【 日 付 】2021年1月15日(金)
【 山 域 】鈴鹿
【メンバー】単独
【 天 候 】晴れ
【 ルート】 大君ヶ畑冬季ゲート前 8:20 --- 9:41 P729 --- 10:35 茶野 11:00 --- 11:18 桜峠 --- 12:18 鈴ヶ岳 --- 13:02 鈴北岳手前(昼食)13:51 --- 13:58 鈴北岳 --- 15:29 鞍掛橋登山口 --- 16:08 駐車地
最近,遠出するのが面倒になって,山は鈴鹿か台高がほとんどである。ここしばらく入道ヶ岳や藤原岳など人の多い人気の山に行っていたので,静かな山歩きを楽しみたくなって今回のコースを考えた。少なくとも鈴北岳までは人に会う心配はない。
大君ヶ畑集落を越えた国道306号線の冬季ゲート前に車を止める。少し戻った集落のはずれが登山口である。昔はよく使われていたのであろう掘割状の杣道を登っていく。しばらくは杉の植林である。ある程度積雪が出てきたところでスノーシューを履く。杣道が尽きたところがP729の直下である。ここからはP729に向かって直登する。登山口の標高が300mほどなので,約400mの登りである。少し登ると落葉樹の二次林となり,一挙に明るくなる。P729までは白い絨毯である。
- 鈴ヶ岳と鈴北岳(左奥)
P729には送電線の鉄塔があり,すぐ近くに霊仙ののっぺりした山頂が見えている。予想通りの好天で,風はほとんどなく,気温も高いので春山のようである。ここからはミズナラが優先する稜線歩きで,鈴北岳までだらだらとした登りが続く。
- 霊仙と伊吹山(右奥)
緩やかに登っていくと茶野 938m である。のっぺりとした頂上は樹木がまばらで雪原状になっている。頂上は登山道から少し外れているが,挨拶して行かない手はない。茶野からは霊仙の右奥に伊吹山。また方向を変えると琵琶湖方面がよく見えている。
- 茶野の雪原
進行方向には鈴ヶ岳が威圧するようにそびえ,その左横には鈴北岳のピークが見えている。おろしたザックの上に座り込むとポカポカして気持ちがよく,ここで昼寝してそのまま降りてもいいかと思ってしまう。ちょっとのつもりが30分ほどものんびりしてしまった。
- P729から見た霊仙
怠け心を奮いたたせ,鈴北岳に向かう。一旦桜峠まで下り,標高差約200mを登り返す。冬枯れしたミズナラ林は明るくて気持ちがいいのだが,スノーシューでも多少は沈み込む雪原の単独歩きでだんだん足の負担が溜まってくる。1時間ほどで鈴ヶ岳着。目の前に鈴北岳が見えている。ここからは標高差50mほどなのだが,疲れているせいかやけに高く見えてしまう。
- 極上の昼食場所
鈴ヶ岳からはスノーシューの明瞭なトレースが出てきた。トレースに沿ってヒルコバまで標高差50mを下り,鈴北岳まで100m登り返す。大した斜面ではないのだが足にきているので少しずつしか進まない。鈴北岳ピークの手前の雪原に陣取って,霊仙と伊吹山を目の前にして昼食休憩である。相変わらず無風に近く,稜線上でも暖かい。このコースでスノー衆をやると絶好の昼食場所になりそうだ。最近はコンロを持って上がるのが面倒なので,カップヌードルで済ましている。締めの甘酒は欠かせない。疲れた体に心地いい甘さが染み渡るようで,頑張った自分へのご褒美である。
- 鈴北岳手前
知らないうちに雲が出てきて寒くなったので,もう出かけよう。鈴北岳に人影は見えないが,真新しい足跡がたくさんついている。人気のエリアに入ったのだ。
- 鞍掛尾根
鞍掛尾根は大好きな尾根である。目の前に霊仙や伊吹山を見ながら極上の稜線を下っていく。トレースがなければいいのにと思うが,それは贅沢というものだろう。わざとトレースをはずして自分のフットプリントを刻んでいく。
- 鈴北岳
極上の時間はあっという間に過ぎ,co980mで左折して鞍掛橋方面への尾根に乗る。標高800m付近でスノーシューを脱ぎ,あとはキックステップで下ることにする。いつも念のために軽アイゼンを持ってはいるのだが,ずっとザックの肥やしになっている。凍結さえしていなければキックステップの方がずっと早く下れるし,滑ることもない。
標高750mあたりの送電線鉄塔で服を脱いだ時にサングラスを置き忘れたことに気づいた。100mほど下った頃に気がつき,取りに戻る。30分ほどのロス。あとは順調に登山口に着地。最近人が多く歩いているのか雪は踏み固められてつぼ足でも全く問題ない。
鞍掛橋の国道に出た途端,見事に背中からひっくり返ってしまった。道路が凍っていたのだった。油断していたわけではないのだが,一旦溶けて凍った路面にすこし雪が乗って,氷が見えなくなっていたのだ。幸い,背中のザックがクッションになって,肘をすこしすりむいただけだった。
国道脇の防災工事は相変わらず続いており,工事箇所までは綺麗に除雪してあるが,その奥,鞍掛橋までの200mほどは圧雪になっており,下が凍結しているので,車で鞍掛橋まで行きたい人は気をつけた方が良いだろう。国道を30分ほど歩いて駐車地に戻る。天気予報通りの好天で,気持ちの良い稜線歩きを堪能した極上の1日だった。
鈴鹿は年末以来新しい雪の供給がないようで,明らかに減ってきている。このまま降雪がなければ2月にはあらかた融けてしまうかもしれない。