【湖北】谷山から安蔵山北西尾根へ

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Re: 【湖北】谷山から安蔵山北西尾根へ

by yamaneko0922 » 2020年2月18日(火) 12:34

わしたかさん 情報どうも有難うございます。

この店は私は入店したことはなかったのですが、家内の親しい友人の知人の店であり、家内はその友人と共に京都の山奥でキャンプをした後でこの店に来ておりました。ちなみに私はキャンプの後は桟敷が岳から魚谷山、貴船山を越えて京都まで一人で歩いて帰ったのでした。

>大石酒造は元々亀岡の蔵で美山に移転してまだ歴史が浅いため、置いてないんでしょうね〜。

さすが、お詳しい。確かにまだ蔵も新しい感じですね。

>1度日本酒飲みながら山のお話しも伺いたいものです笑笑

有難うございます。山の失敗談なら尽きることはありません。 :mrgreen:

Re: 【湖北】谷山から安蔵山北西尾根へ

by わしたか » 2020年2月17日(月) 12:17

yamanekoさん、こんにちは〜。

ジビエ店というか鹿肉やら地鶏を売っている店ですがそれでもよければ。
ご存知かもしれませんが美山おもしろ農民クラブという店で、大石酒造の蔵の近くにあります。ソーセージ美味いです!
大石酒造は元々亀岡の蔵で美山に移転してまだ歴史が浅いため、置いてないんでしょうね〜。yamanekoさん日本酒の造詣も深いですね。1度日本酒飲みながら山のお話しも伺いたいものです笑笑

Re: 【湖北】谷山から安蔵山北西尾根へ

by yamaneko0922 » 2020年2月16日(日) 11:29

わしたかさん コメント有難うございます。

>この山域は猟師が多く入りますね。人家が無いし普通の登山者は入らないので鉄砲撃ちやすいんでしょうね。
そういえば今年は雪が少ないので鹿猟が不振だとジビエ店の人に聞きました。
犬で追い込んでも雪で足止めできないので鹿に逃げられるらしいです。


なるほど、私達が上谷山に登った時も前を通り過ぎた車は猟師のものだったんでしょうね。
ところでそのジビエ店はどこにあるのかとても気になるのですが・・・

>この稜線は本当に本当に素晴らしいですよね!!!

御意です。

>いまの旬はしぼりたてですよね~。昨日わたしも美山町にある大石酒造の蔵で翁鶴のしぼりたて買いました :lol:

私も先日、大石酒造には行きましたよ。ここの酒は何故か美山の他のお店では売られていないんですよね。

木ノ本の富田酒造では試飲はしたことがありませんが、滋賀の酒造の中では昔から気に入っている酒造の一つです。特に吟吹雪は素晴らしいと思います。わしたかさんも少し早めに下山することがあれば是非に :D

Re: 【湖北】谷山から安蔵山北西尾根へ

by わしたか » 2020年2月16日(日) 10:32

yamanekoさん、こんにちは~。

年末のM1-グランプリのネタが散りばめられた安蔵山から谷山へのわしたかさんのrepでは、わしたかさんは谷山から尾羽梨林道へと下ることを諦めて奥川並に降りられたが、果たして尾羽梨林道からこの谷山へと目指すことが出来ないだろうかと云う命題が気になる。問題は尾羽梨ダムの先から対岸へと続く林道が地図には記載されてはいるが、果たして林道に橋があるのか、あるいは徒渉することが出来るかと云うことだ。この尾羽梨川にかかる林道の橋も崩落している可能性が高いと思われるが、とりあえずこの尾羽梨川を覗いてみることにしよう。

偵察お疲れ様です(`・ω・´)ゞ

尾羽梨の林道との分岐に来ると、車の跡は驚いたことに尾羽梨林道へと入ってゆく。タイヤの跡を追って林道へと入ってみることにする。幾度か車体の底を地面に擦りながら狭い林道を進んで行くと林道の先で四駆の軽トラックが停められているのが目に入る。そこから先は谷からの土砂と水の流れが林道を削り、先に進めなくなっているのだった。GPSで確認すると林道の入り口から尾羽梨ダムとのほぼ中間地点であった。あとはダムまでは30分もかからずにたどり着けることだろう。

