新板になったとたんの震災で、なんだか書き込みにくいなあ…(@_@;)
と思っていたのだけど、みなさんのレポもなんとか復興してきたようなので、憚りながらトピ上げてみますね。
【 日 付 】2011年3月28日(月)
【 山 域 】湖北/上谷山
【メンバー】単独
【 天 候 】快晴
【 ルート 】広野浄水場7:10-手倉山10:10-11:10JCTピーク(昼食)12:10-12:30上谷山12:50-・1082標高点13:30-広谷川左岸尾根-co640-15:45広野
2週間前、横山岳から眺めた上谷山はその標高以上の威圧感で白い稜線を誇っていた。(次はここだな…)と密かに心に決めていたのだ。日曜日は所用があるので土曜日にと思っていたら、天候がイマイチだ。ならば月曜にしよう…と、自由に日程設定できるのはリタイア身分の贅沢さ。
4時にアラームセットしたが、その前に目が覚める。忘れものの有無を確かめて家を出たのが4時40分。竜王ICから北陸道の今庄ICまで1時間ちょっと。早朝割りでちょうど1000円だ。R365をバックして広野ダム方面へ向かう。さすがにもう道路の雪はないが、日野川沿いの田畑には残雪がたっぷりだ。
宇津尾の集落を過ぎればもうすぐ。広野の集落の先の橋を渡ったところから右手へ川沿いに林道が伸びている。ここから入ったらいいな…、と空き地に駐車。支度しているとワゴン車がやってきた。おや、平日なのに山仲間さんかいな? とは勝手な勘違い。タダ飯食いのリタイア族などではなくレッキとした現役労働者諸君のお二人さんだ。
「お仕事ですか?ご苦労様です」と挨拶すると、「どこ行くの?」と怪訝な顔。「山へ入るんです」「調査か何かで?」「いえいえ、ただのアソビですわ、アハハハ…」
ちょっと自嘲気味な自分がいる。「ここ、車停めさせてもらっていいですか?」と了解を得てから林道へ入る。
すぐに北陸電力の設備小屋。さらに進んで左へカーブしたら目の前に柵が現れた。んん? なんだ? 開いている扉の上を見上げると、なんと聳えるのは広野ダムの擁壁ではないか! ちょっと頭を整理する。どうやら右横の川はダムからの日野川本流らしい。右手の川向うに見えている尾根に取り付かないと…。しかたない、引き返しましょう。
広野浄水場への登り口は雪解け水が凍っていて、タイヤを滑らせながらなんとか登る。除雪は施設の前まで。その先は車は入れないが、はっきりした踏み跡が続いている。たぶん週末の登山者のものだろう。ここからでOKやな!
無人の施設だが門は開いていて駐車スペースもあるが、さすがに敷地内の駐車は気が咎める。いったん道路に戻り広い路肩スペースに駐車。
- 眼下の広野ダム
6時半ごろ到着したのに、ダム擁壁まで見に行ったりしていたせいで、出発は7時を回ってしまった。林道はすぐに終わり小さな尾根に取り付く。雪はしっかり固まっていてツボ足のまま登って行く。
左下に広野ダムの湖面が広がり、その向こうには美濃俣丸~笹ヶ峰の稜線が迫る。まっすぐ南へ伸びる尾根は長い長い。金糞の北尾根も長かったけれど、それ以上? 手倉山までどのくらいかかるのか、見当もつかない。1時間半ほど歩いて急登を登りきったところに鉄塔が立っている。細めの電柱のようだけれど、なんのためのものなんやろ?
