【日付】 2019年5月1日
【山域】 イタリア・ドロミテ東部
【メンバー】 たんぽぽ・カミさん
【天候】 晴/曇
【コース】 Val Fiscalina駐車場11:00---フォンダバッレ小屋11:30---16:00ロカテッリ小屋16:45
---フォンダバッレ小屋18:30---Val Fiscalina駐車場
- 雪が深くてどこも歩けない
Monte Punta(プンタ山)での激ラッセルに意気消沈してしまい、翌日はドロミテ山中をドライブしながら雪の状態をチェックしていた。
やはり除雪された道路以外はどこも歩くのが大変なことには違いなく、残る2座の登頂も断念せざるを得なかった。
しかし、このまま帰るわけにもいかない。ドロミテの一番人気ともいえるTre Cime di Lavaredo(トレ・チーメ)ならばトレースに助けられて歩けるかもしれない。とりあえず行けるところまで行って雰囲気だけでも味わうことにした。
- この立派なホテルも休業中、背後はCima Undici
Tre Cime di Lavaredoの表玄関はオーストリア国境に近いのでドイツ・オーストリアの香りがプンプンする村を通り抜けてVal Fiscalinaに入る。
ここはドロミテの上高地的存在のようなところだと思うが、オフシーズンなので有料駐車場も無料開放されている。
下手に有料にすると集金箱が襲われるのだと思う、この辺りが日本とは違っている。
- カンジキ背負って歩いていると、イタリアにいるとは思えない
駐車場で支度をしていると他のハイカーは登山靴を履いただけの軽装で素早く出発していく、圧倒的にドイツ・オーストリア系の人が多そうだ。
30分程でRifugio Fondovalleに到着、やはりここも営業していない。
針葉樹の森に入ると雪が繋がっている、雪は踏み固められて夢のようなトレースが続いているので、早めにアイゼンを装着した。
1時間ほど進むと先行していたハイカーが下ってきた。スノーシューがないととても進めないという。
そりゃあそうだろう、スパッツすらつけていないとは雪山に入ったことがないんじゃないかと思ってしまう。
眼前にはCroda Fiscainaの岩峰群がそそり立っている、劔、八峰のスケールを大きくしたヤツといえばわかりやすいだろうか。
景色は険しいがルートは至ってやさしい。
途中まで登って雰囲気を味わえればいいと思っていたのに、いつの間にか本気モードに入っている自分に気が付いた。
標高2,000mを超えると雪が沈むようになってきたのでカンジキを装着する。
相棒のカミさんを見れば、ずぶ濡れの手袋をしているではないか。
なぜスキー用のグローブを使わないのかと聞くと、Monte Puntaで使わなかったから持ってこなかったと言う。
こちらの方が900mも標高が高いのに、いちいち世話を焼かないといけないのは疲れるが、まあ仕方ない。
- Tre Cime di Lavaredo 北面はまるでカンナで削ったようだ
時計の針は15時を指そうとしているが、こちらはサマータイム中なので日本より1時間早くなっている。。
おまけに20時になってもしっかり明るいのでまだまだ大丈夫。
16時をタイムリミットとして雪原を進んでいくが、標高が高いので息が切れる。
快晴だった空も怪しくなってTre Cimeにガスかかりだした頃にやっとRifugio A.Locatelliに着いた。
ほぼ予測していたコースタイム通りで、カミさんもよく頑張ってくれた。
ここはTre Cimeを望むのに最高の展望台、しかし残り時間が少ないので素早く写真を撮って下山にかかる。
しばらく下って振り返るとTre Cimeはすっかりガスに包まれていた。
4日間も滞在して1座もピークハントできなかったのは残念だが、Tre Cimeまでのトレッキングで十分満足できた。
またいつの日か再訪しよう。