ダムの先の対岸の林道の地点まで歩いてみると、対岸に廃林道が目に入るが、やはり橋はない。徒渉できるところはないかと探してみたが、尾羽梨川の流れは早く、深くもあり、徒渉は不可能と判断する。撤退を決める。Tさんには徒労にお付き合いさせてしまい申し訳ないが、これは想定の範囲内ではあった。改めて仕切り直しである。

やはり尾羽梨側から谷山方面に入るのは難しいですか。転進して正解でした。
情報ありがとうございます!


猟師さんは様々な話をして下さる。猪や鹿とは異なり熊は至近距離から鉄砲を撃たないと射止めることが出来ないとのこと。冬眠中の熊を無理矢理起こして、撃つとのこと。これまで三度、熊にやられて、昨年に熊に噛まれた上腕には未だに金属が入っているらしい。その前に脚をやられた時には五ヶ月入院されたようだ。「かみさんにはもういい加減やめろと云われておるんやけどな〜、何しろ好きなもんで」

この山域は猟師が多く入りますね。人家が無いし普通の登山者は入らないので鉄砲撃ちやすいんでしょうね。
そういえば今年は雪が少ないので鹿猟が不振だとジビエ店の人に聞きました。
犬で追い込んでも雪で足止めできないので鹿に逃げられるらしいです。


谷山からの下りが終わるとしばらくはなだらかな尾根が続く。尾根は期待通りの壮麗な山毛欅の回廊が続いてゆく。圧倒されるような山毛欅の樹林にただため息をつくばかりだ。尾根の右手には上谷山への稜線が雲の中から姿を現す。陽光を浴びて白銀に輝くその稜線は積雪の量がこのあたりよりも明らかに多い。

この稜線は本当に本当に素晴らしいですよね!!!

歩きやすい尾根を緩やかに下っていたところ、ca420mのあたりで突如として尾根が終わるかのように思われる。そこから先は細尾根のかなりの急下降となるのであった。自然林の樹林も終わり、周囲の樹々に捕まりながら下るしかないのだが、榧の幼木が多く、不用意に木を掴む訳にはいかない。雪も薄くなり、足元は非常に滑りやすい。短い区間ではあるが緊張を強いられる箇所であった。

北西尾根はここが核心部ですね。

この日の最後は木ノ本でもう一つ楽しみにしているものがあるのだった。富田酒造に寄り道して七本槍の玉栄と吟吹雪の冬季限定の生原酒をそれぞれ入手する。

帰宅後は早速、二本の生原酒を開ける。玉栄と吟吹雪はいずれもとりわけ気に入っている酒米だ。白昼夢のような雪景色の山行の余韻に浸りながら、久しぶりの七本槍の生原酒に舌鼓を打つのだった。


いまの旬はしぼりたてですよね~。昨日わたしも美山町にある大石酒造の蔵で翁鶴のしぼりたて買いました :lol:

吟吹雪は滋賀の酒米だからお土産にぴったりですね。といいながらこの蔵には行ったことない(いつも開店時間を過ぎてる。。。)のですが、
ちなみにここの酒蔵は試飲できるんでしょうか???


