【日付】2019年10月20日(日)
【山域】台高・笹ヶ峰~千石山
【天候】くもり
【メンバー】Tさん、アオバ*ト
【ルート】大又林道P 7:10、明神平9:10、△笹ヶ峰10:45、△千石山11:45、
テント場下降点12:30~13:20、明神平15:25、大又P 17:00
きのう(10月19日)土曜日は、三重県南部で記録的短時間豪雨。
東吉野と松阪でもきっとたくさん降っただろうな。
林道の様子と明神谷の渡渉が気になるけど、今日(10月20日)の予報は晴れ。風も強くない。
千石山の南のテント場を見に行こう。
長靴積んで、大又に向かう。佐倉峠を越える辺りで霧雨が車の窓ガラスを濡らす。
お天気なかなか回復しないね。大又駐車場6:30。時間の節約できない私たちは、切り株ベンチにカセットコンロおいて、
また朝から月見うどん。
7:10やっとスタート。あ、ストック忘れた。一本貸して。お付き合いくださるのは、きょうもTさん。
雨は止んだけど、やっぱり水の量半端ない。林道にも水が流れてる。沢の水音でお互いの言葉もまともに聞こえない。
なんだかドキドキするなぁ。山道に入って、すぐに第一渡渉点。こりゃ、すごい水の量。心もとないトラロープに手をかける。
寿命が縮まりそう。第二渡渉点も、いつになく超スリリング。危なっかしくもなんとか二つの難所を通過する。
明神滝前で汗拭きタイム。Tさんはぜんぜん涼しい顔。
明神平に上がってすぐの広場にテント3張。奥の小屋裏のわたしのお気に入りの場所にも1張。
まさかのきのう登って来られたらしい。「いや~昨日は大変でしたよ~。・・・お気をつけてね~。」と見送られて、ガスの中、明神岳に向かう。
三ツ塚を過ぎた頃、空が明るくなってくる。グッドタイミングじゃん。西側の展望がきくようになってきたので巻き道行かずに稜線を行く。
まったくゲンキン、とたんにテンションアップする。薊でしょ。木の実矢塚でしょ。赤白尾根でしょ。
紅葉はイマイチぱっとせんけど、いいね、いいね、すばらしいねこの眺め。
明神岳南の展望台から下ると、こんどは奥峰とヒキウス平が木の枝越しに眺められる。なつかしい劇場通いの日々。
さていよいよ笹ヶ峰極上ブナの森へと入って行きますよ。
最初のまんまるピークにはね、すごくかわいい恐竜がいるよとTさんに教えてあげる。ほら、いたいた。
でも大きすぎてうまく写真に入りきらないね。まとわりついて写真撮って次のピークへ向かう。
落ち葉の絨毯がしきつめられた静かなブナの森はほんのり黄金に色づいて鈍い太陽の光を浴びてやわらかに煌めく。
こんな広大な森にわたしたち二人しかいない。なんと贅沢なことか。
静寂に包まれた三角点のピークから先は初見の道のり。
尾根は狭まり、疎林の気持ち良い風の道となる。瀬戸越あたりで東の谷を見下ろす。どのあたりから下れるだろうか。
気になって何度も振り返る。右手に中奥川への尾根を見送って、やせ尾根に入る。緊張するなぁ。
「ここで落ちたら絶対死ぬよね」「こんなのどこにもあるやろ」Tさんは待ってくれずにスタスタ進む。
「テント場までは、もう行けんよ。往復してたら2時間近くかかるでしょ」「・・・そだね」
無理だろうと思っていたけど、しょんぼり感、隠せない。でも、のろまだから仕方ない。あきらめて千石山への最後の登りにかかる。
振り返ると、今日一番の展望が開ける。歩いてきたところ全部見えて、鮮やかさはないけど、こんなスモーキーな色合いの眺めもいいなと思う。
シャッポ尾根の途中まで行って、分岐点まで戻る。眼下にぽっかりと開けた奥ノ平谷の源流部、千石山南斜面のテント場。
いつかあそこで、テント泊しようね。
ひとしきり眺めて、ザックおろして店開きする。12時半。きょうは少しゆっくりできるね。フライパン出して、りんご切って、
バターでシャカシャカ。甘い香りがしてりんごから果汁が染み出してきたところへくるみと干しぶどうのパンも切って入れて、
パンが果汁をとバターを吸ってくたっとしたら、シナモンシュガーをたっぷりかけて、クリームチーズも添えて、
焼きりんごアオバ*ト風、出来上がり。ほろ苦いコーヒーと一緒に、本日の山頂カフェランチ。ファミマの半熟ゆで卵付き。
まったく自己満足以外のなんでもないですが、これはこれで楽しいのですよ。
さてと、満足したら帰りますか。もと来た道を戻るだけで芸がないけど、
帰りはやせ尾根から谷と斜面を見下ろしてシャッター切ってみたり。稜線から外れて探検してみたり。
行きとは違う太陽の光がブナの森に降り注ぐ。
それにしても、この緩いアップダウン、地味につかれるなぁ。帰りは近道しよう。
夕暮れ近い奥山谷の森は、再びガスが深くたちこめる。
足元のシダをかきわけてずんずん進むと、ガスの向こうから、にぎやかな若者たちの笑い声が聞こえてきた。
アオバ*ト