【日付】2022年11月25日(金)
【山域】江若国境/能登郷
【ルート】能登野~古道近江坂~能登郷~県境~能登野
【天候】晴れ
【メンバー】単独
【コースタイム】能登野集落駐車地8:15-近江坂取り付き10:00-11:50稜線jctピーク12;20-電波塔広場12:55-13:25能登郷-能登越取り付き14:00-稜線・695ピーク14:30-稜線jctピーク15:15-17:00駐車地
能登郷。山日和さんのレポでこの地名を知ったのは今春だったか? 秋になったら訪ねて見ようと思っていながら、いつの間にかもう冬の気配。膝の痛みがとれないが、ゆっくりまったりの超遅足なら大丈夫だろう。
R27号の能登野から古道近江坂に入るのだが、現地は初めてで、どこが入り口なのか分らない。八幡川左俣沿いの林道を詰めれば近江坂に繋がる。橋の近くのスペースに駐車し、取付き点を探す。左岸の林道は金網柵でとうせんぼみたいだ。
橋を渡って右手に獣除けのフェンスに入り口扉がある。紐をほどいて入らせてもらう。なんだか林道には出られそうもない。植林の作業用の扉なんだろう。地図を見れば右岸に細い尾根が延びている。踏み跡はあるようで、無いようで、ハッキリしないが進めないことはない。しかし考えて見ればこんなスタートしたばかりで時間をとっていたらとても予定のルートはこなせないだろう。やはり林道を進んで、近江坂の取り付きまでは林道を行った方が正解だろう。
尾根が折れるco140mで右下に見えている林道へ下る。草は伸びているが、車の轍まで残る立派な林道だ。出発から1時間近いロスだが、まあよくあること。予定ルートにさえ乗れば順調に進めるだろう。
林道の路面におびただしい落葉。20cmはある3裂の黄葉が散らばっている。林道の左手の谷筋、右手の斜面にその木が続く。桐かカエデの仲間か…? 後日ネット辞書を覗いてみたが知識不明の私には判定できなかった。
やはり林道歩きの方がはかどる。大きな砂防堰堤を過ぎて、林道が右岸に移る。・695への破線路分岐は気付かないまま二俣に出る。古道の取り付き点だ。
九十九折れの掘割道は落葉で埋まっているが、ルートロスの心配はない。倒木を潜ったり回り込んだりしながら、ひたすら登っていくしかない。出迎えてくれる紅葉黄葉に休憩がてら、カメラを向ける。
空が大きくなり明るさが増してくると稜線が近い。立木に「大日⇔三十三間山」のプレート。出足が遅れ、お昼までに着けるかな? と思っていたが、10分前だ。なんとか到達した。
さて、ランチ! お目当ての能登郷へはどこから下るかゆっくり考えましょう。定番の助六寿司にアワワ付き。変わり映えしないメニューだが、手間が掛からないのがいい。
ブナやナラの樹間から大日尾根が見え隠れ。大日のあたりに赤白の送電鉄柱が建つ。山日和さんは尾根の途中から能登郷に下っている。何本かある張り出しのうちどこから下ろうか? ま、行ってみてから決めよう。
1時間のつもりの休憩も、食事が終われば先が気になり30分で切り上げる。ブナの尾根を下り気味に進むと車道へ出る。天増川林道だ。横切って尾根を進むか? ちょっと迷ったが、安直な判断で車道を進み、電波塔広場へ。
振り返ると北西方面の眺望がスッキリ。小浜の久須夜ヶ岳、その左奥に青葉山の双耳峰、若狭の海が広がる。ここも海を眺められる山なんだ。
以前は電波塔があったのだろうが、今はダダっ広いグラウンドだ。工事の人の車が2台。天増川林道から登ってきたんだろうか。そういえばここも風力発電の巨大基地建設が進んでいる。登高中、ヘリが上空を何度も行き来していた。遭難でも? と思ったが、大きな荷物をぶら下げている。雪を前にしてそろそろ工事も中断だろう。不要になる機材でも降ろしていたのだろうか。
広場をスルーして東端から大日への尾根に入る。さてどの尾根から能登郷に下ろう? と稜線を進むと、すぐ小ピーク。辺りの灌木にやたらとピンテの花盛り。とてもと登山道の目印とは思えない。伐採対象の目印かも?