わしたか

Re: 【湖北】谷山から安蔵山北西尾根へ

by yamaneko0922 » 2020年2月12日(水) 07:09

biwa爺さん コメント有難うございます。遅レスすみません。

>余呉は大雪みたいです。その前に安蔵山の北西尾根チェックですね。

山の上はかなりの積雪で、昨日は一日中、厳しいラッセルを強いられることになりました。

>上谷山を周回した昨年3月の軌跡です。崩壊橋のところに降りてくる尾根も使えそうです。

素晴らしいルートですね。有難うございます。

>お疲れさまでした。でも、自分の目で見ておくのは大切ですね。

そうですね。この尾羽梨林道の奥がどうなっているのだろうという興味もありましたので。

>カワイイなあ~♪ 甲斐犬かな? 3年前に茶と黒の雑種2匹を引き取りましたが、今は茶だけです。黒犬を見ると思い出してしまいます。

猟師さんのお話によると、真っ白な紀州犬と真っ黒の甲斐犬を掛け合わせたらしいのですが、母親も仔犬も黒い甲斐犬の姿ばかりになったそうです。

>谷山はどこがピークか分らないくらいダダっ広い台地状のところですね。尾根の取付きが分らず、安蔵山への踏み跡道へ入りかけました。

確かにわかりにくいですね。

>カレースープと思えば大丈夫(^^♪
私、真冬の御池岳で大人数鍋をつくった時、家庭用の携帯ガスコンロだったので1時間以上も沸騰してくれませんでした。いろいろありますね、失敗談。


真冬の山の上で鍋というのは魅力ではありますが、難しいですね。biwa爺さんの失敗談を含めて、教訓になりました。

>なんだかヤバそうな尾根ですね…。登りに使った方が無難かも?

その通りだと思います。

>地形図を見ると北向きの尾根を下って、・664から西へ進んで草地マークに降り立つってのはいかがでしょう? 残雪期にやってみようかなあ。

例の榧の藪が待っているかもしれません。尾根上は薄いながらも踏み跡が続いており、なんとかなりますが。

>なんだか、わりばしさんに似てきましたね(^_-)
木之本のサラダパンはゲットしないんですか?


最近はチーズフォンデュ・パンの方がお気に入りです。
この日は夕食は別のものが決まっていたので、つるやパンには立ち寄らずでした。

Re: 【湖北】谷山から安蔵山北西尾根へ

by yamaneko0922 » 2020年2月12日(水) 06:54

山日和さん コメント有難うございます。遅レスすみません。昨日は長い山行に出掛けておりました。

>そうなんですか。私は晴れてる方が好きですけどね~ :mrgreen:

それは晴れているに越したことはないのですが、晴天が期待できなくても行きたいところがありますよね :D

>この林道には苦い思い出があります。20年以上前、ここから三国岳を目指して林道を進みましたが。
タイヤがパンク。スペアに交換して走っていると、さらにもう1本パンクして、万事休すとなりました。
そこから先は長い話になりますので、また会った時にでも・・・ :lol:


そのお話は興味津々です。是非、お話をお伺いさせてください。

>当時は林道終点まで入れたと思います。

猟師の方もそのように仰っておられました。

>なんか面白い変換になってますよ。 :mrgreen:

失礼致しました。ご指摘有難うございます。直しておきました。

>中途半端な積雪ではありがちな場面ですね。積もるか積もらんか、ハッキリしろって気分になります。 :lol:
>いいところですが、やっぱりもう少し積もってほしいですよね


私もそう思っておりました。しかし、藪の上に積雪したばかりの状態はそれはそれで大変ということを痛感することになりました。それはまた改めて。

>谷山から安蔵山への尾根は実にいいですね。無雪期、積雪期とも歩いていますが、ブナフェチにはたまりません

御意です。また季節を変えて何度でも訪れたいところです。

>この山頂も地味ながらいいですね。初めて訪れた時、周囲を圧するように聳え立つブナ達の姿に厳粛な気分になりました。

本当に仰る通りです。

Re: 【湖北】谷山から安蔵山北西尾根へ

by biwaco » 2020年2月10日(月) 22:32

yamaneko先生、こんばんは(^^♪
余呉は大雪みたいです。その前に安蔵山の北西尾根チェックですね。
問題は尾羽梨ダムの先から対岸へと続く林道が地図には記載されてはいるが、果たして林道に橋があるのか、あるいは徒渉することが出来るかと云うことだ。
ああ、先生には伝えてなかったですね。わしたかちゃんとはFbで情報交換していて、崩壊橋のことなど伝えておりました。渡渉は夏なら可能でしょうが、今はとてもとても…(@_@。

