- 胎内くぐりの滝
このところ山にも沢にもすっかりご無沙汰である。ネタがないのでレポを書かなくなり,そうなるとやぶこぎネットを見る頻度も減ってくるという悪循環に陥っている。といっても決してのんびりしているわけではなく,平日の昼は自宅で仕事をし(給料が出るわけではないが),夕方,仕事に疲れたら近所のボルダリングジムでボルダリングに励む。土日は趣味のソフトテニスの練習,ということで充実した毎日を過ごしている。むしろ充実しすぎて他のことをしようという気にならなのだ。
鈴鹿,台高,南紀の主だった沢にはほぼ行き尽くしたし,もう沢登りも卒業していいかなと思っていたら,michiさんから「急に休みが取れたので蛇谷に行きませんか」のお誘い。michiさんはここ10年来の沢友で,数え切れないほど一緒に沢に行っている。気心が知れているので,私には気楽な相手である。
【 日 付 】2020年9月30日(水)
【 山 域 】鈴鹿・竜ヶ岳 宇賀川支流
【メンバー】michi,シュークリーム
【 天 候 】晴れ
【 ルート】 宇賀渓駐車場 9:30 --- 10:20 蛇谷出会い --- 10:40 五階滝 --- 11:00 第二廊下10m滝 --- 11:38 CS8m滝 --- 11:46 CS5m滝手前(昼食)12:06 --- 14:30登山道15:00 --- 16:30 宇賀渓駐車場
宇賀渓駐車場に9時集合の予定が,道が混んでいたので15分遅刻。準備をして出発したのが9時半だった。平日にもかかわらず駐車場には20台ほどの車が止まっている。さすがに人気の竜ヶ岳である。テレワークなどで時間の融通がきくこともあるのだろうか。
白竜橋を越えて入渓し,しばらくで魚止滝。水量も少ないし,真夏なら泳いで取り付くところだが,今は泳ぎたくない。michiさんも同じ気持ちらしく,ここは見学だけで先に進む。
蛇谷出会いの7m滝は右側をすり抜ける。真向かいの本流には燕滝10mが豪快に落ちている。最初の関門15m滝。前回は左岸の垂壁をロープを出して登ったが,今回は大人しく右岸を巻いていく。巻くといっても高度感抜群である。
- 15m滝
しばらく行くと登山道が横切り,その上が五階滝。この辺はルートがしっかりしているので問題ない。
- 10m滝(ここは巻いた)
第二廊下入り口の10m,7m連瀑は通常,ロープを出して右岸を登るが,ハーケンが必要ということでハンマーを持っていない今日は巻くことにする。michiさんは単独で来る時のことを考えて,今日は巻道を探索するようだ。前回は右岸を巻いたので,今日は左岸を巻いてみるという。ちょっと見た目はそれほど難しくなさそうだが,念のためロープを出すことにする。登ってみると意外にいやらしい巻だった。2ピッチで登り,登り切ってから7m滝の上に降りた。私は右岸巻きをしたことがないが,右岸の方が簡単な気がする。
- 五階滝
この谷の核心部CS8m滝も通常はロープを出して滝の左側を登るが,ここも巻くことにする。右岸に踏み跡があり簡単に巻くことができた。巻き終わると炭焼き窯の跡。この辺りに今は使われていない杣道が来ているようなので,その道を辿って炭を運んだのかもしれない。
- 倒木が刺さる滝
CS5m滝の手前で昼食休憩。この辺りは自然林となり,チドリノキ,アブラチャン,コハウチワカエデ,アカシデなどの広葉樹が茂り雰囲気がいい。倒木が刺さるCS5m滝はシャワーを浴びながら突破。ここを越えるともう難所はない。
- 核心のCS8m滝(右岸を簡単に巻ける)
岩質が黒っぽく変わり,やや左に曲がったところの5m滝の上に,倒木に群生するキノコが見えた。一瞬ナメコかと思ったが,近づいてみるとスギタケだった。このキノコは昔は食用にしていたらしいが,現在は毒キノコに分類されている。そのまま放置する。
- 源頭部から竜ヶ岳を望む
小滝をひたすら越えて登っていくと両側が明るい笹原になり,970m付近で沢から上がって笹原の中を登ることになる。左に竜ヶ岳のゆったりとした頂上を眺めて登り,振り返ると向こう側に伊勢湾が開けた。笹原の所々に生えるシロヤシオは一部紅葉が始まっているようだ。
- スギタケの群生
最後の急登を喘ぐと登山道に出た。登ってきた蛇谷を眼下に見ながらmichiさんとのんびり世間話をする。もう沢登りは卒業しようかと思っていたのだが,いざ来てみるとやっぱり沢登りは楽しい。通常の登山道歩きにはもう戻れないかな。
下山はmichiさんのリクエストで遠足尾根を下る。金山尾根と比べると長い道程だが,michiさんといろいろ世間話をしながら下るのはまた楽しかった。帰りは久しぶりに湯の山温泉でのんびりした。やっぱり下山後の温泉は欠かせない。