~ 天国のナメを行く ~
【東北】二口山塊 大行沢
【日時】2020/10/13、14
【天 候】曇りのち晴れ
【コース】10/13 P 7:50-雨滝 9:48-岸辺 溯行-避難小屋 14:40-支沢散歩
10/14 避難小屋 8:00-樋の沢-雨滝--P14:40
裏磐梯から米沢を抜けて山形中央ICを出たのは昼過ぎだった。
迷っていたが銀行に勤める友人に電話をした。「今山形にいる。」と伝えると今宵20年ぶりに歓談することとなった。
アルコール抜きで山形牛や芋煮、アケビの皮など郷土料理とお互いの消息話など時のたつのを忘れた。
急な連絡で手ぶらの不肖Sなのにお土産まで頂いて、再会を約して車に乗り込んだ。
二口林道で可愛い野兎の歓迎を受け県境を越え、秋保ビジターセンターで夜を明かした。
霧雨の中、ぬかるんだ登山道を行く。
山毛欅の林の左下には早くもナメが走ってる。かなり水量は多そうだ。
右からの支流をいくつか越えるといつの間にか止んだはずの霧雨がまたもや降ってきたかと思いきや岩盤から落ちる落水だった。
雨滝だ。
大行沢側に展望が開けて紅葉に彩られ滝を擁する大岩壁があらわれた。
裏磐司と呼ばれている大行沢の右岸壁である。
この間、何度も沢へ降りて溯行を試みたが、増水や滝などで断念、更に登山道を進み、ナメに沿うなだらかな岸辺を見つけ
早めのランチとした。
さて、ここからは流れを行く。
谷間の紅葉には少し早かったようだが、山毛欅の森につけられたナメによる天国への道をゆっくり、ゆっくりと歩く。
言葉はいらない。し、言葉では表しようがない。
と言うことで画像を見て頂こう。
イヤ、ヘタな画像では余計に伝わらないだろう。
現地で冷たい流れの抵抗を感じながら歩いてもらうしかないだろう。
更にえんえん ナメは続く。しかも、山毛欅の森の中をだ。
両門の滝となった。
近くは、竹屋谷?北谷?遠くは笛吹川東沢釜ノ沢の「それ」である。
ここでは、向かって右側の滝が樋の沢、左側の滝が小東岳へ突き上げるハダカゾウキ沢
小屋は樋の沢の左岸台地にある。
ささやかな焚火で暖をとり、揺らぐ炎を見ながら担ぎあげたブラックニッカのエクストラスイートをちびりちびりと
やりつつ山と渓を想った。
小屋にあった「県境の山」と言う周辺の山について書いた本が読み出したら面白くて深夜まで読みふけってしまった。
2日目は樋の沢を歩く。
まだまだナメは続く。山毛欅の森をどこまでもどこまでも・・そう 天国まで続いているようだ。
できれば、このナメを詰めて天国まで イヤ 稜線に出て登山道を辿り大東岳に登って周遊するつもりだったが、
そんなに急いで歩かなくてもいいだろう。
ゆっくりゆっくり、この森とナメを楽しもう。
来た道の登山道を戻る途中、2組の登山者と1人のキノコとり、2人の登山道整備業者と出会った。
ちゅうか、追い越された。
業者の兄ちゃんとは色々話して 滋賀から来た と言うとひっくり返る位驚いていた。
そんなこんなで、地獄行きの切符しか持たない不肖Sだが、天国へのナメを歩かせてもらった。
昇天したら地獄でも天国でもいいが(極力天国がいい)、それまでにもう一度このナメを稜線まで歩いてみたい。
では また 山毛欅の森を流れる三途の川のナメで
SHIGEKI