~ 紅葉と霧氷の鳥海山 ~
【東北】鳥海山
【日時】2020/10/16
【天 候】晴れ時々曇り
【コース】P 6:48-滝の小屋-河原宿 8:48-伏拝岳 11:20-七高山手前12:15/13:18 -P 17:19
10月15日は休養日として「山寺」を散歩した。
山寺と言うより、芭蕉が「おくのほそ道」でこの地を訪ねて詠んだ
「閑さや 岩にしみ入 蝉の聲」
の句が有名だ。1100段の石段を登り降りしたが、この歳になると超回復には至らず、疲労を増幅しただけだった。
その後、面白山を訪ねた。山に登ったのではない。
遠縁の人が滋賀県からこの地へ来て面白山スキー場を経営しており、ほぼ半世紀前にお世話になったことがあった。
仙山線面白山高原駅には数人の登山者らしい人がいたが、当時の賑わいはない。
ぼんやりした記憶に霞む半世紀前に訪れたその館は放置され、朽ちるのも時間の問題のようだ。
スキー場跡にはコスモスの花が揺れていたが、まばらで寂しげだった。
仙台市から来たという妙齢の女性お二人も若かりし頃この斜面でスキーを楽しんだ想い出話を聞かせていただいた。
この方達と半世紀前ゲレンデですれ違っていたかもしれない。 とか。
面白山から天童高原を経て鳥海山麓へとハンドルを切る。
標高1200mの登山口広場から肉眼で天の川が見えた。明日はいい山日和になりそうだ。
石畳の道から沢を渡ると滝の小屋から八丁坂、見上げる雄大な斜面に残雪の白、笹の緑そして錦秋の紅葉が広がっている。
脳裏にはこの斜面にしっかり積もった雪原を山スキーで滑る自分がいる。
残念ながら、正夢にはなり得ないだろう。
そう言えば、スキーを担いで登っていった単独男性はどこへ行ったのだろう。
いったい、あのスキー どこで滑るんだろう?
河原宿で休憩中に3組の登山者が先を行った。
急ぐ旅でも頂上を目指す旅でもありはしないのでゆっくりと高みを目指す。
円弧状で東西に延びる稜線手前から思いも寄らぬご褒美を頂いた。
週間予報も3日前の予報も悪天だったものが、紅葉を照らす陽射しに加えて霧氷まで用意して迎えてくれた。
鳥海山の神様に感謝しよう。
この稜線、北側は断崖でその向こうに荒々しい新山と称する鳥海の頂上、その下に神社と小屋そして小さな小さな谷間に残雪が見える。
その残雪で何と先の単独男性がスキーをしているではないか!!!
およそ20m足らずの斜面、テレマークターンの小回りで4ターン
あれをやるためにスキー担いで登ってきてまた降るのか・・・
体力錬成をかねてやってるんだろうが、凄まじいスキー愛?だ。
稜線から神社へ降って新山の頂上を目指せば、その途中で冷やかし、イヤ励ましの声でもかけられるだろうが、
南向きの斜面の陽だまり窪地でランチとした。
目の前には東北の山々がズラリ勢揃いだ。
左奥から 森吉 秋田駒 八幡平 岩手 和賀 虎毛 そして昨日の面白山 大東岳
南には蔵王 西吾妻 大きく月山 大朝日 飯豊 その右には日本海
スマホのピークハンターが教えてくれる。
冷たいガスが湧いてきた。
降りの尾根からは日本海 西に飛島 そして、夕照の粟島を見ながらゆっくりと紅葉と霧氷の鳥海山に別れを告げた。
では また どこか 初冠雪の霊峰で
SHIGEKI