にはブナも姿を見せ始めた。その斜面もほとんど下生えがなく、非常にスッキリした印象だ。この源頭は付近の
谷の中でも一二を争う美しさだろう。両岸の尾根上にはブナ林が広がる。
[attachment=1]P1080566_1.JPG[/attachment]
その美しさとは裏腹に、こちらはもうヘロヘロである。こんなに体力がなかったかなと思うほど足が重い。
水の切れた谷は目の前で終わり。右手から尾根に這い上がる。グリップの利かないフェルトソールでずるずる滑りながら、
青息吐息で甲森谷本流との中間尾根に乗った。涼しい風がオーバーヒートした体を冷却してくれる。少し早いがメシにしよう。
気持ちのいいブナ林にシートを広げた。今日はとろろ蕎麦。ソーメンと並んで暑い日には食べやすいメニューだ。ビールも
なんとか冷えを保っている。
食後の仕上げは昼寝だ。上着を羽織って乾いた靴下を履いたら寒くはない。30分ほど熟睡しただろうか。
[attachment=0]P1080584_1.JPG[/attachment]
甲森谷源流の森水屋(谷の名前である。このあたりには「トタテ」や「ジャツキ」「中小屋」「水舟」など変わった名前の谷が
多い。)から「トチとカツラのワンダーランド」を経由して下りるつもりだった。
最近あるHPを見ると、「登山者にトチとカツラのワンダーランドと呼ばれているらしいが、筆者は横文字の名前を好まない云
々」と書いてあった。自分も好きなわけではないが、あの森を初めて見た時の素直な驚きがこういう表現になっただけだ。
名前を付けるとしたら「桂の桃源郷」。翻って「桂源郷」というところか。なんだか落語家の名前みたいでイマイチだが。
すっかり涼しくなったこともあり、もう一度濡れた渓流シューズを履く気が失せて、芦谷岳から未踏のP577m尾根を下るこ
とにした。これが大きな間違いだった。
涼しかったのはさっきの尾根だけで、町界尾根に上がると日も当たるようになって猛烈に暑い。全国で猛暑日となった日
だけあって、さすがにこんな標高の低い山の尾根では暑さから逃れられない。
またまた汗だくになって、芦谷岳の次のピークから北西への支尾根に入った。
最初はそこそこの大木もありいい雰囲気だったが、それも間もなく終了。ユズリハのヤブと杉の幼木が鬱陶しいヤブ尾根
に変わった。それなりに踏み跡はある。だいぶ前にokuちゃんが歩いて、あまりいいように書いてなかったことを思い出した。
横谷川本流の上流域は植林が入っているので、その近辺の尾根や谷はあまり期待してはいけないのだ。
おまけにP577mからの下りで広い尾根に惑わされて外してしまい、ヤブの薄い方へ誘われて真北の支尾根を下りる羽目
になってしまった。
この辺の尾根は岩壁に突き当たることもないと思っていたら、目の前に大岩が現われた。岩の向こうはストンと切れ落ちて
いるようだ。右手の斜面を鹿が2頭走り抜けた。そちらの斜面にはそれとなく踏み跡風のルートがジグザグに付けられてい
るように見えた。ズルズルの斜面をなんとか下り切る。
今日もまたしなくてもいい苦労を買って谷筋に着地。冷たい渓水で顔をザブザブ洗うと人心地着いた。
このあたりは一面植林帯である。杣道を拾って下流へ進めば巡視路に合流する。しばらく歩くと甲森谷の出合。
夕方の谷筋ということでメガネを掛けた。さほど目が悪いわけではないが、薄暗いと見えにくくなるのだ。
第一吊り橋まで戻って休んでいる時に外したメガネに手を着いてしまった。何か嫌な音がしたなと思ったがあまり気にもせ
ず歩き出す。どうも視界がおかしい。メガネを外した方がよく見える。
度が合わなくなったのかなと思いながら車に戻り、メガネを拭こうとしたら右眼のレンズがなくなっていた。
山日和
朝から気持ちが悪い。暑さと寝不足の上に、食欲もないのに無理やりハンバーガーを食べてしまったのが拍車をかけた。