山日和さん、こんにちは。
穴毛お世話になりました。
毎度のことながら、新穂高から眺める穴毛谷の堰堤群には圧倒される。その上には淡い青空と、笠ヶ岳から抜戸岳へ連
なるスカイラインが浮かんでいる。思ったよりいい天気だ。
あの人工物にはホント圧倒されますね。
普通に笠ケ岳に向う時には気にならなかった堰堤が、これから穴毛の谷に入れて頂くんだと言う門に見えたりしてね。
穴毛谷も3度目のなれば手慣れたものだ。初めてのひいちゃんは不安げな面持ち。事前にいろいろ情報を入れて、かえっ
て不安が増幅したようでもある。
流石の不安性、前日質問攻めにて失礼をいたしました。。
まぁ安全志向だとお許し下さいませ~。
右岸のちょっとした岩場をへつれば待望の雪渓だ。ここで早速アイゼンを装着する。アイゼンを靴に合わせるのを忘れてき
たひいちゃんは調節にひと苦労。彼女のアイゼンもそろそろ買い替え時のようである。
ボリエールまで履かなくてもとスカルパの登山靴に変えたのに、アイゼンに合わすのを後回しにしたらもうアルツで忘れ、
12年も前のアイゼンでスライドさせるのに一苦労。
あってはならない事にホントお恥ずかしい事やった、30分も余分な時間を費やしてしまいました。
四ノ沢出合のひときわ大規模なデブリを越えると徐々に傾斜が強まり、両岸が迫ったゴルジュっぽくなる。
そして穴毛大観音のお目見えだが、往復含めて4回見ているともう感慨は湧かない。ひいちゃんも「ふーん」という感じである。
五ノ沢からの落石が本流を横断して左岸側まで飛んできていた。まわりが融けて雪の台の上に大きな岩が鎮座する光景は
この時期の風物詩だろう。
穴毛大観音さまに反応なくて失礼しました。
なんのこっちゃで???
なんか、しきりと詳しく説明をして下さってましたね。
要するに、岩も年月経つとアートネーチャー必須って事かな。
それにしても、割れた落石、木々がちぎれ落ちて散らばってる光景はこの時期しか見られないね。
自然の猛威を感じました。
いよいよ穴毛大滝が姿を見せた。やはり水流の見えている部分が去年より多い。
初めて見る大滝の姿にひいちゃんは大感激だ。3回目にして初めて滝に日が当たっているのを見た。
水しぶきの躍動と岩の陰影がひと際美しく映える。やはり太陽はあらゆるものに命を吹き込んでくれる。
長い間、百四条の滝壷を見たくても行く事が出来なかったんで大滝は感激でしたー
迫力ありましたね。
もっと近くで覗き込みたかったけれど落ちたら大変と思い止まりました。
雪・・・そこに落ちゆく水の勢いは壷がなくても素晴らしかったです。
去年より雪の量が10Mも少ないと仰っていたけれど、少ないほうが滝に高さがあって迫力ありましたね。
天の恵み、陽の光も雰囲気に勢いを付けてくれてました。
- 穴毛大滝
ここでザイテンタールの急登に備えてピッケルに持ち替えた。雪は適度な堅さで、アイゼンをフラットに蹴り込めばピタッと
止まる快適な登高である。
本流へのトラバース地点も迷うことなく見付け、難なく大滝上流の雪渓とほとんど段差のない小尾根に乗った。
たんぽぽさんによると、ここは7月になるとお花畑となるパラダイスらしい。一度そういう時に訪れてみたい気もするが、快適な
雪渓歩きと引き換えなのだろう。どちらを取るか難しいところだ。
ひいちゃんが足の異変を訴えた。足首が脱臼気味で、はまるとかはまらないとか言っている。無理は禁物だ。
ここで引き返してもいいが、足の置き方によっては痛まないというので、とりあえず杓子平に向かって進むことにする。
キックステップの度に足首が外れるような痛み。
ゴキッ・・・あれ?入らない。
落ち着いては、またゴキッ。
うまく入らない時の痛みは顔がゆがんじゃいました。
