山登りを始めたころはテントを担いで稜線をどこまでも歩いていくことが目標で、ずっと稜線歩きをしてきた。8年前に沢登りを始めてからは稜線歩きをすることはほとんどなくなった。雨乞岳に至るメインルートであるクラ谷道ももう10年ほど歩いていない。今月10日に久しぶりにクラ谷道を歩き,その良さに初めて気づいた。クラ谷道はクラ谷に沿って続く渓流沿いの道だが,緩やかな渓流を横に見て,沢の音を聞きながら歩くと妙に心が落ち着く。この数年間ですっかり渓流が自分の住処になってしまったようだ。
問題は人が多いことだ。紅葉シーズンの週末ということでスカイライン沿いの駐車スペースはどこも車でいっぱい。登山道を歩いても10数人という大所帯のグループが一列になって歩いている。こういう人たちはたいてい周りをキョロキョロすることがない。少しキョロキョロすれば食べられるキノコが生えていたり,素敵な紅葉が見られたりするのだが,なんで皆さん人のお尻ばかり見て歩いているんだろうか。せっかくの雰囲気の良い登山道を人のいない時に満喫してみたいと思い,再度行ってみることにした。
【 日 付 】2019年11月15日(金)
【 山 域 】鈴鹿 御在所雨乞岳周辺
【メンバー】単独
【 天 候 】晴れ
【 ルート】 武平トンネル西雨量観測所近く駐車地 8:18 --- 8:44 沢谷峠 --- 9:01コクイ谷分岐 --- 11:04 七人山 --- 12:04ヒトヨリノコバ 13:10 --- 13:37三人山 --- 15:03沢谷峠 --- 15:21 駐車地
巡検街道から見る鈴鹿の稜線には雲がかかっている。冬型ということで日本海側の天候に左右される鈴鹿稜線はこんなものだろう。後で知ったが,御在所岳には初霧氷が見られたらしい。平日なので登山口近くの駐車場も車が少ない。武平トンネル西側を少し下った雨量観測所近くの駐車場には私の車だけだった。雨量観測所の横から急坂を登っていく。稜線に出るまでは植林帯で,我慢の上りだが,上の方に行くと時折ミズナラなども見られる。
30分ほどで沢谷峠近くの稜線に出る。今日はうろうろする予定なので,登山道にこだわらず,そのまま下っていく。すぐにクラ谷道に出た。このあと,雨乞岳までのクラ谷道の周辺はミズナラが多い。コクイ谷への分岐を経て,少し行くと右からクラ谷が合流してくる。この辺りは日当たりの良い平地などもあって雰囲気の良いところだ。何かの建物があったのかもしれない。
- クラ谷道沿いの紅葉
クラ谷道を少し行くと,右側の台地に紅葉の綺麗な場所があるので寄っていく。日当たりが良いせいかカエデが赤く色づいている。ついでに秋の恵みも少しおすそ分け。二日前の雨で秋の恵みも少し復活したようだ。このまま七人山に登ろうかと思ったが,アセビが通せんぼしているので,登山道に戻り,七人山東峰の南尾根を登っていく。
明るい落葉樹林帯を気分良く登っていく。朝,稜線にかかっていた雲はすっかり晴れ,小春日和の陽光が惜しげもなく冬枯れの林に差し込んでいる。風下のせいか風もほとんどなく,冬型の割には暖かい。150mほども登ると斜面は緩やかになり,周囲はブナ・ナラ混交林となる。「鈴鹿の山と谷」に「七人山はもっと評価されて良いと思う」と記されているが,確かにこの山の雰囲気は良い。皆さん,雨乞岳にしか行かないが,このお椀型の山頂を持つ山のブナ林は鈴鹿の山の中でもとても雰囲気が良いと思う。と言っても,あまり見直されすぎて人が多くなると困ってしまうのだが。
- 七人山頂上付近
七人山の頂上には山名板はなく,ブナの木肌に直接「七人山」と彫られている。誰がやったものがわからないが,こんなことで木を傷つけるなどあってはならないことだ。七人山から南西尾根をゆるゆると降り,再びクラ谷道に出る。平日にもかかわらず,いく組かのグループや単独者が雨乞岳に向かって歩いている。さすがに鈴鹿のメインルート。
- ヒトヨリノコバ
登山道を横切り,ヒトヨリノコバに向かう。ここでオフ会をしたことがある。ここで昼食。今日はのんびり山行なので,豚肉と野菜の肉野菜炒めにビール。昼食後は昼寝と思っていたのだが,食べているうちに陽光が雲に遮られ,体が冷えてしまう。しょうがないので腰をあげる。雨乞岳の直下まで来ながら頂上へ行く気もせず,三人山方面にそのままトラバースする。
三人山からそのまま郡界尾根を下る。日当たりの良いところではカエデが真っ赤に色づいて素晴らしい。この辺りで真っ赤になっているのはミネカエデ。同じカエデでもオオイタヤメイゲツは黄色くなるようだ。
- ミネカエデ
- 郡界尾根の紅葉
沢谷峠から雨量観測所に戻る。今日は天候が冬型ということで,寒い山歩きを覚悟していたが,意外に風の弱い快晴で小春日和のなか,素晴らしい紅葉とそしてちょっぴり秋の恵みを頂いた極上の1日だった。年をとるとこんな山歩きがよく似合う。
- 秋の恵み