幾度か車体の底を地面に擦りながら狭い林道を進んで行くと林道の先で四駆の軽トラックが停められているのが目に入る。そこから先は谷からの土砂と水の流れが林道を削り、先に進めなくなっているのだった。GPSで確認すると林道の入り口から尾羽梨ダムとのほぼ中間地点であった。


そう、そこまで入れますね。上谷山を周回した昨年3月の軌跡です。崩壊橋のところに降りてくる尾根も使えそうです。
2019-03-20 尾羽梨林道~上谷山.jpg
いずれもかなり人懐っこい犬達だ。一匹は母犬とのことだが、しかし、そう言われてみれば他の犬はいずれもあどけない顔つきをしている。どうやら成犬になっても大きくならないタイプの犬らしい。
カワイイなあ~♪ 甲斐犬かな? 3年前に茶と黒の雑種2匹を引き取りましたが、今は茶だけです。黒犬を見ると思い出してしまいます。

ダムの先の対岸の林道の地点まで歩いてみると、対岸に廃林道が目に入るが、やはり橋はない。徒渉できるところはないかと探してみたが、尾羽梨川の流れは早く、深くもあり、徒渉は不可能と判断する。撤退を決める。
お疲れさまでした。でも、自分の目で見ておくのは大切ですね。
本来は登山道は集落の入り口からすぐ右手の尾根に取付区のだが、ここから登ると杉の倒木が集中しているので、集落の奥から斜面に取り付く。八幡神社のあたりに出るつもりであったが、どうやら集落を奥に進みすぎて、もう一つ奥の支尾根に取り付いてしまったらしい。
台風被害はここも! 村跡はずっと奥まで続いていますね。
谷山からの尾根は左千方からの下りに使いました。そういえば下り始めてすぐヤセ尾根でヒヤヒヤものでした。
谷山の山頂は何本ものスケールの大きな山毛欅の老木が聳え立ち、壮麗な林が広がっている。
谷山はどこがピークか分らないくらいダダっ広い台地状のところですね。尾根の取付きが分らず、安蔵山への踏み跡道へ入りかけました。
鍋には加減を間違えて大量に水を入れてしまったせいでなかなか沸騰しない。申し訳ないことに、Tさんをかなり長いことお待たせすることになってしまった上、鍋の味が薄くて申し訳なかったと思う。
カレースープと思えば大丈夫(^^♪
私、真冬の御池岳で大人数鍋をつくった時、家庭用の携帯ガスコンロだったので1時間以上も沸騰してくれませんでした。いろいろありますね、失敗談。
歩きやすい尾根を緩やかに下っていたところ、ca420mのあたりで突如として尾根が終わるかのように思われる。そこから先は細尾根のかなりの急下降となるのであった。
なんだかヤバそうな尾根ですね…。登りに使った方が無難かも?
地形図を見ると北向きの尾根を下って、・664から西へ進んで草地マークに降り立つってのはいかがでしょう? 残雪期にやってみようかなあ。
最後は木ノ本でもう一つ楽しみにしているものがあるのだった。
なんだか、わりばしさんに似てきましたね(^_-)
木之本のサラダパンはゲットしないんですか?