目の前にピークらしい高みが見える。あそこまで行って一休みしよう…、と頑張るのだが、着いてみるとその向こうにまた新たな高みが現れる。なんどニセピークにがっかりさせられたか! そのたびに振り返ると、少しずつ形を変える奥美濃の山々がシンドさを忘れさせてくれる。「まあ、そんなに焦らんでいいよ。ゆっくりきんさいね」と言ってくれてるのかどうか…。
ピークらしくても、もうあまり期待せんとこう…と思えばガッカリもしなくて済む。黙々と足を運ぶ。今度こそ…?と思ったら平坦な山頂部に出てやや右へ振るとここが手倉山△1037.1だろう。大休止。大汗を拭いて水分とエネルギー補給。
雪庇がはみ出した尾根の左手に三国岳~左千方が並ぶ。jctピークへ11時までに行けたら三国まで空身でピストンできるかも? なんてことを疲れて回らない頭で妄想してみたりしている。
- 三国岳への尾根
さすがに雪質もソフトになりスノ―シューを履く。標高点・1069までは平坦な稜線歩き。少し下って、右から巻きながら最後の登りだ。思ったより時間がかかる。それでも11時過ぎにはjctピークの手前までやってきた。ここから三国への尾根が伸びている。でも、眺めたらとても行く気にはなれない。かなりの距離なのだ。拝むだけでもう結構~♪
ならばここでランチにしましょう。適地を探す。快晴で微風、時間はタップリ!充実のランチタイムが約束されている。
ピークへの尾根の東側に大きな雪庇がありその内側の段差が格好の食卓になる。ここなら微風どころか全くの無風である。しかも目の前は右から大黒、安蔵、横山、金糞、左千方、三国、三周、美濃俣丸、笹ヶ峰…と湖北、奥美濃、越前へ続く山々の大パノラマ! この前の横山岳北西尾根の桟敷席にも劣らない天守閣の屋根に設けられた貴賓席である。
このあたりの山配置もだいぶん分かってきた。やはり現地へ来ていろんな角度から眺めてみるのが一番だ。それでも遠くの山の同定は難しいものだが…。
- 遠く白山の姿も
カップ麺にアワワ一本という、時間の割には簡素なランチを1時間で終え、上谷山△1196.7へ向かう。jctピークの痩せた雪稜を越え、下ってから登り返す急登は息が切れる。2,3人の踏み跡はかすかに残るだけ。平らな山頂へ出ても一面の雪の原で、どこが三角点なのか分からない。
南から尾根が上がってきている。そうだ、奥川並からの尾根だな。林道が通れるようになったらこちらからも来てみたいなあ…と食指が動く。北側には笹ヶ峰の向こうに白山が鎮座している。
20分ほど眺望を楽しんだら下山へ。名残惜しい限りなのだが、下らなければ次の山行もないのだ。真っ白の雪原を自由気ままに下って行く。上谷山から北へは大きく3本の尾根が伸びているが、予定の真ん中の尾根の場合、いったん鞍部まで下り、少し登り返したピークから右へ入って行く。
- ヤドリギに寄生されたブナ
すぐ平坦な尾根になり、これでは下っているのかどうか不安になるほど。老若のブナが立ち並ぶが、ヤドリギが蔓延(はびこ)っているのが気になる。ヤドリギというのは下からツルで巻きついているのかと思っていたが、よく見るとブナの幹や枝のコブのところへからみつくように寄生している。まるで動物に癒着する寄生虫みたいで、なんだかブナが可哀そうになる。しかも、ヤドリギに取り付かれた老ブナは枯れかけているものが多い。何年か後にはこのブナ尾根も様相が大きく変わってしまうのだろうか?
さすがに午後も遅くなると雪が腐ってきている。シューも重くなってきた。先行者の踏み跡もいつの間にかツボ足になっている。しかし平坦地の間はシューで行こう。最後になって道を誤ったら大変なので、踏み跡はあまり信用せず、時々地図とGPSで確認しながら進む。
最後にco650あたりで尾根が分かれ、踏み跡は右手の痩せ尾根に続いている。もう少し下のco530くらいから右寄りに…と考えていたのだが、もう下の村も見え隠れしているので、そのまま跡を追えばいいや~♪
傾斜がきつくなりそうなのでシューは脱ぐ。足が軽くなって快調だ。
というのも少しの間だけだった。(>o<) すぐに痩せ尾根はヤブ尾根になりシャクナゲやモミの枝を掴んでの悪戦苦闘。邪魔なストックも畳んでザックにくくりつけ、谷へ滑落しないようヒヤヒヤの下山となる。
最後に杉の植林帯へ降り立ち一安心。痩せ尾根取り付きから40分間くらいだが、この日は最後に大汗の難行が待っていてくれた。
帰り道、今庄365スキー場にある温泉で汗を流す。ここはスキー場のオフシーズンもやっていて、入浴料500円とリーズナブルなのでオススメ。
R365の道路標示に栃の木峠は4月22日まで通行止めとある。中河内から奥川並の林道の様子を見に行く予定もオジャンとなる。温泉で確認した木の芽トンネルの道で敦賀に出て、北陸道に乗る。考えたら往路もこっちからのほうが近かったかも?
~biwaco