皆さん ご無沙汰しております。沢で世間の暑さ知らず・・・何とか生きてます。
~ '23夏の沢旅 人生時間切れ間際の夢の葛根田沢旅 ~
【東北・岩手、秋田・葛根田川】 葛根田川から乳頭温泉
【アプローチ】7/23自宅13:20=名神、北陸道、日本海東北道・・滝上温泉P3:00着
【年月日】 2023/7/24~27
【天候】 晴れ、時々小雨
【コース】 7/24 滝上温泉P 5:26-大石沢出合(テン場)15:40
7/25 大石沢出合(テン場)7:12-葛根田大滝11:52/12:36-テン場14:06
7/26 大石沢出合(テン場)8:45-大石沢溯行-田代平山荘22:42
7/27 田代平山荘10:00-乳頭温泉休暇村14:37
7/24 晴れ
岩手山から秋田駒ヶ岳へと繋がる稜線に囲まれた葛根田川はその渓相、豊かな森など癒やし系の沢旅には持って来いの東北の名渓であろう。
とは言っても、重荷を背負っての溯行は老体には今が限界、ささやかな夢に向かって好天予報とゆったり日程で決行した。
自宅から滝ノ上温泉までの888kmを相棒のデリカは快適に走ってくれた。
1~2時間の仮眠をやめてザックの中身などを入念に再点検準備して舗道を歩き始めた。
地熱発電の設備は一ヶ所にあるのではなく、入渓まで延々と続いた。
有名な葛根田川だが、山道に入ると入渓の踏み跡はなく斜面を見極めて流れに降り立った。出だしは広い川歩きだが葛根田へやって来た!これからその核心部へ歩を進めると思うと嬉しさがこみ上げてくる。
河原状で広く緩やかだが、流れは重く渡渉ポイントを探りながら左右に渡渉しながら進む。
右岸のスラブ状の滝やドクロ滝?と呼ばれているらしい左岸の丸くなめるように落ちる滝そして、白い川床の流れは煌めきとエメラルドグリーンが美しい。
不肖S唯一の友達の岩魚くんとも遊ばせていただいた。
テンカラ竿に自作の不細工毛鉤(ドライフライ)で下手なキャスティングでもべっぴん岩魚が顔を出してくれた。
初日の核心部は「お函」と呼ばれているゴルジュ帯
ゴルジュと言っても開けたU字型で明るく、流れ際を快適に歩け気分は最高潮だ。
ゆっくり時間を掛け、動画を撮りながら楽しませていただいた。
お函を過ぎると大石沢出合は目前だ。流れが重いので一旦大石沢に入ってから戻って
コンパクトな二俣台地にツェルトを張った。
テン場横の岩盤と白砂の台地が焚火と特上ダイニングだ。右後方は大石沢、左は葛根田本流、正面は双方が合流して広大な森の中を広く緩やかに流れる。
葛根田の水でまろやかになったヘネシーを舐めながら、焚火と星空にも癒され最高に贅沢な1日となった。
7/25 晴れ
2日目は初日に行く予定だった葛根田大滝の往復とした。
実にゆっくり歩きゆったり日程なのだ。
そもそも高齢者が電波も通じない渓中で3日間も過ごすには体調不良の不安がつきまとう。天候を見ながらゆっくり楽しもう。
前日夕刻にテン場周辺で食料調達の為に竿を出したが、前半とは打って変わって魚信がなかった。なので、本日も期待はせずにボチボチテンカラ降りながら歩きだした。渓相は素晴らしい。
お函のようなゴルジュはないが、簡単に登れる滝、美しいナメや淵、白い川床の緩やかな流れと河原など、もちろん水はエメラルドグリーンで森は豊かで極上の川歩きだった。
さらにお友達の岩魚くんも適度に遊んでくれた。
葛根田大滝で簡単なランチ休憩してゆったりとテン場へ戻る。
竿を納めるとあらためて渓の美しさを深く感じる。
早めの帰宅?で川の恵みを調理して焚き火しながら頂く。
ちなみに刺身にするような大物はこなかったが、「たたき、蒲焼き、素揚げ、塩焼き」を心から感謝していただいた。
7/26 晴れ曇り小雨
小雨で濡れて重くなったツェルトを担いで大石沢を歩き出した。
前半は誠に美しい滑床の連続だった。
今日は避難小屋まで登るだけ、源頭でヤブに捕まっても1時間足らずのことだろうと高をくくっていた。ので、岩魚くんと遊びながらのゆったり溯行
源流の無垢な岩魚くんのはずだが、流れの緩いポイントでは毛鉤を見切られた。
大石沢の名の通り、大岩がゴロゴロ しかもかなり立っている。
いつまでも水量多くて先が見えてこない。
ヤブに捕まる頃には薄暗くなっていた。
GPSを頻繁に確認しながら深いヤブを進むが、次にGPSを確認すると何と!?逆方向へと進んでいるではないか??
ヤブコギの経験は昔だがそれなりにあるので
「そんなはずはない。遂にGPSが狂ったか!」
腕のプロトレックでも方位を確かめると・・・GPSの通り、不肖Sがたった5分か10分の間に逆方向に歩いていたのだ。そんなことが3回もあった。
何とか登山道に出て小屋に辿り着いたのは22時42分だった。
先客二組4名、気を遣いながら濡れた着衣を着替え、沸かしたお湯で即席にゅうめんをすすってシュラフカバーにくるまった。
7/27 ガス後晴れ
予定は「乳頭山に登って滝ノ上温泉へ下る」はずだったが、最短で温泉、宿の食事などを心身共に求めている。
幸いこの小屋は電波が繋がったので、乳頭温泉休暇村のHPにアクセス、何と本日の1泊2食の予約が取れた。
よって、最短の孫六尾根を下ることに決定
湿原で花に癒やされながら尾根道を降り、車道を歩いて岩手県から秋田県の宿へと辿り着き葛根田の沢旅を終えた。
美しい渓相、豊かな森、元気な岩魚くんも迎えてくれ、焚火や星空までもをゆったりと楽しませていただいた夢の沢旅だった。
では また どこか沢旅の途中で
SHIGEKI
お暇でしたらユーチューブをどうぞ
https://youtu.be/LIx7Tg0c4-8