~余呉にも食指が動くびわ爺

Re: 【湖北】谷山から安蔵山北西尾根へ

by 山日和 » 2020年2月09日(日) 17:10

yamanekoさん、こんにちは。

この日は南に行けば行くほど好天が期待されるのだが、今回の山行先はもとより展望を期待するところではないので、晴天がないことは気にはならない。雨だけはご勘弁願いたいところだが。

そうなんですか。私は晴れてる方が好きですけどね~ :mrgreen:

尾羽梨の林道との分岐に来ると、車の跡は驚いたことに尾羽梨林道へと入ってゆく。

この林道には苦い思い出があります。20年以上前、ここから三国岳を目指して林道を進みましたが。
タイヤがパンク。スペアに交換して走っていると、さらにもう1本パンクして、万事休すとなりました。
そこから先は長い話になりますので、また会った時にでも・・・ :lol:

猟師の方の話によると数年前まではこのあたりまでは車で問題なく入ることが出来たらしいが、二年ほど前の大雨で山から土砂が流れ出し、車を停めた地点までしか入れなくなってしまったとのこと。

当時は林道終点まで入れたと思います。

本来は登山道は集落の入り口からすぐ右手の尾根に取付区のだが
登山道と合流すると、積雪は指定はいるものの明瞭な古道が現れる。

なんか面白い変換になってますよ。 :mrgreen:

細尾根になり足元の雪が徐々に深くなると、やがて尾根上は積雪した藪が道を塞ぐようになる。以前、残雪期に三国岳まで登った時にはこの尾根で藪漕ぎに難儀した全く覚えはなく、ここでこのような藪に進路を阻まれるとは全くの想定外であった。なんと雪の重みで垂れ下がった枝が尾根を塞いでいるのだった。

中途半端な積雪ではありがちな場面ですね。積もるか積もらんか、ハッキリしろって気分になります。 :lol:

谷山の山頂は何本ものスケールの大きな山毛欅の老木が聳え立ち、壮麗な林が広がっている。山頂部でもやはり着雪した雪の重みで低木が垂れ下がっている。もう少し積雪があるとこれらの藪を雪が埋め尽くしてくれるのだろうが、中途半端に枝が垂れ下がった樹々の間を歩くのはかなり難しい。山頂標のある小さな山頂広場でカレー鍋を調理してランチ休憩とする。

いいところですが、やっぱりもう少し積もってほしいですよね。

谷山からの下りが終わるとしばらくはなだらかな尾根が続く。尾根は期待通りの壮麗な山毛欅の回廊が続いてゆく。圧倒されるような山毛欅の樹林にただため息をつくばかりだ。尾根の右手には上谷山への稜線が雲の中から姿を現す。陽光を浴びて白銀に輝くその稜線は積雪の量がこのあたりよりも明らかに多い。

谷山から安蔵山への尾根は実にいいですね。無雪期、積雪期とも歩いていますが、ブナフェチにはたまりません。 :D

尾根の北側をトラバース気味に進むが、山頂は山名標のある三角点地点はリョウブの藪の中にある筈だ。記憶を辿り、山名標があったと思しきあたりに進むと、朱色の山名標を探り当てることが出来た。安蔵山の山頂は谷山と同様、樹高の高い山毛欅の樹々が大聖堂のような高い空間を作り上げている。

この山頂も地味ながらいいですね。初めて訪れた時、周囲を圧するように聳え立つブナ達の姿に厳粛な気分になりました。

この日の最後は木ノ本でもう一つ楽しみにしているものがあるのだった。富田酒造に寄り道して七本槍の玉栄と吟吹雪の冬季限定の生原酒をそれぞれ入手する。
帰宅後は早速、二本の生原酒を開ける。玉栄と吟吹雪はいずれもとりわけ気に入っている酒米だ。白昼夢のような雪景色の山行の余韻に浸りながら、久しぶりの七本槍の生原酒に舌鼓を打つのだった。

さすがは酒飲みのyamanekoさんらしいエピローグですね。 :D

                          山日和

【湖北】谷山から安蔵山北西尾根へ

by yamaneko0922 » 2020年2月07日(金) 12:33

【 日 付 】2020年2月1日(土曜日)
【 山 域 】 湖北
【メンバー】山猫、家内、Tさん
【 天 候 】曇りのち雪のち晴れ
【 ルート 】尾羽梨林道の駐車地8:45〜9:16橋の崩落地点〜9:38駐車地〜10:09田戸(再スタート地点)〜10:55奥川並〜13:01谷山14:13〜15:46安蔵山15:52〜17:00尾羽梨

