【湖北】横山岳〜墓谷山☆雪景色と大展望

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Re: 【湖北】横山岳〜墓谷山☆雪景色と大展望

by yamaneko0922 » 2020年2月18日(火) 13:25

SHIGEKIさん コメント有難うございます。

このコースを選んだのはSHIGEKIさんのレコに触発されたも同然ですから。

>連チャン2日目にラッセル求めてこのルートなんですね :mrgreen:

前日は標高のせいか雪も少なく、家内のスピードに合わせてゆるゆるでしたから。

>話は飛びますが・・・焼き付いたと言えば
  浜省、区麗情の「ラブレター」を想い出しますわ。


確かに、せつなさが身につまされます。
 ♪雪という名の 遠い幻を追って・・・♪ :D

>制服であって欲しかったですね :mrgreen:

御意ですが、休日ですし体育会系ですから致し方ないですね。

>実はこの池姉妹 お出逢いしてないんです。
静かに対面したいものです。 


金居原から歩いたのはこの池が目的以外の何者でもないです。
池の光景をSHIGEKIさんにお届け出来るようにと思っていたのですが、今度はSHIGEKIさんの美しい写真を期待します。

>不肖Sはここで、ゆったりランチと楽しい出逢いで満足してしまいました。

この展望地の爽快感は、私の知る限り左千方や上谷山からの眺望に匹敵するのではないでしょうか。ましてやこれらのピークに立つ労苦と比べると、なんともコスパの良い山と云えるでしょう。さすが「プチ・ラッセルで大展望」といったところですね。

>4人の登山者とスキーのトレースで開けた雪原風ですね。
今はこうじゃないんですね?


まさしく。あの本で山頂の景色を想像すると、その変貌ぶりに驚かれることになると思います。

>ほろ苦天ぷら堪能しました。

しまった!天ぷらの分も買っておけばよかった :o

Re: 【湖北】横山岳〜墓谷山☆雪景色と大展望

by yamaneko0922 » 2020年2月18日(火) 12:58

アオバ*トさん コメント有難うございます。

>金居原からスタートだったのですね。
それにしても相変わらず、すごいコースタイムです。


横山岳の標準コースタイムを全く知らないので、無雪期に比べて遅いのは間違いありません。果たして速いのかどうなのかはわかりませんが、翌週の土蔵岳~猫ヶ洞を視野に入れて、久しぶりにトップ・ギアで歩いておりました。
結果的には自分のこの横山岳でのコースタイムの過信が翌週の大誤算につながるのですが、それはまた改めて。

>わたしは雪の時は西尾根から北尾根の周回しか歩いていないのですが、

昨年、膝の骨折から快復して最初に歩いたのがまさにそのコースです。
親しい山友で非常なラッセル巧者が先頭を歩いてくれたので私はその後を辿っただけなのですが、骨折した脚は健側の脚の半分ほどしか上がらず、最後の急登はとても苦労しました。

>ここ(奥土倉エリア)よりきっと雪がたっぷりあってスノーシュー楽しいだろうなぁと思っていました。


確かに標高はさほど変わらないのですが、横山岳の方が着雪した感じがありました。

>山中で見かける小さな池って大抵はヌタ場みたいですが、ここの池はほんとに美しいなと思いました。
ある時、杉野山の会の方に車に乗せてもらったことがあって、この池のことを尋ねましたら、
杉野では、この池は越美国境の夜叉姫の別荘だということになっているらしいです。

>金居原の姉妹の池はとっても気に入って、その後は白谷コースと合わせて歩きました。

以前よりとても気になっていたのですが、雪の中で微睡む池の表情は実に魅力的でした。
私も次回は山芍薬の季節にでもそのコース取りで歩いてみたいと思っていたところでした。
きっとSHIGEKIさんも気に入られることでしょう。

>ここは何度歩いてもうっとりします。天空遊歩道のようですね。


御意です。

>三高尾根は登りに使うとしんどいし、下りに使うと滑りまくるし、わたしはこの尾根苦手です。

確かに!登りに使ったことはありませんが、下りに使うには嫌な尾根であるのは確かです。


>わたしたちがここを通ったのはもう暗くなってからでした。


残念。早く下山して下さったら乗せて頂けたのに :mrgreen:

>ふきのとう味噌、家で作ると美味しいですよね。ほろ苦さがたまりませんよね。

御意です。これは外で買うより自分で作りたいものです。

Re: 【湖北】横山岳〜墓谷山☆雪景色と大展望

by SHIGEKI » 2020年2月17日(月) 23:52

yamaneko さん こんばんは。

【 日 付 】2020年2月2日(日曜日)
【 山 域 】湖北 
【メンバー】単独
【 天 候 】晴れ
【 ルート 】金居原9:10〜9:20登山口〜10:48夜叉ヶ池〜12:22横山岳東峰〜12:58横山岳13:10〜13:56鳥越峠14:01〜14:36墓谷山14:41〜15:30杉野農協バス停

1月も終わりになって、ようやく京都や滋賀の山々にも冠雪した。京都に初雪が降ったのは観測史上、最も遅いらしい。山行先を思案するが、まずは久しく新雪のラッセルから遠ざかっていたこともあり、自分のラッセルのスピードを確かめるという目的もあったので、それなりの積雪とトレースのないことが期待できるところがいい。真っ先に思いついたのは横山岳だった。前日に辿った谷山から安蔵山への稜線から眺めたその白いシルエットが脳裏に焼き付いたままである。

連チャン2日目にラッセル求めてこのルートなんですね :mrgreen:

前日稜線から眺めた白いシルエットが脳裏に焼き付いたまま とは言え羨ましい気力体力ですね。

不肖Sの場合、体のエンジンが焼き付いてしまいますわ~

話は飛びますが・・・焼き付いたと言えば

  浜省、区麗情の「ラブレター」を想い出しますわ。

     ♫傾く西日の校舎の廊下で 制服のまま○づけた日が焼き付いたまま・・・・♪


米原を過ぎて北陸本線に入ると右手の車窓からは冠雪した伊吹山の姿を大きく望む。何かのスポーツの大会があるらしく、車内はジャージを着た女子高生達で溢れかえっている。

制服であって欲しかったですね :mrgreen:

山毛欅の林を緩やかに登って行くと尾根が広がったところで間には小さな池が現れる。夜叉ヶ妹池だ。もう少し積雪が多かったら完全に雪の下に埋もれてしまうところであったが、結氷した薄鼠色の水面を見せる池は雪の中で微睡む瞳のようだ。池の眠りを妨げないように池のほとりを静かに周回してみる。
先に進むと尾根はますます広くなり、すぐにも先ほどの池よりも一回り大きな池が現れる。今度は姉上の夜叉ヶ池だ。鼠色の水面に伸びる山毛欅の長いシルエットと新雪が美しいモノクロームのコントラストを呈する。気がつく空には蒼穹が大きく広がっている。

いいですねぇ~

実はこの池姉妹 お出逢いしてないんです。

静かに対面したいものです。 



東尾根登山道と合流すると、山毛欅の林はますます樹高が高くなり、壮麗である。昨日に辿った谷山から安蔵山にかけての稜線においても壮麗な山毛欅の林に圧倒されそうになるが、こちらの山毛欅林も相当なものである。

昨日、谷山で標高が900mを少し超えたあたりから急に積雪が深くなったのだが、やはりこの尾根においてもそれは同様であった。スノーシューを履いていても膝近くまでのラッセルとなり、吹き溜まりではそれ以上だ。久しぶりのラッセルはやはり時間を要する。

標高がca1080mのあたりで、山毛欅の樹林が唐突に切れる。小高い隆起に登り詰めると一気に大展望が飛び込んでくる。純白の白山を奥座に戴き、重畳とした山並み、左千方の右手には三周ヶ岳から先に連なる越美国境の山々、右手に目を向けると御嶽山とその右手に中央アルプスの山々、さらにその右では恵那山のシルエットの左に南アルプスの山々も見える。反対側の琵琶湖の上では雲が多いようだ。一眼レフがここで役に立たないのがなんとも残念だ。

不肖Sはここで、ゆったりランチと楽しい出逢いで満足してしまいました。



ところで山本武人による「湖北の山」では墓谷山の山頂は雪原の写真が載せられている。わずか30年ばかりの間の植生の変化には驚くばかりである。

4人の登山者とスキーのトレースで開けた雪原風ですね。

今はこうじゃないんですね?


