- 銚子川
【 日 付 】2022年1月19日(水)
【メンバー】単独
【 天 候 】晴れ
【 ルート】 近鉄津新町駅 6:14 ---
--- 8:53 JR相賀駅 9:02 --- 9:32 熊野古道馬越峠登り口 --- 10:37 馬越峠 --- 11:24 天狗倉山 --- 12:04 おちょぼ岩 13:32 --- 14:04 P395(小山浦狼煙場跡)--- 14:46 猪ノ鼻水平道 --- 15:55 JR相賀駅 17:03 ---
--- 19:45 近鉄津新町駅
年末の寒波を見越して張り切って冬タイヤに履き替えた途端に愛車にガタがきた。なにせ買ってから丸12年,走行距離16万キロ近いボロ車である。ディーラーに言わせると下回りが腐食してぼろぼろなのだという。ゆるゆるになったマフラーが遮蔽板にぶつかっているらしい。走るとドラム缶を叩くような騒音を発する。時速80キロを超えるとハンドルがぶれる。そんなことで車の使用は市内のチョイ乗り程度にとどめている。急遽,年末に新しい車を注文したのだが,納車は2ヶ月先になるという。
車が使えないので,山行は公共交通機関を使って行ける山に限られる。いろいろ考えた結果,JR相賀駅から馬越峠を越えて周回するルートを見つけた。天狗倉山以降は未踏なので,どんなルートなのか見に行くことにしよう。
最寄駅の近鉄津新町駅朝6時14分発の電車に乗るとJR相賀駅に8時53分に着く。高速道路を使うと1時間程度しかかからない距離なので,ローカル電車ののんびりプチ旅行である。こんな移動も悪くない。途中,三瀬谷駅を過ぎると乗客は私一人になったが,紀伊長島駅以降は通学の高校生が乗り込んで少し賑やかになった。
相賀駅から歩いて約30分で馬越峠の登り口。途中,銚子川を渡るが,この川は日本一の清流である。上流には岩井谷や光谷など沢登りに使われる谷があったり,清五郎の滝という大滝もあり,私も何度となくこの辺りで遊ばせてもらったものだ。河口はゆらゆら帯として有名なようだが,私はまだゆらゆら帯を見たことがない。
- おちょぼ岩から望む紀北町の海岸線
馬越峠への道はいかにも熊野古道らしい石畳の道である。熊野古道伊勢路では最も有名な場所で,三重県の熊野古道を紹介するポスターにはここの石畳の風景が使われる。進行方向から話し声が聞こえてくると思ったら,7,8人の中高年グループだった。声をかけて追い抜かせてもらう。団塊の世代の人たちは実に元気である。もっとも私も段階の世代の末端ではあるが。さらに登っていくとこれも中高年の草刈りの人たちと出会う。話を聞いていると,地元の山グループの人たちのようだ。
林道出合で草刈りのおじさんが大台ケ原が見えると教えてくれる。大台山系の最南端の台地で,左側に大台ケ原が白く見え,右側に加茂助谷の頭が見えている。その中間部の台地には私が「桃源郷」と呼んでいるお気に入りの場所があり,一時この辺りをよく遊び回ったものだ。ここ2,3年はご無沙汰している。
- 熊野古道から見る大台山系(左:大台ケ原 右:加茂助谷の頭
登り口から約1時間で馬越峠。ここを左折して天狗倉山に向かう。急登を我慢してこなすと45分ほどで天狗倉山山頂近く。尾鷲の町並みを見下ろせる展望台で休憩していると,石畳道で追い越した中高年のグループが登ってきた。人を避けて,おちょぼ岩まで行って昼食にしよう。この先は未踏のルートである。
- 天狗倉山から望む尾鷲市街
天狗倉山の稜線を東へ進み,P494から少し降りるとおちょぼ岩だった。尾鷲の市街地と紀北町の海岸線を一望にできる絶好展望台である。ここなら誰も来ないだろう。絶景を肴にカップ麺を頬張る。カップ麺でもこの景色があれば贅沢なご馳走である。岩の上に寝そべってお昼寝。北のほうは寒波で雪のようだが,ここ尾鷲は常夏の国。陽光が降り注いで気持ちいい。こんな贅沢は久しぶりだ。
- おちょぼ岩
さあここからは一挙に下り坂・・・と思ったら意外にアップダウンがあった。P395の狼煙場跡まで約30分。そのあとも細かいアップダウンのある尾根道を延々と降って3時前にようやく猪ノ鼻水平道着。地図上で想像していた猪ノ鼻水平道は美しい海岸線を見ながらの遊歩道だったのだったが,実際には車も走ることができる舗装路で,期待はずれだった。両側が植林で覆われていて海岸を望むことができない。4時頃にJR相賀駅着。1時間ほど駅舎で時間をつぶした後,ローカル電車に乗って戻った。
車が使えないので選択した公共交通機関を使った山歩き。気分はプチ旅行で,のんびりと尾鷲の山歩きを楽しんだ1日だった。こんな山歩きも悪くない。