- 七ツ釜突き当たりの岩間滝
【 日 付 】2023年8月2日(水)
【メンバー】単独
【 天 候 】晴れ
【 ルート】石水渓野外研修施設駐車場 7:40 --- 7:48 入渓地 --- 8:08 白糸の滝10m --- 8:30 大堰堤上 --- 8:45 頂礼井戸滝 2段14m 9:15 --- 10:03 7m滝 10:35 --- 10:56 七ツ釜 --- 11:39 白雲の滝 2段12m 12:12 --- 12:58 5m滝 13:26 --- 14:12 大堰堤上 --- 14:30 駐車地
石谷川は仙ヶ岳南面を集水域とする川である。比較的緩やかな勾配の割に10mクラスの滝がいくつかあり,花崗岩質のフリクションのいい岩質,沢のすぐ脇に登山道が走っているので下山が容易であることなどから,気軽に遊ぶことができる沢登りの場所として人気がある。大堰堤の下流は最近キャニオニングツアーの会社が進出し,キャニオニングのゲレンデとして賑わっているようだ。自宅から30分ほどで行ける気楽さも相まって,ほぼ毎年訪れている。
最近のキャンピングブームのせいか,石水渓の野外研修施設には新しい駐車場が作られている。この少し奥にあるバンガロー村のバンガローや付帯施設も新しく作りかえられている。ほとんど開店休業状態だった数年前のことを思うと隔世の感がある。
この駐車場に車を置かせてもらい,今はキャニオニングツアーの基地となっている旧望仙荘の建物の横から石谷川に降りていく。もっとも,旧望仙荘といっても休業してからずいぶん時間が経っているので,知らない人の方が多いだろう。降りるとすぐに石谷川。このドアツードアの感覚で入渓できるのも石谷川のいいところだ。
入渓するとすぐに大きな堰堤がある。昔はこの堰堤を越えるために古い金属製ハシゴがかかっていたのだが,去年は撤去されていた。今年はおそらくキャニオニングツアー用だろう立派な金属ハシゴが設置されているが,進入禁止の札がかかっている。ここら辺も変化の速度が速いようだ。昔金属製ハシゴがかかっていた場所を覗いてみると,不安定だが新しい金属ハシゴが新たに設置されていた。一旦撤去したものの沢ノボラーのために新たに付け替えたのかもしれない。
ハシゴを登って沢へ降りる。このところの少雨のせいか,水量がいつも比べて少ない。通常時の半分くらいだろうか。いつもは泳いだり,へつったりして通過するところも浅くなっていて,普通に歩いて通過することができる。これが水量のせいかと思っていたのだが,実は谷が流下する砂のために埋まりつつあるせいだということがだんだんわかってくる。去年はこんなことはなかったので,ここ1年以内に起こったことに違いない。水遊びを期待してきた自分にとってはなんとなく物足りない気分。
- 大堰堤の上流
しばらくで白糸の滝10m。何年か前までは在日ブラジル人たちの秘密の遊び場だったのだが,今はキャニオニングツアーのゲレンデになっている。ここの深く大きい淵は健在のようだ。
複数で来た時はロープを出して右側のルンゼから登るのだが,今日は単独で,ロープも持ってきていないので左岸の登山道を巻き登る。白糸の滝の上流も結構面白いのだが,降りられないのでそのまま通過。
大堰堤上に至る道を左折して沢に降りていく。ここは三ツ渕と言って深い淵になっていた(去年まではそうだった)のだが,今年は砂に埋まって淵そのものが消失している。去年はここで泳いで遊んだのだが,残念。堰堤を一つ越えて,大堰堤の左岸の道を通って大堰堤の上に出る。多くの遡行記録ではここから入渓することになっているが,この下流が面白いだけに,ここから入渓するのはもったいない気がする。
大堰堤の上で休憩するつもりだったのだが,アブがうるさいのでそのまま階段を伝って沢に降りることにする。アブの集団もそのままついてきた。大堰堤の上流はいい雰囲気のところだが,アブがうるさくて立ち止まることもできない。
- 白糸の滝
しばらくで朝礼井戸の滝。ここの深く大きい淵も健在のようだ。ここは右側の岩場を巻き登る。大岩がスラブ状で,ホールドがあまりないので,単独では緊張した。滝上で休憩。アブはだいぶ少なくなったが,それでも結構たかってくるので,休憩しながらアブ潰しで忙しかった。ふと目の前の岩を見ると,あまり見かけない種類のカマキリがいる。写真を撮ろうとすると,警戒しながらも逃げずにそのままいてくれた。帰宅してから調べてみると,ハラビロカマキリという種類のようだ。
しばらく行くと7m滝。ここは左側の岩場を巻き登る。ここの釜は深くて大きく,ダイビングスポットだったのだが,砂で埋まり,浅くなってしまって,とても飛び込めそうにない。滝上で再度休憩。急いで下山してもただ暑いだけでいいことは何もない。谷中で適当に休み休み行くのがちょうどいい。
- 七ツ釜入り口
しばらくで七ツ釜。ここの淵も深く,泳がないと入れない場所だったのだが,砂で埋まって簡単に入ることができた。すぐに岩間滝で行き止まり。複数であればロープを出して突破できるのだが,単独なので引き返して左岸を巻く。この巻きで意外に手間取った。昔は簡単に巻きルートを見つけ出せたのだが,しばらく簡単な沢ばかり言っていたせいか,ルートファインディング能力が低下したようだ。巻き上がった登山道から下を見て,もっと簡単なルートがあったことに気づいた。
- ハラビロカマキリ?
沢に戻ってしばらくで白雲の滝 2段12m。ここはロープを出して直登する場所だが,単独なので左岸を巻き登る。滝の落ち口で再び休憩。ふと手元を見ると見慣れないものが手首に吸い付いている。ヒルのお食事中だった。さっき七ツ釜を巻いた時についてきたようだ。もうだいぶお食事が進んだようで結構大きくなっている。慌てず騒がずディートをかけてやると簡単に離れた。ここしばらくヒルに吸血されたことがなかったので,ヒルにまで嫌われるようになったかと思っていたのだが,どうやら思い過ごしのようだ。ちなみに下山後,指の間でお食事中のもう一匹を発見。久しぶりに1日で2回も献血してしまった。
- 岩間滝
- 白雲の滝
再び岩間滝などを登りながら終着点の5m滝に到着。途中でもほとんどの場所で砂の堆積によって淵が埋まっている。5m滝の下で休憩し,左岸の登山道に上がる。あとはこのまま登山道を下って戻るだけだ。下山中にアブの襲来を警戒していたのだが,まったくアブの姿も見なかった。時間的なタイミングによるものだろうか。
- 5m滝
大堰堤からは沢に降り,対岸の小尾根を越えてバンガロー村から駐車地に戻った。いつも楽しい石谷川だが,今回は泳ぎの場所を提供してくれた淵がことごとく砂の堆積で浅くなってしまっており,拍子抜けの感があった。また元に戻る日が来るのだろうか。
今回の戦果はヒルの献血二つとアブの被害だった。露出していた両手と顔がやられており,下山後二日経った今日も顔面の腫れが残っている。沢登りでこれだけアブにやられたのは初めての経験だった。