島崎三歩死す
Posted: 2012年6月18日(月) 18:40
最近どうにも週末の天気の巡り合わせが悪い。そのせいか雑談コーナーが急に賑わいを見せている。
当方も珍しく2週続けてのお休みだ。ここはひとつヒマつぶしに・・・
ビッグコミックオリジナルに連載の超人気マンガ「岳」が最終回を迎えた。昨年映画化された(突っ込みどころ満載だったが、
映像は美しく、長沢まさみも可愛かった。)こともあり、一般にも認知度の高い作品だろう。
北アルプスの遭難救助隊員(正式ではなくボランティア)である主人公の島崎三歩は、超人的なクライマーであると同時に実に
人間臭い(臭い人間ではない)魅力的な人物である。
毎回北アルプスを訪れる登山者の遭難とその救助、そして彼を取り巻くいろんなキャラクターの人々が生き生きと描かれている。
彼が遭難者を救助した時、あるいは不幸にして助けられなかった時にも必ず発するひと言が、「よく頑張った。」である。
そこには無謀な登山の果てに起きた遭難事故であっても、彼の登山者に対する愛情が常に溢れている。そして、こんな事故が
あっても決して山を嫌いにならないで欲しいという思いも。
彼はクライマーとしてはスーパーマンだが、生きるのが下手でいつもどこか抜けたところがある、いわゆる「天然」キャラである。
その彼がひとたび救助に向かえば最後まで絶対にあきらめない。作者は登山者でもあるが、そこはマンガの世界なので現実に
はあり得ないようなシチュエーションも往々にしてある。しかしそんな部分を差し引いてもつい引き込まれてしまう魅力的な作品
だった。当方も読みながら何度となく涙したものである。
[attachment=0]_h475_9784091875716_6.jpg[/attachment]
その島崎三歩が最終回の前編でついに世を去った。正確には死亡したシーンは描かれていないが、最終回には主人公は登
場せず、それまで彼と縁のあった人々のその後だけが描かれていることで、彼が帰らぬ人となったことを思い知るのである。
彼のキャラクターからして、最後に死亡して物語を終えるということは想定していなかった。
恐らく作者の元にも「なぜ死なせたんだ」という声が多数届いたのではないかと思う。
島崎三歩は自分の山の総決算として単独で挑んだエベレストで遭難事故に遭遇し、彼に縁のあった登山者はもちろん無関係の
登山隊まで分け隔てなく助けようとして力尽きたのである。
見て見ぬ振りをすればそれで済んだはず (エベレストのような極限状態の山ではそれが当然でもある)だが、彼の魂はそれを許
さなかった。
見ず知らずの人を救うために自分の命を掛けられるか。たとえそれが仕事であったとしても。そういう重い命題をあたり前のこと
のようにサラッと実行してしまう。それが島崎三歩の最大の魅力だったと言えよう。
単行本も18巻を数えるに至った大作となった。作者もここまで続くとは予想していなかったに違いない。
残念ながら「岳」は終了したが、現役登山者である作者のより魅力的な次作を期待したい。
山日和
当方も珍しく2週続けてのお休みだ。ここはひとつヒマつぶしに・・・
ビッグコミックオリジナルに連載の超人気マンガ「岳」が最終回を迎えた。昨年映画化された(突っ込みどころ満載だったが、
映像は美しく、長沢まさみも可愛かった。)こともあり、一般にも認知度の高い作品だろう。
北アルプスの遭難救助隊員(正式ではなくボランティア)である主人公の島崎三歩は、超人的なクライマーであると同時に実に
人間臭い(臭い人間ではない)魅力的な人物である。
毎回北アルプスを訪れる登山者の遭難とその救助、そして彼を取り巻くいろんなキャラクターの人々が生き生きと描かれている。
彼が遭難者を救助した時、あるいは不幸にして助けられなかった時にも必ず発するひと言が、「よく頑張った。」である。
そこには無謀な登山の果てに起きた遭難事故であっても、彼の登山者に対する愛情が常に溢れている。そして、こんな事故が
あっても決して山を嫌いにならないで欲しいという思いも。
彼はクライマーとしてはスーパーマンだが、生きるのが下手でいつもどこか抜けたところがある、いわゆる「天然」キャラである。
その彼がひとたび救助に向かえば最後まで絶対にあきらめない。作者は登山者でもあるが、そこはマンガの世界なので現実に
はあり得ないようなシチュエーションも往々にしてある。しかしそんな部分を差し引いてもつい引き込まれてしまう魅力的な作品
だった。当方も読みながら何度となく涙したものである。
[attachment=0]_h475_9784091875716_6.jpg[/attachment]
その島崎三歩が最終回の前編でついに世を去った。正確には死亡したシーンは描かれていないが、最終回には主人公は登
場せず、それまで彼と縁のあった人々のその後だけが描かれていることで、彼が帰らぬ人となったことを思い知るのである。
彼のキャラクターからして、最後に死亡して物語を終えるということは想定していなかった。
恐らく作者の元にも「なぜ死なせたんだ」という声が多数届いたのではないかと思う。
島崎三歩は自分の山の総決算として単独で挑んだエベレストで遭難事故に遭遇し、彼に縁のあった登山者はもちろん無関係の
登山隊まで分け隔てなく助けようとして力尽きたのである。
見て見ぬ振りをすればそれで済んだはず (エベレストのような極限状態の山ではそれが当然でもある)だが、彼の魂はそれを許
さなかった。
見ず知らずの人を救うために自分の命を掛けられるか。たとえそれが仕事であったとしても。そういう重い命題をあたり前のこと
のようにサラッと実行してしまう。それが島崎三歩の最大の魅力だったと言えよう。
単行本も18巻を数えるに至った大作となった。作者もここまで続くとは予想していなかったに違いない。
残念ながら「岳」は終了したが、現役登山者である作者のより魅力的な次作を期待したい。
山日和
当方も読みながら何度となく涙したものである。