【日 付】2019年4月13日(土)
【山 域】鈴鹿
【天 候】晴
【メンバ】単独
【コース】藤川谷登山口8:02---9:20奇人の窟---9:54日本コバ---10:30 P870衣掛山分岐---10:35 林道---10:45盤石の
丘11:22---11:43箕川分岐の林道---12:45君ヶ畑分岐---14:00天狗堂14:32---15:14御池川===15:48日本コバ駐車地
先日手に入れた鈴鹿の山を紹介するパンフレットを見ていたら、日本コバと天狗堂の稜線が赤線で結ばれているこ
とに気付いた。自分の持っている山と高原の地図では点線も何もない稜線である。更に見ていくと一部は稜線を林道が走っている。見た目の距離は長いがこれなら日本コバから天狗堂までの縦走ができそうだ。天狗堂は一度しか登っていないし天気も良くなくて展望がいまいちだったので再訪の価値はあるかもしれない。途中のルートは未知なので
また新たな発見もあるかなあと思って今回の山行を計画した。
縦走するとなると出発地に戻る算段がいる。車一台なのでこういう時はいつも自転車を使う。天狗堂の登山口に自
転車を置いておけば基本的には川下に向かって自転車を走らすだけで済む。そう思ってまず御池川沿いを君ヶ畑に向かって車を走らす。もうすぐ君ヶ畑というところで集落の手前に大きな駐車地があるのを知る。見れば天狗堂登山観光駐車場と書いてある。いつの間にやらこんな駐車場ができたらしい。以前は集落内の空きスペースに遠慮しつつ停めたが、これは有り難い。
- 駐車地
ただ今回はここではなく君ヶ畑の奥の登山口に降りてくる予定でさらに車を走らす。登山口が分かるか不安だったが林道の脇には登山口の標識がしっかりあった。意外に整備されている。これならこの道もきっと使えるだろう。
取って返して日本コバのある藤川谷の登山口に戻る。ちょうど4-5名の年配女性が出発するところだった。
サクラの大きな木の下に停めて自分も出発だ。登山口近くで若い男女に会う。この人たちも日本コバに行くようだ。あれ日本コバってそんなに人が来るところだったっけ。
最初は植林地帯を行く。道は明瞭で渡渉点も橋が渡してあり歩きやすい。そこをどんどん行くと豹の穴方向を示す道標を見る。豹の穴?記憶にないので少し道を外れるがそちらへ行ってみることにした。登ること5分ぐらいですぐに到着。ちょっとした洞穴であるが、あまりたいしたものとは思えず。それよりもその手前にあった円筒状の窯跡の方が珍しい形で気になった。自分が道を外れてきたせいか先ほどの若い男女も着いてきてしまった。こっちじゃないよと伝えて登山道へ復帰する。
日本コバはコバというだけあって植林だらけのイメージがあったが、このルートは結構自然林も多い。そんな中を歩くのはなかなか気分がいい。今日は天気も良く暖かいのだ。そして道の周りの石を見ると御池と同じような石灰岩が多い。これなら花もあるかなあと思うが残念ながら花はあまり見られなかった。
このコースの見どころの一つに奇人の窟がある。ずいぶん大きな洞窟で中にはいてみると10人ぐらいは楽に収容できる。少しじめじめしているので宿泊には向かないかもしれないが急な雨などの時は重宝しそうなところだ。そこでゆっくりしているとトレランの人がやってきた。それ以外にも2-3名の人が覗いていく。豹の穴でも前を行く人がいたが人が多いなあ。今までこの山でこんなに会った記憶がない。
奇人の岩屋を過ぎると登りが急に緩やかになる。そしてここからがこの山の売りなのか頂上近くに驚くほどの水量の川がある。頂上付近の緩やか地形がこれだけの水を集めるのだろう。
ゆったりとした地形は御池岳も変わらないがあそこに水はない。何が違うのだろう。ここらあたりまで来ると降りてくる人とすれ違うようになる。やっぱり人が多いなあ。そして頂上着。男性が独り休んでいたのでちょっと挨拶。今回が初めてだそうだ。それはいいとしてこの山の頂上は展望がない。木の枝越に御池方面がかろうじて見えるのみ。もうちょっと見えてもいいのになあ。展望もないしこの先の行程も長いのですぐに頂上を辞す。しばらく行くと今朝会った若い男女のうち女性が歌を歌いながら楽しそうに登ってくる。自分の姿をみて恥ずかしそうにするが、楽しそうですねというと替え歌を歌っていたんですと陽気な返事。仲のいい二人なんだろう。その後しばらく行くと5-6名の人が木にテープを巻きながら登って来るのに出くわす。挨拶をすると道の整備をしながら登っているんですとのこと。この人たちが鈴鹿10座の整備をしているんだ。道がしっかりしていますねえ。人も多いしというと、近年急に人が増えたそうだ。この人達の努力なんだろうなあ。
