ナメちゃんの季節である。採ってきたナメを冷凍保存しておき,半年かけて味噌汁の具として楽しむのがここ数年の習慣になっている。いつもの場所を歩いても面白くないので,今回はゴロ谷からゴロ1尾根を登り,標高900m付近のテーブルランド山腹を伊勢尾までトラバースすることにした。
【 日 付 】2020年10月28日(水)
【 山 域 】鈴鹿北部
【メンバー】単独
【 天 候 】晴れ
【 ルート】 御池橋 8:33 --- 9:01 ゴロ谷第二支流 --- 9:50 ゴロ1尾根900m付近 --- 10:10 崩壊地 --- 11:00 テーブルランド --- 11:17 アザミ谷源頭 --- 12:05 伊勢尾950m付近(昼食)12:30 --- 13:40 御池橋
御池林道を走っていると道端に止めた軽トラのおじさんが「この先にハンターがたくさん集まっている」と教えてくれる。実は2日前にもゴロ谷を下山中にハンターたちに出くわしているのだ。有害動物駆除許可証と書いた腕輪をしている。いつも獣道ばかり歩いているので,シカと間違われて撃たれないとも限らない。こうなるとキノコ狩りも命がけである。御池橋まで行くと幸いにもハンターたちはいなかった。2日前にやっているので,今日は別の場所で狩るつもりなのだろう。
渡渉を繰り返しながらゴロ谷を遡る。最初の左俣がアザミ谷。アザミ谷をゴロ谷第一支流とすると今日行くのは第二支流である。アザミ谷と第二支流の間の尾根がゴロ一尾根になる。地形図では第二支流の上の方に大規模な崩壊があり,ここから流れ出た土砂がゴロ谷を埋めて現在の状態になっているようだ。第二支流はその土砂に埋まって伏流になっている。
- ゴロ谷第二支流
第二支流を少し遡り,登り易い斜面を見つけて左斜面を登っていく。少し登っただけでも紅葉が目に見えて鮮やかになってくる。鮮やかな朱色はオオモミジやオオイタヤメイゲツだろう。標高差にして100mほども登ると斜面が緩やかになった。ゴロ1尾根の末端だった。ここから標高差100mほどが緩やかな斜面になっている。炭焼き窯跡が幾つも見られる。谷が比較的近くまで上がってきているので,炭をおろすのもそれほど難しくはなかったのだろう。今はシカの楽園になっているようで,糞があちこちに見られる。
- ゴロ1尾根
- 冠谷源頭部の崩壊
標高900m付近でトラバースにかかる。ここはテーブルランドの側壁の傾斜が多少緩むあたりで,トラバースはさほど難しくはない。ただし石ころが多いので簡単でもない。しばらく歩いたあたりで大規模な崩落箇所に出くわした。あらら。アザミ谷右俣の冠谷の源頭部のようだ。地形図に載っていないので,比較的新しい崩落なのだろう。こんなところに足を踏み入れて流されたらどこまで流されていくかわからない。計画を変更することにする。
- ゴロ1尾根の紅葉
選択肢は三つ。1)来た道をそのまま戻る,2)崩壊部の縁を降りていく,3)テーブルランドに登る。まだ時間も早いので案3を選択する。ここから上は地形図では等高線が混んでいてあまり登りたい雰囲気ではない。標高差200mほど。かと言って登れないほどの急傾斜ではない。覚悟を決めて登り始める。約1時間ほどのアルバイトののち,ようやくテーブルランドに登り着いた。1182標高点のすぐ西だった。テーブルランドはここ何年も雪のある時期にしか来たことがなかったので,無雪期の風景は新鮮である。雪がないとこんな感じなんだねえ。
- アザミ谷源頭
そのまま北西に歩いてアザミ谷の源頭に至る。これまでの遡行記録を見るとアザミ谷には険悪な滝はなさそうなので,このまま谷を下りてもいいし,適当に伊勢尾に乗ってしまってもいい。このあたり,平日ということもあり人影はない。向こうの鈴北岳の頂上に一人の登山者が見える。
- テーブルランド
