夏休みの宿題はギリギリまで手をつけないのは昔からの癖で、今回もようやくオフ会前にレポを挙げることができました。
みなさまたいへんご無沙汰しておりました。冬眠のつもりが春眠になり夏まで眠ってようやく起きる事になりました。よんどころない事情により山らしい山に行く機会はググッと減っていますが、一応親子共々生きております。
オフ会も天気がよければ参加予定ですのでよろしくお願いします。
では先々週の三連休の中日ですが、去年のオフ会以来、ほぼ1年ぶりの鈴鹿レポです。
【鈴鹿】フジキリ谷千種街道から杉峠
【日 付】2011年10月9日(日)
【メンバー】いつもの二人
【天 候】晴れ
【コース】駐車場8:20-桜地蔵9:35-大シデ10:55-杉峠12:05/14:00-駐車場17:00
今回千種街道を選んだのは、歩きやすい街道の道であることと、できれば雨乞まで行き、しばらく中断していた目標にリーチをかけるため、そしてそして以前からずっと気になっていたことを確認するためでありました。
甲津畑の集落抜け、電線下を過ぎた橋の手前の広場に車を止めた。家から高速使って1時間半、私的にはこれくらいが限界だと思う。もっと近いところにいい山はないんだろうか。
林道を淡々と進む。アキチョウジ、サラシナショウマ、ノギクSP、テンニンソウの咲き残り、アケボノソウなどが道端に咲いている。
最近は雨も降っていないし、今日は空気も乾いている。朝の気温も下がってきたし、ヒルはもう出ないだろう。
連れにはできるだけ歩いてもらうつもりだが、直ぐに「にゅうにゅうにゅうにゅう」といって遅々として進まない。たいして飲みもしないのにいちいち水筒を取り出し、牛乳を飲ませるが、ちっとも歩かないのでたまりかねて担ぐ。
肩にグイッと食い込む重み、いつまでこれを担げるだろうかと思う。自分の体力もここ2年でガタッと落ちてしまった。
善住坊の隠れ岩を覗きに河原まで降りる。洞穴にでもなってるのかと思っていたが、ただの岩だった。水の中に大きな青虫が沈んでいた。せっかくここまで大きくなったのにもったいないことで。
桜地蔵でお参りをして、ここから再度歩いてもらう。ご機嫌をとりながら進むがやはり今日はあまり歩かない日のようだ。
- お参り
塩津々の発電所跡、原発事故の後こうゆう小型の水力発電が見直されると思っている。山を歩いてるとダムなんか作らなくて小型の発電所なら作れそうな場所はいくらでもあると思うのだが。ただここの落下水路はなんか勾配が途中で変化しているし、明らかに効率が悪そうだと思う。ここから時間が気になり再度担いでいくことにする。
大シデをバックに写真を何枚も撮る。「おおきいねえ」を連発している。「巨木に宿る精霊よ、この子が元気に育つよう力を与えたまえ。」
- おっきいねえ
向山鉱山跡の並木を過ぎて、甲斐親の杉はちっさくなったような気がする。怪童ブナもなんか細くなってないかい。小屋はいいロケーションを選んだと思う。水場も近いし一度泊まってみたいものだ。杉峠まで徐々に勾配がきつくなる道を一気に登りきった。
峠には単独の男性が一人で休んでいた。12時をだいぶ過ぎてしまったのでイブネ側に一段上ったところでランチをとることにした。メニューは長崎ちゃんぽんとおにぎり。珍しく持ってきたビールを開けてお茶の連れと乾杯をする。
最初から想定していたことだが、この時間からの山頂往復は潔くあきらめてゴロンと横になった。少しウトウトしかけたところで、「ウンチ出た。」と連れがのたまう。オムツの替えは用意はしているのでチェンジする。まあ、これで少しは軽くなってくれるかな。
晴天の空の下十分くつろいだ。そろそろ帰ろう。連れには一反ホーソまで歩いてもらう。そこから空模様に反して晴れない気分のまま三度担いで帰路についた。
- あっちは三重県
さて、最後に最初に記した“気になっていたこと”を書かねばならない。
大阪に来てから、仕事で京都市内や丹波笹山方面に時々出かけることがある。その時いつも目にするのはカシノナガキクイムシの被害である。とにかく酷い有様なのだ。するとあの千種街道の見事な並木は大丈夫だろうかということである。
スタートからナラの木を気にしながら歩くがしばらくは植林の中だし、森の中に入ってしまうと山の様子はわかりづらい。紅葉も少し始まってきてるのでなおさらだ。特段枯れた木が目立つわけではなかった。
発電所の取水口跡がある橋を渡ったところにある木が枯れているのに気がついた。
けっこう大きな木なのだが葉を完全に落としている。ただ根元にはキクイムシ被害の特徴である木屑は見られない。確信がもてないままなお進んでいく。
やがて、向山鉱山跡の並木に入った。ここの木々はどれも葉を残しており付近にも影響はまったく見られない。ホッと一安心した。標高が高いところの木は大丈夫なんだろうかと思った。先日の武奈ヶ岳でも目だった被害を目にしなかったのもある。
やがて道の傾斜がきつくなってきて、そろそろだったかなと前方に目を凝らしながら進む。
遠方からでも一目でわかるその巨木に近づいていくと異変に直ぐに気がついた。葉が枯れている。紅葉?いや違う。さらに近づいて確信に変わった。やられている。幹の周りにあいつらの仕業の特徴である木屑が溢れている。なにか根元付近に赤い点のような標しが打ってあるのは調査をしたあとか、それとも何かの対策を施したあとだろうか。
ぐるりと木を一周すると既になにやらキノコまで生えている。一部の幹に青葉が残っているので完全に死んでしまった訳ではないようだが既に瀕死の状態であることに間違いはない。この木はもうだめだ取り返しがつかない状態になっている。大きな木から先にやられるというのはやはり本当だったようだ。
これを確かめにやってきたし、ある程度覚悟はしていたのだが相当なショックを受けた。鈴鹿ナンバーワンの巨木。一反ホーソという堂々たるミズナラの木。一身でやつ等の攻撃を引き受けたのだろうか。何百年と続いたであろう命の灯火が今尽きようとしている。何てことをしてくれたのだろう。何とか事前に対策をすることは出来なかったのだろうか。ただただ残念でならない。
- 恐れていたことが現実に
生き残っている並木のミズナラたちはどうなってしまうんでしょうか。
あきたぬき