バスが木ノ本の駅に到着し、駅の物産品売り場にはとれたてのフキノトウが数多く売られている。はたしてこの時期にこんなに蕗を手に入れてよいものだろうかと思いながらも、京都に帰宅し、久しぶりに蕗味噌を調理すると、なんとも良い蕗の薫が鍋から立ち上るのだった。

そうなんです。もう、あちこちの道の駅でふきのとうが売られています。もちろん天然

季節が1ヶ月以上飛んでますね。

と言いつつ、不肖Sも買って、ほろ苦天ぷら堪能しました。

      SHIGEKI

Re: 【湖北】横山岳〜墓谷山☆雪景色と大展望

by アオバ*ト » 2020年2月17日(月) 22:23

 山猫さん、こんばんは。

【 ルート 】金居原9:10〜9:20登山口〜10:48夜叉ヶ池〜12:22横山岳東峰〜12:58横山岳13:10〜13:56鳥越峠14:01〜14:36墓谷山14:41〜15:30杉野農協バス停

金居原からスタートだったのですね。
それにしても相変わらず、すごいコースタイムです。
わたしは雪の時は西尾根から北尾根の周回しか歩いていないのですが、
グリーンシーズンに一度だけ、横山岳と墓谷山の二つセットコース、杉野から歩きました。
とてもしんどかったので、二つセットはこの時限りでしたが、
金居原の姉妹の池はとっても気に入って、その後は白谷コースと合わせて歩きました。



横山岳東峰からの東尾根に乗ると積雪が深くなる。小さな鞍部でスノーシューを装着する。早速にも山毛欅の林が始まる。樹林の切れ目からは右手には土倉岳から猫ヶ洞を経て神又峰へと続いてゆく江美国境稜線の山々の眺望が開ける。

わたしたちはまだまだ稜線に出ていませんでしたが、横山岳はどこかで大きく見えていました。
ここ(奥土倉エリア)よりきっと雪がたっぷりあってスノーシュー楽しいだろうなぁと思っていました。


山毛欅の林を緩やかに登って行くと尾根が広がったところで間には小さな池が現れる。夜叉ヶ妹池だ。もう少し積雪が多かったら完全に雪の下に埋もれてしまうところであったが、結氷した薄鼠色の水面を見せる池は雪の中で微睡む瞳のようだ。池の眠りを妨げないように池のほとりを静かに周回してみる。

山中で見かける小さな池って大抵はヌタ場みたいですが、ここの池はほんとに美しいなと思いました。
ある時、杉野山の会の方に車に乗せてもらったことがあって、この池のことを尋ねましたら、
杉野では、この池は越美国境の夜叉姫の別荘だということになっているらしいです。



東峰のピークに達するとここでも再び東の方角への大展望が広がる。いよいよ、本峰への吊尾根へと入ると、鹿の足跡による一筋のトレースを辿ってクリームのように滑らかな新雪の雪稜を進む。

ここは何度歩いてもうっとりします。天空遊歩道のようですね。


下山は三高尾根の急下降を下る。暖かい気温のせいで雪がかなり緩み始めている。東尾根とは対照的に尾根を下るとみるみるうちに積雪が浅くなってゆく。南斜面のために雪の積もり方も違うのだろう。

三高尾根は登りに使うとしんどいし、下りに使うと滑りまくるし、わたしはこの尾根苦手です。


墓谷山からの下りは随所に真新しいロープがつけられており、途端に道が良好に整備されている。植林地に入ると尾根の斜度も緩やかになり、下りやすい。植林地の中には小さなお堂が現れる。南けい寺の跡であり、今はわずかにこの観音堂がかつてこの地に栄えた寺院の栄華を偲ぶよすがとなっている。

このお堂は、なんともすてきな雰囲気ですよね。


バス停にたどり着くと木ノ本の駅に向かうバスの時間までは1時間ほど待たねばならない。

わたしたちがここを通ったのはもう暗くなってからでした。


バスが木ノ本の駅に到着し、駅の物産品売り場にはとれたてのフキノトウが数多く売られている。はたしてこの時期にこんなに蕗を手に入れてよいものだろうかと思いながらも、京都に帰宅し、久しぶりに蕗味噌を調理すると、なんとも良い蕗の薫が鍋から立ち上るのだった。

ふきのとう味噌、家で作ると美味しいですよね。ほろ苦さがたまりませんよね。

 アオバ*ト

【湖北】横山岳〜墓谷山☆雪景色と大展望

by yamaneko0922 » 2020年2月16日(日) 11:13

【 日 付 】2020年2月2日(日曜日)
【 山 域 】湖北 
【メンバー】単独
【 天 候 】晴れ
【 ルート 】金居原9:10〜9:20登山口〜10:48夜叉ヶ池〜12:22横山岳東峰〜12:58横山岳13:10〜13:56鳥越峠14:01〜14:36墓谷山14:41〜15:30杉野農協バス停

1月も終わりになって、ようやく京都や滋賀の山々にも冠雪した。京都に初雪が降ったのは観測史上、最も遅いらしい。山行先を思案するが、まずは久しく新雪のラッセルから遠ざかっていたこともあり、自分のラッセルのスピードを確かめるという目的もあったので、それなりの積雪とトレースのないことが期待できるところがいい。真っ先に思いついたのは横山岳だった。前日に辿った谷山から安蔵山への稜線から眺めたその白いシルエットが脳裏に焼き付いたままである。