伏流になっている源頭部をのんびり下りていく,右前方に鈴ヶ岳の円い頂上部が見えている。意外に早くヒルコバ直下に出た。アザミ谷はこのヒルコバからゴロ谷方向に南西に降りているのだ。このあたりから真新しいピンクのテープが見られるようになる。どうもヒルコバから伊勢尾に抜けるトラバースルートを示しているようだ。このピンクテープ,ありがたくないこともないのだが,あまりにたくさんつけるのもどうかと思ってしまう。せっかくなのでテープに従ってトラバースしていく。
標高950mあたりの伊勢尾の尾根地形がはっきりし始めるあたりに出た。ここまでくればもう歩き慣れたルートだ。お腹が空いたので倒木に腰掛けて昼食にする。今年は台風が一個も上陸しなかったのと,最近の晴天続きで紅葉の色づきは例年になく良さそうだ。テーブルランドの西斜面もいい具合に色づき始めている。2日前にも見たのだが,日ごとに色づき具合が進んでいることがよくわかる。
- 伊勢尾の紅葉
ここからは806標高点までの約100mの標高差をのんびり降りるお散歩コースだ。アップダウンもあまりないので,紅葉を楽しみながらのんびり散策する。今年はナメコだけでなく,色々なキノコの発生も少ないような気がする。去年見つけたクリタケも見つからない。それでもこれだけ見事な紅葉狩りができれば御の字といったところだろう。
- テーブルランド西壁
806標高点から標高差約200mの急降下で御池橋近くに降りついた。伊勢尾は今は歩く人も少ないが,雰囲気がよく歩きやすい道で,最後の登りをアザミ谷源頭にトラバースすれば急登もなく比較的楽にテーブルランドに至ることができる。丁字尾根が一般道になってしまったように,そのうち伊勢尾も一般道になるかもしれない。
ナメちゃんは見つからなかったが,その分見事な紅葉を堪能した気持ちの良い1日だった。さあ,湯の山温泉でのんびり湯に浸かって帰ろうか。
ナメちゃんの季節である。採ってきたナメを冷凍保存しておき,半年かけて味噌汁の具として楽しむのがここ数年の習慣になっている。いつもの場所を歩いても面白くないので,今回はゴロ谷からゴロ1尾根を登り,標高900m付近のテーブルランド山腹を伊勢尾までトラバースすることにした。
【 日 付 】2020年10月28日(水)
【 山 域 】鈴鹿北部
【メンバー】単独
【 天 候 】晴れ
【 ルート】 御池橋 8:33 --- 9:01 ゴロ谷第二支流 --- 9:50 ゴロ1尾根900m付近 --- 10:10 崩壊地 --- 11:00 テーブルランド --- 11:17 アザミ谷源頭 --- 12:05 伊勢尾950m付近(昼食)12:30 --- 13:40 御池橋
御池林道を走っていると道端に止めた軽トラのおじさんが「この先にハンターがたくさん集まっている」と教えてくれる。実は2日前にもゴロ谷を下山中にハンターたちに出くわしているのだ。有害動物駆除許可証と書いた腕輪をしている。いつも獣道ばかり歩いているので,シカと間違われて撃たれないとも限らない。こうなるとキノコ狩りも命がけである。御池橋まで行くと幸いにもハンターたちはいなかった。2日前にやっているので,今日は別の場所で狩るつもりなのだろう。
渡渉を繰り返しながらゴロ谷を遡る。最初の左俣がアザミ谷。アザミ谷をゴロ谷第一支流とすると今日行くのは第二支流である。アザミ谷と第二支流の間の尾根がゴロ一尾根になる。地形図では第二支流の上の方に大規模な崩壊があり,ここから流れ出た土砂がゴロ谷を埋めて現在の状態になっているようだ。第二支流はその土砂に埋まって伏流になっている。
[attachment=7]PA280003.jpg[/attachment]
第二支流を少し遡り,登り易い斜面を見つけて左斜面を登っていく。少し登っただけでも紅葉が目に見えて鮮やかになってくる。鮮やかな朱色はオオモミジやオオイタヤメイゲツだろう。標高差にして100mほども登ると斜面が緩やかになった。ゴロ1尾根の末端だった。ここから標高差100mほどが緩やかな斜面になっている。炭焼き窯跡が幾つも見られる。谷が比較的近くまで上がってきているので,炭をおろすのもそれほど難しくはなかったのだろう。今はシカの楽園になっているようで,糞があちこちに見られる。