久しぶりに冬型の気圧配置となり、降雪が期待される。雪が降ったら、谷山から安蔵山への尾根を辿ろうと考えていた。年末のM1-グランプリのネタが散りばめられた安蔵山から谷山へのわしたかさんのrepでは、わしたかさんは谷山から尾羽梨林道へと下ることを諦めて奥川並に降りられたが、果たして尾羽梨林道からこの谷山へと目指すことが出来ないだろうかと云う命題が気になる。問題は尾羽梨ダムの先から対岸へと続く林道が地図には記載されてはいるが、果たして林道に橋があるのか、あるいは徒渉することが出来るかと云うことだ。この尾羽梨川にかかる林道の橋も崩落している可能性が高いと思われるが、とりあえずこの尾羽梨川を覗いてみることにしよう。Tさんは以前にご一緒させていただいた山行でこの尾根の話になり、大変に興味を示しておられたので、ご同行をお願いする。

湖北に向かうと車の窓からは比良も野坂山地も山の上の方はすっかり白くなっている。期待通り、前々日から二日続けて降雪があったようだ。この日は南に行けば行くほど好天が期待されるのだが、今回の山行先はもとより展望を期待するところではないので、晴天がないことは気にはならない。雨だけはご勘弁願いたいところだが。

菅並から高時川沿いの中河内への県道へと入ると、道路の周囲は雪が見られないものの、あたりの山の中腹以上は一面の雪景色となる。道路にところどころで薄雪が積もったところには真新しい車輪の後がある。どうやら先行する一台の車があるようだ。

尾羽梨の林道との分岐に来ると、車の跡は驚いたことに尾羽梨林道へと入ってゆく。タイヤの跡を追って林道へと入ってみることにする。幾度か車体の底を地面に擦りながら狭い林道を進んで行くと林道の先で四駆の軽トラックが停められているのが目に入る。そこから先は谷からの土砂と水の流れが林道を削り、先に進めなくなっているのだった。GPSで確認すると林道の入り口から尾羽梨ダムとのほぼ中間地点であった。あとはダムまでは30分もかからずにたどり着けることだろう。

車を停めて林道を歩き出す。すぐにも林道の上には薄雪で覆われるようになるが、その上には軽トラックの主と思われる真新しい踏み跡がある。明らかに登山用の靴ではなく長靴のものだ。よくよく見ると周囲には犬の足跡がある。しかも複数あるようだ。猟師と猟犬のものだろう。

やがて行く手には尾羽梨ダムの大きな堰堤が目に入る。ダムを過ぎて林道を進むと、ライフル銃を抱えた一人の初老の男性の姿が目に入る。周囲には二匹ほど小さな犬の姿が見られる。先方は登山者が来るとは想定していなかったであろう、「一体、どこの山に?」と聞かれる。確かにこの林道を辿って容易に登れるような山はないだろう。簡単に山行計画をお話しすると、ダムの先にかかる橋はないと教えて下さる。

猟師さんは仔犬のトレーニングのために山に入っておられるとのこと。林道の先の方からさらに三匹ほど現れる。駆け寄ってきたかと思うと、途端にじゃれつき始めた。いずれもかなり人懐っこい犬達だ。一匹は母犬とのことだが、しかし、そう言われてみれば他の犬はいずれもあどけない顔つきをしている。どうやら成犬になっても大きくならないタイプの犬らしい。猟犬というと精悍で獰猛な犬を予想していただけに意外であった。
仔犬たち.jpg

猟師さんは様々な話をして下さる。猪や鹿とは異なり熊は至近距離から鉄砲を撃たないと射止めることが出来ないとのこと。冬眠中の熊を無理矢理起こして、撃つとのこと。これまで三度、熊にやられて、昨年に熊に噛まれた上腕には未だに金属が入っているらしい。その前に脚をやられた時には五ヶ月入院されたようだ。「かみさんにはもういい加減やめろと云われておるんやけどな〜、何しろ好きなもんで」