米原を過ぎて北陸本線に入ると右手の車窓からは冠雪した伊吹山の姿を大きく望む。何かのスポーツの大会があるらしく、車内はジャージを着た女子高生達で溢れかえっている。後ろの座席の女子高生が伊吹山に気がついたらしく、それまでの会話を遮って「伊吹山が白くなってるやん、私、雪の伊吹山が好きやわ〜」。隣の女の子は「あれ、伊吹山なん」と感心したのか白けたのか分からなかったが、登山者でなくとも冠雪した伊吹山の姿を待ち望んでいた人は多いだろう。

列車が北上するにつれ、一段と白い金糞岳、そして横山岳の姿が目に入る。昨日も湖北の山を登っているが、朝には着雪していた周囲の山々も夕方にはすっかり雪を失ってしまっていたのだが、横山岳や金糞岳は昨日の朝に見た時のままに純白の山肌を見せている。湖北の山々の上には淡墨を流したような真冬の雲が広がってはいるが、雲の間から差し込む朝日を受けて山肌が白銀に輝くのを見ると、一刻でも早く山に入りたいと心が逸るのだった。

木ノ本駅ではリュックにスノーシューを括り付けた単独行の男性と一緒になる。やはり金居原行きの湖国バスに乗って横山岳を目指されるようだ。下山は東尾根を下る予定らしい。余呉トレイルクラブ主催の湖北の山行によく参加されておられるようで、湖北の山々にお詳しい。

杉野を過ぎると、バスの車窓からは再び白銀に輝く横山岳の姿が見える。車内から窓越しに横山岳の姿を写真に収めようとしてカメラを取り出した途端、レンズ・フィルターの奥でレンズの表面が曇っていることに気がついた。昨日、雪で湿ったカメラ・カバーをつけたまま朝まで車の中にカメラを放置してしまったのが悪かった。これまでも何度か試したがレンズ・フィルターを外すことが出来ない。いつもはもう一台、コンデジを携行しているのだが、この日に限ってコンデジを取り出して来てしまったことも悔やまれる。

バスの終点、金居原で降りるともう一人の登山者と共に車道を歩き始める。登山道が杉の植林地へと入っていくところで、失礼して先に行かせていただく。植林地はすぐにも終わり、明るい自然林の尾根が始まるとすぐにも雪が繋がるようになる。

横山岳東峰からの東尾根に乗ると積雪が深くなる。小さな鞍部でスノーシューを装着する。早速にも山毛欅の林が始まる。樹林の切れ目からは右手には土倉岳から猫ヶ洞を経て神又峰へと続いてゆく江美国境稜線の山々の眺望が開ける。
土蔵岳から猫ヶ洞.jpg
山毛欅の林を緩やかに登って行くと尾根が広がったところで間には小さな池が現れる。夜叉ヶ妹池だ。もう少し積雪が多かったら完全に雪の下に埋もれてしまうところであったが、結氷した薄鼠色の水面を見せる池は雪の中で微睡む瞳のようだ。池の眠りを妨げないように池のほとりを静かに周回してみる。
夜叉ヶ妹池.jpg

先に進むと尾根はますます広くなり、すぐにも先ほどの池よりも一回り大きな池が現れる。今度は姉上の夜叉ヶ池だ。鼠色の水面に伸びる山毛欅の長いシルエットと新雪が美しいモノクロームのコントラストを呈する。気がつく空には蒼穹が大きく広がっている。
夜叉ヶ池.jpg

東尾根登山道と合流すると、山毛欅の林はますます樹高が高くなり、壮麗である。昨日に辿った谷山から安蔵山にかけての稜線においても壮麗な山毛欅の林に圧倒されそうになるが、こちらの山毛欅林も相当なものである。

昨日、谷山で標高が900mを少し超えたあたりから急に積雪が深くなったのだが、やはりこの尾根においてもそれは同様であった。スノーシューを履いていても膝近くまでのラッセルとなり、吹き溜まりではそれ以上だ。久しぶりのラッセルはやはり時間を要する。

