オフ会から日が経ってしまいましたが、遅ればせながら往路のrepをupさせて頂きます。
【 日 付 】 2019年11月10日
【 山 域 】 鈴鹿
【メンバー】山猫
【 天 候 】 晴れ
【 ルート 】杠葉尾登山口6:20〜7:36銚子ヶ口東峰〜7:39銚子ヶ口〜7:45中峰〜7:51南峰〜8:06西峰〜8:16水舟の池8:25〜8:38大峠〜9:35チョウシ〜9:50熊ノ戸平〜10:04イブネ〜10:43小峠〜10:52上水晶谷出合〜11:00 鈴鹿の上高地(オフ会会場)
今回のオフ会は以前から歩いてみたかった杠葉尾から銚子ヶ口を越えるコースを辿ってオフ会の会場へ向かうことにする。このルートは好展望が期待される銚子ヶ口のみらず、コース上に水舟の池、熊ノ戸平という魅力的な場所が多い。前回は大幅に遅参したので、今回は大幅に荷物も軽量化し、時間に余裕を持って出発する。
永源寺ダムを越えて奥永源寺のあたりに差し掛かるとあたりは濃厚な朝霧が立ち込めている。杠葉尾の銚子ヶ口登山口の標識の前にはわずかに3台分の駐車スペースがあるが、6時過ぎに到着した時点では既に2台の車が停められていた。一台の方は車中泊されておられるようだ。準備を整えると獣除けのフェンスの扉を開けて薄暗い植林の中を歩き始める。
やがて登山道が尾根の東側トラバースするようになると林の中に朝陽が差し込み、黄葉の透過光を与える。銚子ヶ口へと至る尾根は距離は長いがなだらかな道が続くので快調に行程を消化することが出来る。銚子ヶ口の山頂に近付くと緩やかな谷の源頭部はあたり一面の鮮やかな黄色となっている。葉をよくよく見てみるといずれも一様に特徴的な三裂葉をしている。シロモジの樹々だ。
シロモジの樹林を抜けると見晴らしの良い低木の稜線に出る。東側には朝陽を反射して銀盤のように輝く伊勢湾が目に入る。振り返ると背後には正面に御池岳、藤原岳といった鈴鹿北部の山々が一望のもとだ。まもなく好展望の銚子ヶ口東峰のピークに出る。山頂の足元には朝露に濡れたアカモノの可憐な花と実が朝陽を受けて輝いている。
尾根伝いに歩き、銚子ヶ口の本峰を過ぎると黒尾山からの登山路と合流する。イブネへの登山路は尾根を曲がって南に下るのだが、時間に余裕があるので尾根先端部の南峰を訪ねる。ピークからは東側から南側に大きく展望が開けており、正面にはイブネからクラシにかけての平坦な山頂部とその手前にいくつもの小ピークが連なる尾根が目に入る。
分岐に戻り尾根を南下する。随所に好展望が広がり、南東には遠く綿向山も姿も見ることが出来る。まもなく水舟の池への道標が現れる。西側の杉の植林地を下ると林の向l公に水色に輝く水面が目に入る。すぐに植林地の中に紅葉の樹々に取り囲まれた美しい池が現れた。朝の池にはまだ陽光は届かず、時間が止まったかのような静寂が漂っている。
再び杉の植林地の中を歩くと植林地が切れて自然林の尾根に上がったところで小さな苔の広場が現れる。その大きさはイブネやクラシの苔の平原とは比ぶべくものないが、あたかも小さな箱庭のような心を和ませてくれる空間だ。黄葉の樹林の斜面を登り詰めるとすぐに大峠へと出る。
大峠からは尾根はS字状に大きく蛇行し、クラシへと向かう。これまでのなだらかな広い尾根から一転、痩せ尾根のアップダウンが連続する。まもなく南側に大きな崩壊地が現れた。崩壊地のナイフリッジからは見下ろすと佐目子谷の見事な紅葉が目に入る。紅葉の痩せ尾根の急峻な尾根を登ると二人組の男性に出遇う。今日初めてすれ違う登山者だ。前夜はイブネでテン泊されたようだ。
クラシへと連なる広い山頂台地の一角にたどり着くと景色は一変する。緩やかな起伏を描く丘陵が連なり、ここが山の上であることを忘れそうだ。まずは西側のピーク銚子に立ち寄る。稜線上では疎らはあるが立派な山毛欅が立ち並ぶ。
南側には熊ノ戸平のなだらかな苔の斜面が広がっている。紅葉の谷を渡って熊ノ戸平の斜面を緩やかに登る。苔の美しい絨毯の上を歩かないように気をつけて歩くのだが、明瞭な登山道がついている訳ではないので、苔の迷路に行き場を失ってしまう。心の中で苔にお詫びを唱えて柔らかい苔の上を歩かせて頂く。
熊ノ戸平からイブネにかけても美しい苔の絨毯は続く。朝露に濡れた苔には宝石の欠片のような水滴がついており、朝陽を受けてキラキラと輝くのだった。あたりには人の気配は感じられず、この苔の庭園の静寂を独り占めする贅沢を堪能しながら、苔の間を逍遥する。
イブネの山頂に近づくとようやく数人の登山者の姿を目にする。イブネに到着したのは10時過ぎ、この時間なら11時にはオフ会の会場にたどり着けるだろうと皮算用をする。
イブネからは北峰からの急峻な尾根を下り、小峠を目指す。尾根を下るにつれて紅葉が色鮮やかになってゆく。小峠からは左手のざれた谷を下り、愛知川の河岸に到達する。対岸への渡渉はさほど難しくないかと思われたが、水に濡れた岩の上に足を置いた瞬間、つるりと靴底が滑り片足を水に浸してしまう。
気がつくとオフ会が始まる時間が迫っている。平坦な河岸段丘の上では紅葉がなんとも見事であるが、紅葉に足を止めることなく、足早に会場のあたりへと向かう。
到着した瞬間、グーさんに「マジックペン持ってへん?」というのが最初のご挨拶であった。残念ながら私の携行品にはマジックペンは含まれていない。果たしてマジックを携行する人が現れるのだろうか?・・・・後から現れるのだった。気がつくと山日和さんの姿はなく、なかなか会が始まる気配はない。どうやら会の開始時間は11時半だったようだ。
シュークリームさんが大量に採って来られたナメコを配給される。この日は荷物を極力軽量化するために行動食のみであったが、この時ばかりは調理具を持ってこなかったことを後悔する。まもなく山日和さんとsatoさんも到着され、オフ会が始まると瞬く間に時間が過ぎてゆくのだった。