[attachment=6]PA280016.jpg[/attachment]
[attachment=5]PA280029.jpg[/attachment]
標高900m付近でトラバースにかかる。ここはテーブルランドの側壁の傾斜が多少緩むあたりで,トラバースはさほど難しくはない。ただし石ころが多いので簡単でもない。しばらく歩いたあたりで大規模な崩落箇所に出くわした。あらら。アザミ谷右俣の冠谷の源頭部のようだ。地形図に載っていないので,比較的新しい崩落なのだろう。こんなところに足を踏み入れて流されたらどこまで流されていくかわからない。計画を変更することにする。
[attachment=4]PA280036.jpg[/attachment]
選択肢は三つ。1)来た道をそのまま戻る,2)崩壊部の縁を降りていく,3)テーブルランドに登る。まだ時間も早いので案3を選択する。ここから上は地形図では等高線が混んでいてあまり登りたい雰囲気ではない。標高差200mほど。かと言って登れないほどの急傾斜ではない。覚悟を決めて登り始める。約1時間ほどのアルバイトののち,ようやくテーブルランドに登り着いた。1182標高点のすぐ西だった。テーブルランドはここ何年も雪のある時期にしか来たことがなかったので,無雪期の風景は新鮮である。雪がないとこんな感じなんだねえ。
[attachment=3]PA280038.jpg[/attachment]
そのまま北西に歩いてアザミ谷の源頭に至る。これまでの遡行記録を見るとアザミ谷には険悪な滝はなさそうなので,このまま谷を下りてもいいし,適当に伊勢尾に乗ってしまってもいい。このあたり,平日ということもあり人影はない。向こうの鈴北岳の頂上に一人の登山者が見える。
[attachment=2]PA280053.jpg[/attachment]
伏流になっている源頭部をのんびり下りていく,右前方に鈴ヶ岳の円い頂上部が見えている。意外に早くヒルコバ直下に出た。アザミ谷はこのヒルコバからゴロ谷方向に南西に降りているのだ。このあたりから真新しいピンクのテープが見られるようになる。どうもヒルコバから伊勢尾に抜けるトラバースルートを示しているようだ。このピンクテープ,ありがたくないこともないのだが,あまりにたくさんつけるのもどうかと思ってしまう。せっかくなのでテープに従ってトラバースしていく。
標高950mあたりの伊勢尾の尾根地形がはっきりし始めるあたりに出た。ここまでくればもう歩き慣れたルートだ。お腹が空いたので倒木に腰掛けて昼食にする。今年は台風が一個も上陸しなかったのと,最近の晴天続きで紅葉の色づきは例年になく良さそうだ。テーブルランドの西斜面もいい具合に色づき始めている。2日前にも見たのだが,日ごとに色づき具合が進んでいることがよくわかる。
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ここからは806標高点までの約100mの標高差をのんびり降りるお散歩コースだ。アップダウンもあまりないので,紅葉を楽しみながらのんびり散策する。今年はナメコだけでなく,色々なキノコの発生も少ないような気がする。去年見つけたクリタケも見つからない。それでもこれだけ見事な紅葉狩りができれば御の字といったところだろう。
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806標高点から標高差約200mの急降下で御池橋近くに降りついた。伊勢尾は今は歩く人も少ないが,雰囲気がよく歩きやすい道で,最後の登りをアザミ谷源頭にトラバースすれば急登もなく比較的楽にテーブルランドに至ることができる。丁字尾根が一般道になってしまったように,そのうち伊勢尾も一般道になるかもしれない。
ナメちゃんは見つからなかったが,その分見事な紅葉を堪能した気持ちの良い1日だった。さあ,湯の山温泉でのんびり湯に浸かって帰ろうか。