山登りを始めたころはテントを担いで稜線をどこまでも歩いていくことが目標で、ずっと稜線歩きをしてきた。8年前に沢登りを始めてからは稜線歩きをすることはほとんどなくなった。雨乞岳に至るメインルートであるクラ谷道ももう10年ほど歩いていない。今月10日に久しぶりにクラ谷道を歩き,その良さに初めて気づいた。クラ谷道はクラ谷に沿って続く渓流沿いの道だが,緩やかな渓流を横に見て,沢の音を聞きながら歩くと妙に心が落ち着く。この数年間ですっかり渓流が自分の住処になってしまったようだ。
問題は人が多いことだ。紅葉シーズンの週末ということでスカイライン沿いの駐車スペースはどこも車でいっぱい。登山道を歩いても10数人という大所帯のグループが一列になって歩いている。こういう人たちはたいてい周りをキョロキョロすることがない。少しキョロキョロすれば食べられるキノコが生えていたり,素敵な紅葉が見られたりするのだが,なんで皆さん人のお尻ばかり見て歩いているんだろうか。せっかくの雰囲気の良い登山道を人のいない時に満喫してみたいと思い,再度行ってみることにした。
【 日 付 】2019年11月15日(金)
【 山 域 】鈴鹿 御在所雨乞岳周辺
【メンバー】単独
【 天 候 】晴れ
【 ルート】 武平トンネル西雨量観測所近く駐車地 8:18 --- 8:44 沢谷峠 --- 9:01コクイ谷分岐 --- 11:04 七人山 --- 12:04ヒトヨリノコバ 13:10 --- 13:37三人山 --- 15:03沢谷峠 --- 15:21 駐車地
巡検街道から見る鈴鹿の稜線には雲がかかっている。冬型ということで日本海側の天候に左右される鈴鹿稜線はこんなものだろう。後で知ったが,御在所岳には初霧氷が見られたらしい。平日なので登山口近くの駐車場も車が少ない。武平トンネル西側を少し下った雨量観測所近くの駐車場には私の車だけだった。雨量観測所の横から急坂を登っていく。稜線に出るまでは植林帯で,我慢の上りだが,上の方に行くと時折ミズナラなども見られる。
30分ほどで沢谷峠近くの稜線に出る。今日はうろうろする予定なので,登山道にこだわらず,そのまま下っていく。すぐにクラ谷道に出た。このあと,雨乞岳までのクラ谷道の周辺はミズナラが多い。コクイ谷への分岐を経て,少し行くと右からクラ谷が合流してくる。この辺りは日当たりの良い平地などもあって雰囲気の良いところだ。何かの建物があったのかもしれない。
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クラ谷道を少し行くと,右側の台地に紅葉の綺麗な場所があるので寄っていく。日当たりが良いせいかカエデが赤く色づいている。ついでに秋の恵みも少しおすそ分け。二日前の雨で秋の恵みも少し復活したようだ。このまま七人山に登ろうかと思ったが,アセビが通せんぼしているので,登山道に戻り,七人山東峰の南尾根を登っていく。
明るい落葉樹林帯を気分良く登っていく。朝,稜線にかかっていた雲はすっかり晴れ,小春日和の陽光が惜しげもなく冬枯れの林に差し込んでいる。風下のせいか風もほとんどなく,冬型の割には暖かい。150mほども登ると斜面は緩やかになり,周囲はブナ・ナラ混交林となる。「鈴鹿の山と谷」に「七人山はもっと評価されて良いと思う」と記されているが,確かにこの山の雰囲気は良い。皆さん,雨乞岳にしか行かないが,このお椀型の山頂を持つ山のブナ林は鈴鹿の山の中でもとても雰囲気が良いと思う。と言っても,あまり見直されすぎて人が多くなると困ってしまうのだが。
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七人山の頂上には山名板はなく,ブナの木肌に直接「七人山」と彫られている。誰がやったものがわからないが,こんなことで木を傷つけるなどあってはならないことだ。七人山から南西尾根をゆるゆると降り,再びクラ谷道に出る。平日にもかかわらず,いく組かのグループや単独者が雨乞岳に向かって歩いている。さすがに鈴鹿のメインルート。
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登山道を横切り,ヒトヨリノコバに向かう。ここでオフ会をしたことがある。ここで昼食。今日はのんびり山行なので,豚肉と野菜の肉野菜炒めにビール。昼食後は昼寝と思っていたのだが,食べているうちに陽光が雲に遮られ,体が冷えてしまう。しょうがないので腰をあげる。雨乞岳の直下まで来ながら頂上へ行く気もせず,三人山方面にそのままトラバースする。
三人山からそのまま郡界尾根を下る。日当たりの良いところではカエデが真っ赤に色づいて素晴らしい。この辺りで真っ赤になっているのはミネカエデ。同じカエデでもオオイタヤメイゲツは黄色くなるようだ。
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沢谷峠から雨量観測所に戻る。今日は天候が冬型ということで,寒い山歩きを覚悟していたが,意外に風の弱い快晴で小春日和のなか,素晴らしい紅葉とそしてちょっぴり秋の恵みを頂いた極上の1日だった。年をとるとこんな山歩きがよく似合う。
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