おはようございます、satoさん。
三重県の中西部を南北に連なる布引山地。
「ぬのびき」という優美な響きは、山やまが布を引いたように緩やかに連なっている姿に由来するという。
北端の緩やかではなくきりりとした錫杖ケ岳は鈴鹿の山から眺めて、
真ん中辺りの風力発電の風車がたくさん立ち並ぶ青山高原は知識として知ってはいたが、
他にどんな山があるのか地図で確認したことも、どのような風土なのか想像したこともなかった。
思いっきり地元の山ですやん。
オフ会の時に話していたルートですね。
錫杖ケ岳は何度か登っていて柚子木峠の破線道はたどったことありますが・・
ここには北畑の六地蔵が祀られています。
登山口は津市芸農町河内北畑。
鈴鹿の南、遠そうだなぁ、と思ったが、我が家から120㎞余りということが分かった。
安濃ダム錫杖湖畔の道を走りながら、ここは平家の落人伝承が残る地域だとKさんが教えてくださる。
落合の成覚寺に平維盛の墓と木像が残されています。
平維盛の末裔とされる住職は女性で、友達です。
眼下を流れる北畑川は、岩盤が発達し、その上を滑らかに流れゆく水は、あっ、と驚くくらいに清澄で、
ちいさな淵は、ラムネの瓶のようなうっとり緑がかった色に煌めき、その透明な光の中に吸い込まれていきそうになる。
薄暗い杉林の中には、かつての田畑の痕跡、丁寧に積み上げた石積みも見られる。
あれこれ見入っている間に、林道歩きの1時間が過ぎていた。
このあたりは伊賀越えの道として古くからある地域ですので歴史は古いでしょうね。
稜線は、植林地帯が多かったが、すっきりとした感じで、ヤブもなく道型もあり心地よく一歩が出る。
テープもぶら下がっていてちょこちょこっと歩かれているようだ。
感激したのが、ところどころで広がる自然林の風景。どこも立ち止まって見とれてしまう素晴らしさだった。
ヤマザクラやケヤキの大木が佇む緩やかにうねる清々しい二次林の斜面が描く造形美に、
何度うっとりため息をついただろう。
・592直下の爽やかな森の広場を見下ろすヤマザクラの巨樹の風格あるお姿には目を見張るばかりだった。
安濃ダムの下に竜王桜という大木がありますが
このヤマザクラは知らんかった。
草川さん眼力恐るべしです。
また、辿ってみます。
お花畑にも出会った。
尾根の登り始めに出迎えてくれたセンブリは、その後も、道中の林床のあちこちに群生していた。
なんと、キッコウハグマの群生も。
キッコウハグマは、昨秋の同じ頃、同じくKさんと大岩谷左俣の杣道を辿り宮指路岳に向かった時に、
岩陰にひっそりと咲いているのを見つけ、名前を教えていただいたお花。
五角形?の葉が亀の甲羅、白いお花がヤクの尾の毛で作ったハグマという飾り物に似ているという
物語を感じるちいさなお花だ。
春に良さそうですね。
地元でありながら・・
稜線は南に続いていくが下る時間となった。
・722で稜線を外れ、くるりと北東の尾根に向かい、枝分かれした右の尾根を下っていく。
この細い尾根は、谷に降り立つまで清々しい雑木林が続いていた。我賀浦川もしっとり情趣を感じる谷だった。
何だか得をしたような気分になる。
最後の林道歩きは、出会った風景の数々が頭の中をくるくると駆け巡り、忙しかった。
いい情報ありがとうございます。
私よりのシュークリームさんの方が先に行きそうだな。
秋の日は釣瓶落とし。Kさんとお別れして、いきなり暗くなった湖周道路を北上していると、
東の空におおきなまあるいお月さまが顔を出していた。
山吹色の光に照らされて、東や西の山並みが黒く浮かんで見える。
あの黒いお山には、どんな輝きが秘められているのだろう。
まんまるのようでちょこっと欠けている十四夜のお月さまと黒く光る山並みを、
横目でちらちらと眺めながら、未知の風景を夢見てしまう。
落合の成覚寺では毎年お月見会をしていてここの月もいいですよ。
大きな照明のない山里の月は格別です。
山登りはこんなにも面白い。
今日も、Kさんから、地図を読む面白さ、想像し創造する愉しさを感じさせていただいた一日だった。
本当にそうですね。
この真摯な姿勢は見習わなければ。
わりばし