猟師の方の話によると数年前まではこのあたりまでは車で問題なく入ることが出来たらしいが、二年ほど前の大雨で山から土砂が流れ出し、車を停めた地点までしか入れなくなってしまったとのこと。

ダムの先の対岸の林道の地点まで歩いてみると、対岸に廃林道が目に入るが、やはり橋はない。徒渉できるところはないかと探してみたが、尾羽梨川の流れは早く、深くもあり、徒渉は不可能と判断する。撤退を決める。Tさんには徒労にお付き合いさせてしまい申し訳ないが、これは想定の範囲内ではあった。改めて仕切り直しである。

猟師さんに別れを告げて、林道を戻る。何匹かの仔犬が尻尾を振りながら我々についてこようとする。猟師さんに再三呼ばれて、最後は諦めたかのように戻っていくのだった。

車まで戻ると尾羽梨を通り過ぎて、田戸に向かう。集落跡の平地に車を停め、奥川並川の流れてに沿って林道を歩き出す。林道の入り口にはチェーンがかけられ、一般車は入ることが出来ないが、尾羽梨林道に比べるとこちらの林道ははるかに綺麗に整備されており、林道上の石もほとんどない。林道を歩き始めるとすぐにも雪が降り始めた。

奥川並の集落跡は沢の両側に立ち並ぶいくつもの石垣の遺構が深い郷愁を漂わせる。
本来は登山道は集落の入り口からすぐ右手の尾根に取付くのだが、ここから登ると杉の倒木が集中しているので、集落の奥から斜面に取り付く。八幡神社のあたりに出るつもりであったが、どうやら集落を奥に進みすぎて、もう一つ奥の支尾根に取り付いてしまったらしい。それなりの急斜面であり、低木の枝を掴みながら這い上がる。

支尾根の尾根筋に上がると、傾斜も緩やかになり、登りやすい。早くも雪が繋がるようになる。登山道と合流すると、積雪はしてはいるものの明瞭な古道が現れる。尾根上は早速にも山毛欅の樹林が現れるようになる。ca680mで谷山から南に伸びる尾根に乗ると、しばらくはなだらかな尾根が続く。いつしか雪は止み、雲の中からは谷山から左千方へと至る尾根の山肌が。後ろを振り返ると横山岳が朧がながらに雲の中から白い輪郭を見せる。

細尾根になり足元の雪が徐々に深くなると、やがて尾根上は積雪した藪が道を塞ぐようになる。以前、残雪期に三国岳まで登った時にはこの尾根で藪漕ぎに難儀した全く覚えはなく、ここでこのような藪に進路を阻まれるとは全くの想定外であった。なんと雪の重みで垂れ下がった枝が尾根を塞いでいるのだった。トレッキング・ポールで叩こうが、樹々の枝を垂れ下がらせている雪は簡単に落ちるようなものではない。雪に埋もれた踏み跡を見分けながら、垂れ下がった樹の枝の下をかい潜り、先へと進むしかない。
谷山へ.jpg
山頂直下の急登にさしかかると、下生の少ない山毛欅の樹林となり、雪の藪漕ぎから解放される。しかし、今度は急に積雪が深くなる。台地上の山頂部に出ると膝までのラッセルとなった。