さて自分は衣掛山から北上しなければならない。分岐が分かるかなと思ったがそれは杞憂できちんとした道標があった。それなりに歩かれているのだろうか。藪も無い道を行けばすぐに林道に飛び出す。そしてここには日本コバ登山口の標識があった。ここから登るということ?でもこの林道は一般人が使えるのだろうか。不思議だなあ。
そこからしばらく行くと盤石の丘という道標を見る。Ca790の頂のようだ。林道は脇に続いているが林道ばかりではつまらないのでそちらに登ってみることにした。少し上るとそこは石と草地の気持ちのいい頂だった。特筆すべきはその展望。御池から藤原、釈迦、竜が一望に見え雨乞いも望むことができる。今日は快晴の日。青空の下に素晴らしい展望が待っていた。もちろんここからは琵琶湖も見ることが出きる。いいところだねえ。最初は素通り予定だったがこれだけの展望があればすぐに立ち去るのも惜しい。時刻は少し早いがランチタイムとした。座るに適したベンチ状の木も横たわっていて快適だ。ビールと肉入りラーメンがおいしい。暖かく風もないなかでいい時間が過ごせた。
- 盤石の丘
満足して林道に戻るがこの林道はずっと続いている。尾根を縫うように走るので効率が良くすぐに峠に着いた。ここの峠は普通に車で上がってこられるようで「盤石の丘から日本コバ」の標識を見つける。なるほどねえ。車でここまで上がってくれば日本コバへもそれほど登らずに行ける様だ。楽はできるかなあと思うがどうもこちらからの登山者はいなさそう。人には全く会わない。それにしてもきちんとした道標。よく整備したものだ。
この峠は惟喬親王の御陵もあると書かれていたがそれはよく分からなかった。ただ上の方に合掌作りの民家が5-6軒ほどあり結構古くからあった集落だろうと思われるところだ。
- 古い民家
さてここからは登山道になる。どこから取り付いていいのか分からなかったが尾根の末端から取り付けばやがていい道に出会いそのまま登っていくことができた。道は藪も無く歩きやすい。植林ばかりかと思っていたが自然林も多い。特に何かがあるわけでもないこの尾根がこんなに歩きやすいとは。これも整備されたのだろうか。途中で君ヶ畑からの道と合流すると天狗堂も近い。このあたりからは一度歩いたはずだが記憶にはない。もう1時を回っておりすれ違う人もいない。皆降りたかなあと思いつつ、天狗堂にいたる最後の急坂を上っていく。
そして頂上近くになると何やら人の声。たどり着けば年配の男女20名ほどが下山にかかる処だった。すごい団体。
どこかの山岳会らしいが、ここも人気あるのだろうか。その人たちが去ったあとは静かだがこの頂上は何の展望もない。展望岩がこの先にあるとのことなので、そちらに行ってみると大きな岩があり、乗っかれば御池岳が目の前にバーンと広がった。いつもは御池側から見ている天狗堂だがこちらから見ると、御池岳は軍艦のように長く横たわっているのが分かる。雲の無い今日は、その姿がすごく感動的。長い山歩きだったが最後にこんな景色が見られてうれしくなる。そしてこうなるとやっぱりコーヒータイムとなる。狭い岩の上だったがもう誰も来ないだろうとお湯を沸かしコーヒを飲みながらしばしその展望を静かに眺める。FBにもこの風景を載せようかなと思い試みるが、ここは圏外。これだけ展望が良くても電波が入らないらしい。
- 御池岳
まあいいや、帰りましょう。ここから下山口までは未知だが今までの整備状況から行っても、先ほどの団体が下っていったことからしてもきっと整備されているだろう。そう思って下り始めると、これが結構急である。これは仕事が早い。そんな気のする道。途中で今年初めてのイワウチワを愛でてまた気分よく下っていくと丁度林道に出たところで先ほどの団体に追いついた。20人ほどといっていたが実際は何グループにも分けていたのだろう。40-50人はいそうな団体である。いやはやビックリ。最後はデポした自転車でその人たちを追い抜いて登山口まで戻った。
それにしても鈴鹿10座でも少しマイナーな気のする日本コバと天狗堂を今回歩き、登山道だけでなく駐車地も含めてずいぶん力を入れているなあと感じた次第。登山者が増えているのも分かる気がした。
Kasaya