【 日 付 】2019年10月18日(金)
【 山 域 】飯豊山系
【メンバー】単独
【 天 候 】晴れ
【 ルート】 飯豊温泉 8:50 --- 10:23湯沢峰1021m --- 12:34 梶川峰1692m --- 13:00 1820m付近 13:10 --- 梶川尾根を下る --- 15:50 駐車地
新潟上空から見る信濃川と阿賀野川は茶色く濁って、いつもより水量がかなり多くみえる。先週末の台風19号がいかに多くの雨をもたらしたのかが想像される。空港でレンタカーを借り、一路村上に向かう。この週末に新潟で野暮用があって来たのだが、めったに来ることのない新潟を少し楽しんでいこうと思っているのだ。新潟のホテルに滞在して周辺の山や温泉をめぐることも考えたのだが、なぜか土曜日の夜のホテルが取れなくて、いろいろ考えた末に村上まで流れていくことになった。
あとでわかったのだが、この土日に朱鷺メッセでジャニーズ系のグループ King & Prince の公演があり、遠くからファンが押し寄せてきていたのだった。日曜日に新潟空港に戻ると旅行用のトランクを引いた二十歳前後の若い女性でいっぱいで、新潟の街中もそのような女性でいっぱいだった。どのホテルも若い女性の宿泊客でいっぱい。ジャニーズ恐るべし。
村上駅前の小さな宿「石田屋」に着いてまったり。この宿,1泊2食7000円のビジネスプランにしたのだが,夕食,朝食共適度な量で,味もおいしく,大当たりの宿だった。おかみさんが昔山登りをしていたそうで,飯豊のこともいろいろ教えてくれた。さて,宿で山地図を見ながら,飯豊の登山基地である飯豊温泉に以外と近いのに気がつく。それなら飯豊温泉から飯豊に登るのがいいだろう。日帰りで周回は無理だろうが,行けるところまで行って紅葉狩りをして帰ることにする。
朝7時に食事を食べてから出発。どうせ上までは行けないだろうから,行けるところまで行って引き返すつもりなので,のんびりなのだ。7時半に宿を出発。途中,田舎道で信号もほとんどなく,1時間ほどで飯豊温泉着。飯豊温泉からは丸森尾根,梶川尾根,石転び沢,大嵓尾根などが飯豊山系に向かって伸びており,まさに飯豊山系の登山基地なのだ。飯豊山の周回をしても楽しそう。
- 飯豊山荘
たいして考えもせず,稜線までの距離が近いということで梶川尾根を選ぶ。林道の車止めを越えたところが湯ノ沢と呼ばれる沢。飯豊温泉の源泉があるところからきているらしい。時間があったら沢伝いに行ってみたいものだ。沢の水は澄み切っており,沢屋としてはじゃぶじゃぶと入ってみたい誘惑にかられる。もちろん沢の準備はこれっぽっちもしていないので入るわけにはいかない。尾根の途中から右俣の文覚沢が見えたが,ゴルジュでとても単独でいけるような沢ではなかった。
最初の標高差400mは急登。登りはまだいいが,下りは足を踏み外すと下まで落ちていきそう。その分見晴らしは良くてすぐ下に本流の玉川を見ながらゆっくり登っていく。標高800mを過ぎると傾斜は緩くなり,登りやすくなった。2時間ほどで湯沢峰1021mに到着。このところ体重が超過気味だし,しばらく山に行っていないのでどうなるかと思っていたが,意外に体が軽い。今回は本格的な山歩きをする予定がなかったので,荷物が軽いせいかもしれない。
この辺りまで来ると紅葉の盛りのようだ。ウルシやカエデは局部的に真っ赤になっているが,全体的に黄色が勝っており,もう少し赤が欲しいところだ。
- ウルシの紅葉
稜線には雲がかかっている。一旦,50mほど下り,良く踏まれた道を登っていく。1200mから上は再び急登になる。12時30分,梶川峰1692m着。ここまで来ると飯豊の稜線が一望だ。稜線のすぐ左が北股岳2025m,その左の緩やかな稜線が飯豊山2105mだろう。ここまでこれるとは思っていなかったので大満足。ここでお昼にして下ろうかと思うが,目の前に緩やかな稜線が見えている。せっかくここまで来たのにこのまま引き返すのはもったいない。撤退期限を1時として,1時になるまでは歩いてみようか。
- 雲海と飯豊山
稜線の右側の朳差岳から正面に北股岳,左側に飯豊山と飯豊山系が一望だ。下に目を転じると標高1000mあたりから下が一面の雲海になっている。お昼を過ぎてからのこの雲海は珍しいだろう。
- 池塘
しばらく行くとケルン,さらに標高1800mあたりで撤退期限の1時になった。目の前には縦走路の走っている稜線が指呼の間だが,できれば午後4時には下山したい。この続きは今度来た時にすればいい。極上の景色を楽しみながら束の間の昼食。
- 気持ちのいい稜線
- 気持ちのいい稜線
♪飯豊の山に白銀の はるかにけぶる春開けて 越路の野辺は浅緑 淡く仄かに匂うなり♪(新潟大学農学部学生歌)
青春時代に酔っ払ってこの歌を放吟しながら一度も飯豊山に登ったことがなかったが,長年の夢がようやくかなった。下りは自然にこの歌が出てくる。こんな天気のいい日に飯豊に来ることができてよかった。
- ブナもあります
最後の転げ落ちるような400mの標高差を苦労して降り,予定通り4時前に飯豊温泉に降りることができた。宿の女将さんオススメの川入荘の露天風呂に入って帰った。