谷山の山頂は何本ものスケールの大きな山毛欅の老木が聳え立ち、壮麗な林が広がっている。山頂部でもやはり着雪した雪の重みで低木が垂れ下がっている。もう少し積雪があるとこれらの藪を雪が埋め尽くしてくれるのだろうが、中途半端に枝が垂れ下がった樹々の間を歩くのはかなり難しい。山頂標のある小さな山頂広場でカレー鍋を調理してランチ休憩とする。
谷山山頂.jpg
鍋には加減を間違えて大量に水を入れてしまったせいでなかなか沸騰しない。申し訳ないことに、Tさんをかなり長いことお待たせすることになってしまった上、鍋の味が薄くて申し訳なかったと思う。鍋が沸騰するのを待つ間に上空の雲の間に時折、青空が顔を覗かせる。やがて雲の間からは陽光が差し込み始めると、新雪の煌めきと山毛欅のシルエットのせいでモノクロームの世界が途端に賑やかになる。幸いにも風も弱く、寒さを感じることはない。食後はTさんお手製の美味しいケーキをコーヒーと共に頂く。気が付くと山頂で1時間以上も時間が過ぎてしまっていた。
谷山山頂2.jpg
谷山を後にするといよいよ安蔵山への尾根を辿る。樹々の間からは尾根の先で安蔵山が白く着雪した山頂部を見せている。彼方では眩いばかりに光を反射する銀盤のような琵琶湖が目に入る。いつしか空には青空が広がり、林床を覆う雪を淡く青白い色に染めている。
山毛欅の巨木.jpg
谷山からの下りが終わるとしばらくはなだらかな尾根が続く。尾根は期待通りの壮麗な山毛欅の回廊が続いてゆく。圧倒されるような山毛欅の樹林にただため息をつくばかりだ。尾根の右手には上谷山への稜線が雲の中から姿を現す。陽光を浴びて白銀に輝くその稜線は積雪の量がこのあたりよりも明らかに多い。
山毛欅の林.jpg
安蔵山が近づくと再び急登となる。山頂手前の偽ピークを過ぎると、尾根は緩やかになるが、尾根芯にはリョウブの藪が現れる。こちらも雪の重さのせいで樹々の枝が垂れ下がっているので、その中を歩くのは容易ではない。

尾根の北側をトラバース気味に進むが、山頂は山名標のある三角点地点はリョウブの藪の中にある筈だ。記憶を辿り、山名標があったと思しきあたりに進むと、朱色の山名標を探り当てることが出来た。安蔵山の山頂は谷山と同様、樹高の高い山毛欅の樹々が大聖堂のような高い空間を作り上げている。
安蔵山2.jpg
安蔵山からはいよいよ北西尾根を辿り、下山の途につく。リョウブの藪はすぐにもなくなり、下生の少ない快適な山毛欅の林となる。安蔵山の手前からではしばらく雲が日差しを遮っていたのだが、再び傾いた陽がさすと山毛欅の林の中には黄金色の光が満ち溢れる。
安蔵山北西尾根.jpg
歩きやすい尾根を緩やかに下っていたところ、ca420mのあたりで突如として尾根が終わるかのように思われる。そこから先は細尾根のかなりの急下降となるのであった。自然林の樹林も終わり、周囲の樹々に捕まりながら下るしかないのだが、榧の幼木が多く、不用意に木を掴む訳にはいかない。雪も薄くなり、足元は非常に滑りやすい。短い区間ではあるが緊張を強いられる箇所であった。

急下降の箇所を過ぎると灌木の間に付けられた薄い踏み跡を辿って、尾羽梨の日吉神社跡へと着地した。車で再び県道を戻ると、朝に見かけた周囲の樹々の雪は午後の暖かい陽光に照らされて落下してしまったのだろう、雪景色はほとんど消えてしまっている。田戸の集落へと車で戻り、Tさんとお別れすると、この日の最後は木ノ本でもう一つ楽しみにしているものがあるのだった。富田酒造に寄り道して七本槍の玉栄と吟吹雪の冬季限定の生原酒をそれぞれ入手する。

帰宅後は早速、二本の生原酒を開ける。玉栄と吟吹雪はいずれもとりわけ気に入っている酒米だ。白昼夢のような雪景色の山行の余韻に浸りながら、久しぶりの七本槍の生原酒に舌鼓を打つのだった。

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