【 日 付 】2023年1月31日(火)
【メンバー】単独
【 天 候 】曇り時々晴れ
【 ルート】熊野神社 7:33 --- 10:04 水無山南峰 --- 10:19 水無山 --- 10:28 水無山南峰 11:24 --- 12:25 熊野神社
綿向山は年間通じて登山者が多い人気の山である。冬季でも週末は広い駐車場が朝早くから満車になるほどの人気である。大雪のあとの今度の週末も新雪を当て込んで多くの登山者で溢れていたらしい。面白いのはその登山者の多くがピッケルとアイゼンを使用していること。アイゼンはともかくとして,この山でピッケルが必要なのかと思ってしまう。
そんな人気の綿向山でも人気コースを外れると人と会うことのない静かな山旅を楽しむことができる。日野町熊野集落の熊野神社から水無山を経て綿向山へ至るコースはそんな静かなコースの一つである。
熊野神社の駐車場に車を置き,林道を歩き始める。神社の駐車場には10センチほどの積雪がある。最初のヘアピンカーブのところから尾根末端に取り付く。ここでスノーシューを履くことにする。今日は新雪歩きを堪能することができそうだ。と思っていたら,スノーシューの古いトレースが出てきた。おそらく週末のトレースの上に新雪が積もったものだろう。
風はほとんどないので,気温が低い割に寒さを感じない。この時期の山としてはいいコンデションと言っていいだろう。杉の植林の中をひたすら登っていく。相変わらず出だしの足は重く,この状態がデフォルトになってしまったようだ。ただし,昨年末の木和田尾の時ほど体調は悪くない。そのうち体が慣れてくれば足も軽くなるだろう。
標高700m付近,左側からの尾根が合流すると植林から落葉広葉樹林となり,雰囲気が良くなる。ふかふかの新雪で,踏み込むたびにキュッキュッという音がする。その分10センチほどは沈み込むが,新雪のスノーシュー歩きは気持ちがいい。まあ,綿向山まで行かなくても,水無山あたりで十分に満足できそうだ。
風がないので,霧氷は発達していない。その分,馬酔木などの常緑樹の上に雪が厚く積もって行く手を遮っている。立ち止まると無音という以上の深い静寂に包まれていることがわかる。新雪が音を吸収してしまっているのだろう。
標高800mを越えると,「この先行き止まり 道は全くありません。引き返してください。 鈴鹿モルゲンロートクラブ」と書かれた看板が,下山者に見えるように立っている。おそらく間違ってこの尾根を下る事故が多発したのだろう。このまま下ると熊野集落に行き着くので,死亡事故につながることはないようにも思うが。
水無山南峰に近づくにつれて勾配は急になり,サラサラした新雪にスノーシューが滑って,一歩ごとに2回ほど踏み込まないと進めないようになってくる。まあ,水無山をゴールと考えれば何も急ぐことはない。ゆっくり新雪歩きを楽しんでいこう。
- 水無山
ようやく水無山南峰に到着。熊野神社から3時間近くかかった。1年前の同時期に歩いた時は1時間半で来ているので,去年の2倍近くの時間がかかったことになる。予想通りガスがかかって綿向山は全く見えない。まだ時間が早いので綿向山まで行ってもいいんだけど,新雪歩きを十分に堪能したのでここで引き返すことにする。
- 水無山南峰
せっかくなので水無山本峰に挨拶だけしてこよう。本峰まで10分ほど。南峰に戻って腰を下ろすと,あら不思議,さっきまで厚い雲に隠されていた綿向山がうっすらと見えてきたではないか。そのうちガスがすっかりとれ,青空と共に綿向山がきれいに見えた。山の女神様からのご褒美だろうか。鎌ヶ岳や雨乞岳なども見える。
- 鎌が岳
- 綿向山
帰りはまた新雪を踏んで往路を引き返す。登りで3時間かかったコースを1時間で降りてしまった。さあ,温泉に入ってのんびりしよう。