南に落ちて行く支尾根は斜度も緩く、紅葉も楽しめそうだ。地形図を見ても等高線の間隔は広い。
30分もかからず平坦な湿地へ降り立つ。co600mの二俣の真ん中。最後が少しアセビなどのヤブっぽかったが問題無く着地。つる草に絡まれた老木が廃村のシンボルのように踏ん張っている。数本の立派な杉のかたまりは神社の跡だろうか?
能登郷は天増川の源流域で、周りは数百㍍の尾根に囲まれた隠れ里のようなエリア。川沿いを下ってもR303まで10数㎞はあるだろう。こんな山奥にまでなぜ…と、思いを馳せる。地図を見ると若狭から琵琶湖に出るには最短距離だろう。琵琶湖を船で南下すれば京の都は近い。幾筋もの「鯖街道」とともに、近江坂の中継地にある能登郷は交通の要衝だったのだろう。
足元は湿地帯で網の目のような溝が走り、水面に午後の日差しが反射して目の絞り機能が追いつかない。ぬかるみに嵌らないよう気を付けるが、スゲのような草が蔓延り落とし穴を隠している。写真撮影のため溝を渡ろうとして足を置いた廃木が折れてドボンしてしまった。
湿地の状況は山日和レポにもあったので、想定内だ。しかし、このあと彼は湿地の末端から東側の県境尾根に登り返している。今日は西側の稜線へ登り返えさないと帰れない。
膝までのアオスゲを踏み付けながらゆっくり南下。・695ピーク北の鞍部が「能登越」なんだろう。天増川林道に出て、能登越に続く枝沢と右岸支尾根の入り口に遠慮がちに小さな手書きプレートを見つけた。ヤブっぽい沢は避け、支尾根に取り付く。ここもヤブは無く、30分足らずで稜線に。
少し進むと・695pの案内プレートがある。ここでとんでもない勘違い。登りに使った古道の南側の破線ルートを下るつもりだったのに、快適に下っていくと開けた鞍部に出た。「能登越」の表示がある。「大日⇔三十三間山」の表示も。あれ? ここ県境稜線やないか! 疲弊脳のなせるチョンボだ。
少し迷ったが当初ルートへの未練は断ち切れず引き返す。・695p辺りの稜線は少し「く」形にくびれていて、方角を間違えやすそうだ。破線路は三十三間山方向へ少し進んでから西へ張り出した尾根を下ることになる。
ルート修正してco660m辺りまで下るが、道型らしいものは見あたらない。地形図では下方は谷筋のトラバース状のようだ。時間も押している。未見のルートをこれ以上進むのは危険…。臆病風に吹かれたのか、冷静頭脳が慎重行動を選択したのか、またもや引き返す。
今度は朝登ってきた道へ。能登越から県境稜線を進み、覚えのあるjctピーク。水1杯補給してから九十九折れの掘割道を下っていく。目線が高くなるせいか登りよりルートが良くわかる。左ヒザの痛みもまだ大丈夫だ。
古道登山口に丁度16時。決して早くはないが、なんとか闇下は免れそうだ。往路では通らなかった林道の下部。建設資材置き場のような敷地があり、頑丈そうな金網ゲートが立ち塞がる。よく見ると金具を外せば扉が開きそうだ。助かった! いつぞやの永源寺の関電施設のゲートを登り越えたときのことを思い出した。
じつは、当初、稜線を三十三間山まで歩いて倉見に下ることも想定していた。もちろん、すべてうまくいけたらの話なんだが。そのため、倉見の登山口にMyバイクをデポしておいた。能登野からの帰路、回収。期待のルーキーチャリくん、残念だが今回も出番なく、デビュー戦を飾れなかった。
~びわ爺