標高がca1080mのあたりで、山毛欅の樹林が唐突に切れる。小高い隆起に登り詰めると一気に大展望が飛び込んでくる。純白の白山を奥座に戴き、重畳とした山並み、左千方の右手には三周ヶ岳から先に連なる越美国境の山々、右手に目を向けると御嶽山とその右手に中央アルプスの山々、さらにその右では恵那山のシルエットの左に南アルプスの山々も見える。反対側の琵琶湖の上では雲が多いようだ。一眼レフがここで役に立たないのがなんとも残念だ。
金糞岳.jpg
奥美濃と白山.jpg
琵琶湖.jpg
ここからは東峰にかけて樹林の中へと入って行く。予想はしてはいたが、昨日の谷山や安蔵山と同様、雪の重みで垂れ下がったリョウブやヒメシャラの低木が登山道を塞いでいる。雪が多いせいか、この東尾根の方が雪によりにわかに生じた藪がひどく、南斜面をトラバースして尾根芯の藪を迂回する。

東峰のピークに達するとここでも再び東の方角への大展望が広がる。いよいよ、本峰への吊尾根へと入ると、鹿の足跡による一筋のトレースを辿ってクリームのように滑らかな新雪の雪稜を進む。
横山岳西峰に.jpg

こちらも純白の雪の尾根からは南北にかけてパノラマが広がる。右手には上谷山が陽光を浴びて白い山肌を輝かせている。
上谷山(中央左)と左千方(右)
上谷山(中央左)と左千方(右)

横山岳の山頂では暖かいせいだろうか、山毛欅の樹々の霧氷はすでにかなり落下してしまったようだ。この山頂からの琵琶湖の展望はそれまでの尾根に比べるとなんとも狭く感じられる。カップヌードルでランチをとると早々に下山の途につく。

下山は三高尾根の急下降を下る。暖かい気温のせいで雪がかなり緩み始めている。東尾根とは対照的に尾根を下るとみるみるうちに積雪が浅くなってゆく。南斜面のために雪の積もり方も違うのだろう。

山頂直下の急下降が終わるとしばらくはなだらかな自然林の尾根が続く。ca800mあたりで尾根上には突然踏み跡が現れる。その靴の後は見覚えがある。昨日、尾羽梨林道で見かけた猟師の履いていたものと全く同じだ。足跡は尾根筋から斜面へと消えている。

鳥越峠にかけての急下降が始まると斜面からは急に雪がなくなる。溶けた雪のせいで斜面の泥濘みが酷い。ここで面倒臭がらずにチェーンスパイクを取り出せばよかったのだが、墓谷山への登り返しで再びスノーシューを使うだろうと思っていたので、そのまま下る。

鳥越峠に下ると車が二台、停められている。一台は四駆のRV車で、もう一台は軽トラックだ。網谷林道を登って来られたのだろう。林道には雪は全く見当たらない。バズーカ砲のような大型の望遠カメラが西側に向けられている。カメラの先には形良く並ぶ七頭ヶ岳、妙理山、大黒山が目に入る。バードウオッチングに来られたという男性が少し前に「猟師さんが登って行きましたけど会いませんでしたか?」と云う。やはり猟師のものであった。

墓谷山に登りかえす。墓谷山の北斜面には再び雪が現れることを期待したが、雪が繋がったのは山頂がかなり近づいてからであった。山頂が近づくと西側から植林が登ってくる。山頂からは北にわずかに横山岳を望むが、それが墓谷山からの唯一の展望であった。ところで山本武人による「湖北の山」では墓谷山の山頂は雪原の写真が載せられている。わずか30年ばかりの間の植生の変化には驚くばかりである。

墓谷山からの下りは随所に真新しいロープがつけられており、途端に道が良好に整備されている。植林地に入ると尾根の斜度も緩やかになり、下りやすい。植林地の中には小さなお堂が現れる。南けい寺の跡であり、今はわずかにこの観音堂がかつてこの地に栄えた寺院の栄華を偲ぶよすがとなっている。

御神木とされる大きな杉の木を通り過ぎるとまもなく杉野の集落の奥に出た。バス停にたどり着くと木ノ本の駅に向かうバスの時間までは1時間ほど待たねばならない。バスが到着すると乗っているのは朝に一緒だった単独行の男性であった。

東尾根から降りた林道沿いには多くのフキノトウが咲いていたとのこと。まだ二月もはじまったばかりだというのに。昨年、美濃俣丸から笹ヶ峰への山行後の林道でフキノトウを摘んだのは三月も半ば過ぎのことだった。

バスが木ノ本の駅に到着し、駅の物産品売り場にはとれたてのフキノトウが数多く売られている。はたしてこの時期にこんなに蕗を手に入れてよいものだろうかと思いながらも、京都に帰宅し、久しぶりに蕗味噌を調理すると、なんとも良い蕗の薫が鍋から立ち上るのだった。

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