咲いてはいなかったけれどコイワカガミ群生のパラダイスで靴の足首紐をしっかり締め付けて少し楽になりました。
ここから見る六ノ沢は、去年あそこを登ったことが信じられないぐらい急角度で空に向かって伸びていた。
凄い斜度でしたね。
落ちたら何処まで~
七ノ沢出合の先にある小滝は雪の中から姿を見せていた。前回同様、右岸から雪を繋いで巻き上がる。
緩く左にカーブして、雪壁状の落差に視界を遮られると、その向こうが杓子平だ。落差を超えれば狭い谷間から開放されて、
カール状にワイドに広がる杓子平の雄大な風景に包まれる。主稜線はまだはるか高く、延々と雪庇が連なっていた。
平とは言いながらあまり平坦な場所がない杓子平である。比較的緩い小台地に腰を降ろす。
穴毛谷の向こうには笠ヶ岳と山小屋がガスに覆い隠されようとしていた。
今日はここまでだ。ひいちゃんの足もなんとか持ってくれた。帰りが心配だがのんびりランチとしよう。
痛みに耐えつつ、なんとかなんとかでした。
不調で申し訳なかったです。
笠ケ岳と笠ケ岳山荘の赤い屋根がなんとも良い感じでした。
- 笠ケ岳と笠ケ岳山荘
何もしないよりはとテープを出してテーピングを勧めた。ひいちゃんは多少勉強しているようで、手際よくテープを巻いていく。
作業完了して立ち上がってみると、なんとまったく痛みを感じないと言う。これは大正解。あれほど痛そうにしていたのがウソ
のようだ。これで安心して下山できるというものである。
幅広キネシオテープ持参には感謝でした。ニチバンのよりずっと良い感じ。
しかし、自分に巻く日が来るとは・・・。
雪山の下りは尻セードを交えながら鼻歌モードの気楽なものとなった。
私はピッケルでブレーキかけながらでしたが。。
しかしザイテンタールの急斜面ではひいちゃんのビ
ビリが出てとたんに牛歩モードとなる。こういう場面の歩行技術は課題が残るようだ。まあ、場数と度胸がものを言うのだが。
何年雪山やってんだか、度胸全くございません!!
毛勝山も凄い斜度と思いましたが、それをも勝るとはね。
前に遮るものがないのを、快感と感じるようにならねばね。
雪渓末端でアイゼンを脱いだら急に雨が降り出した。いきなり本降りの様相になったので長続きはしないだろう。
上だけは防風対策で雨具を着ていたが、面倒くさいのでパンツとレインカバーは着けずに歩く。もう少しというところなのにび
しょ濡れになってしまった。
15時までは大丈夫と思ってましたが、岩のヘツリで降らんでもねー。
あんな大粒雨に叩きつけられるとは思ってなかったけれど、ものの30分で止んでくれてホッとしました。
あの籾糠山の時は長かったからね。
3番目の堰堤下を渡渉する頃にはもう雨も上がり、日まで差し出した。予想通りである。
ニューホタカに戻ると宿の大将が心配そうに出てきた。こういう駐車場に止めると車は安心だが、時間が遅くなった時に余計な心配をかけてしまうので善し悪しである。闇下にならなくてよかった。
仕上げは前から気になっていた平湯温泉の平湯館で汗を流した。レトロな雰囲気の建物と凝った作りの露天風呂はなかなかのものだ。
帰宅してGPSの軌跡を見たら、笠新道までもう40~50M届いていなかったね。
ホント不消化で申し訳なかったです。
足首も、いろいろご心配させちゃいましたがキネシオテープのお陰さま。
痛みなく下る事ができました。
林道では山菜とお遊び、そしてくるまばそうに癒され、到着直ぐにニューホタカのご主人様のお出迎え。
「気をつけて帰ってください」の優しいお言葉は嬉しかったですね。
極めつけは、割引券を印刷して持ってきて下さったお陰で、豪華平湯館のお風呂を初体験。
風情ある露天風呂はちょっとだけ入るには勿体ないくらいでした。
いろいろお世話になり、本当にありがとうございました。
☆ひいちゃん