【日付】2020年3月3日(火)
【山域】石徹白/水後山
【ルート】上在所~蝉ヶ岳~水後山(ピストン)
【天候】晴れ
【メンバー】単独
寡雪の今季、唯一になるかもしれない「スノー衆」は、体力不安からパス。マイペースで歩ける山で遊ばせてもらうことにする。
ネット上で山レポを見ると、石徹白近辺の山にはそれなりに雪がありそうだ。数年前から選択肢にあげていたルートを試すなら今しかないかも?
そんな気分に背中を押され、早起きして深夜割引の名神高速から石徹白に向かう。
まだ明けきらぬ6時前、白山中居神社の駐車場には京都ナンバーの軽自動車が1台だけ。女性2人が出発準備中だ。
予定より早く着いたのでゆっくり準備している間に、お2人さんは出発してもう姿がない。
駐車場のトイレでも…と思ったら「冬季閉鎖中」で、「神社のトイレをご利用ください」とある。面倒なのでガマンして出発。6時30分。
県道を中在所方面へ引き返すように登って行く。上り終わる辺り、浄水施設への分岐を左へ折れる。
墓地を回り込むとまた分岐。左へ進むと舗装路はいきなり枯れススキに覆われたヤブ状に!
スタートの途端に靴が脱げたランナーのようなもの。出鼻を挫かれてモチベーションが急落してしまう。
それでも進むしかないのだろうが、これではとても予定のルートは完遂できない。
ふと前方を見ると農地の間を舗装道路が延びている。んんん? あれが予定の林道なんでは?
と、まあ、しょっぱなからこんな寝ぼけた話で先が思いやられるのだが、一応、今日の予定を記しておく。
上在所~蝉ヶ岳~水後山~大日ヶ岳~天狗山~朝日添川右岸尾根~林道~上在所
一昨年4月、今回の逆回りで天狗山~大日ヶ岳の中間点ピークまで行って撤退した。その時、反時計回りでの周回がアタマに浮かんだのだ。
檜峠からか、スキー場のゴンドラ利用もあるのだが、下山地点との関係で一人では無理。
そこで上在所から扇川沿いの林道で蝉ヶ岳経由のルートにしたのだった。
さて、先ほどの墓地の横の分岐は右へ進むのが正解。「奥美濃農園」の看板が目印になる。
農地を過ぎて植林帯に入るとすぐ分岐。右へ入れば蝉ヶ岳西麓の緩斜面を辿って山頂へ登れそうだが、様子はわからない。
足元は数cmの残雪。これではヤブに捕まる恐れも大きい。当初プランを考えると出足でタイムロスはいただけない。
そういうわけで林道を直進。
今朝の残雪は表面が中途半端に凍っていて、踏み抜いたり抜かなかったりで歩きにくい。残雪が安定したところでスノーシューを履く。このほうが断然歩きやすい。
こういう長い林道歩きは「早く着こう」などと考えないことだ。鼻歌でも歌いながらブラリブラリの散歩歩き。
時々振り返ると、石徹白名物の小白山~野伏ヶ岳~薙刀山などのラインナップが微笑んでくれる。
ようやく林道が大きく左へ回り込んでしまうヘアピンにやってきた。
なんの目印もないのだが、右手の扇川源流は簡単に渡渉できる。あとは、若杉の植林斜面を20分登ると林道に出る。
すぐ上が蝉ヶ岳山頂なので、そのまま斜面を10分ほどで山頂△1194.6。ピークと言っても杉や落葉樹の広い尾根尻のようなところだ。
三角点も探してはみたが、雪に埋まっているのか発見できなかった。
ここからは平坦な尾根を進む。少ない積雪のせいでササや灌木の枝が鬱陶しい。
30分で標高点1286m。植林が終わり北側には別山や銚子ヶ峰などが樹木越しに姿を見せてくれる。南側にはシンボリックなブナが1本。
地形図では水後川の林道からのルートがここで合流しているが、目印も踏み跡も見当たらない。
残雪も安定し、ヤブもなくなった稜線歩きは快適なのだが、斜度が増し、林道歩きの足の疲れもあってかピッチが上がらない。
・1501mへ11時ジャスト。到達の直前、ここが水後山?と錯覚するくらいアタマの疲弊も進んでいた。
いきなり北方の視界が開ける。右前の鋭鋒は? 水後山はどこ?
並ぶ雪稜に目を奪われながら、雪庇に続く急斜面を登りきる。
やっとこさ、水後山!と思ったら、なんと目の前に別のピークが控えている。正直、ガックリ感に沈み込む。
先の鋭鋒は大日ヶ岳の前衛の鎌ヶ峰だろう。すると目の前のピークこそ水後山か…!
時計は11時20分。苦手な暗算だけど、これくらいはできる。まず、もう鎌ヶ峰を越えての周回は無理! 水後山も鞍部からの登り返しがシンドそう…。
モチベーションが下がると気力も落ちてくる。ここで一鞭入れて、せめて水後山までは行ってみましょう。
11時45分山頂。大きな四角の雪穴は天泊の跡か? 一画に腰を降ろしてランチにする。
一昨年、天狗山から見た鎌ヶ峰は岩っぽい峻峰だった。こうして南側から見てもその威容は変わらない。
周回するにはヤセ尾根を渡ってから、地図以上に急勾配に見える尾根が待っている。
2つのピークのあと、大日ヶ岳への稜線はどうなってるんやろ? ここからでは見通すこともできない。
好天無風、唯我独存?景観独占…のランチライム。石徹白のラインナップはもちろん御嶽や乗鞍の純白帽子姿も拝ませていただけた。
ウイングヒルズスキー場からのBGMまでついて♪
ここまで無事に来れただけで万々歳!ってところだ。良しとしよう(ホンマはちょっと悔しいけれど…)
あとは往路を下るだけ。朝は凍結気味だった残雪もこの陽気ですっかり緩みスノーシューでも下り易い。カカトに重心を置き、消え始めた雪面のシュー跡を確認しながらズリズリと降りていく。
・1286のブナに戻ってきた。この先から、蝉ヶ岳には寄らず右の斜面を30~40m下って林道に出る。
林道は下り気味に水平移動し、蝉ヶ岳の下で往路の踏み跡に合流。
植林斜面を下り、渡渉点から扇川林道へ。1時間半歩いて中居神社に16時25分。
帰り支度していると、偶然にも朝の女性2人連れが帰ってきた。野伏か薙刀あたりだったのだろうか?
そういえば今日はお雛祭りだった!
無事下山 女性が主役 雛節句
~びわ爺