【奥美濃】「樹林の山旅」の世界を歩く 神又谷から中ツ又谷へⅡ
【日 付】2019/10/15~10/16
【山 域】奥美濃 神又峰周辺
【天 候】2日ともだいたい晴れ
【コース】10/15 中ツ又谷出合-神又谷出合-神又谷遡行-Ca800m付近(泊)
10/16 幕営地-神又峰-中ツ又谷下降-中ツ又谷出合
令和の時代に入って七回目の渓泊の旅となった。
標題の通り、山日和師匠の完コピ-だ。
いや、もちろん完全ではなく浅はかな猿まねでしかありはしない。
屏風山周辺の谷を考えていたが、この時期に増水で泳ぎたくはなのでヌクヌクの二番煎じで神岳ダムへと車を走らせる。
この林道は今年の3月に高丸、9月に金ヶ丸谷そして今回の三回目となった。
頑張れば日帰りでも行ける てな話は残念ながら不肖Sには通用しない。
一泊しても2日目が長そうなので、神又谷出合にザックをデポして中ツ又谷出合まで車を走らせ、まずは空身で林道を歩く。
旅の終わりにその行程を反芻しながらの林道歩きも悪くはないのだが、1日目と2日目の歩きを平準化
(そんなたいそうな)させたのだ。
右から堰堤を越えようとしたら、何やらお花とお供え物が・・・深く考えずに一礼して巻き越えた。
渓は平流が延々と続く。その脇には河岸台地と言うには低過ぎる岸辺の草地や林が右岸、左岸、両岸に
続きその中に踏み跡が続く。
なかったはずの林道跡が右岸に明瞭となったので、上流にダムのありそうな右岸の支流まで辿ってみた。
更に平流が続くが道を歩かされているのではなく自分で考え一歩一歩進む川歩きそのものが楽しい。
煌めく水面、栃やサワグルミの大木や遙か彼方の山の端そして青空 水の冷たさもザックの重みも感じない。
ca670辺りでゴルジュっぽくなったが、迫る両岸には草木が生えており、やさしい様相ですぐに抜けだし、
大きな二股となった。
右にとってしばらくで連漠帯だ。
泊前のいい運動だが長くは続かない。ま、不肖Sにはちょうど頃合いな感じだった。
山日和邸の筋向かいにロープを張ってツェルトを設営した。
湿りきった木はいつぞやの雨のテン泊の時よりも手強かった。
今夜のともは、ブラックニッカのエキストラスイートを渓の水を湧かしてのお湯割りだ。
北海道の知人にもらった干した氷下魚(こまい)を焚火に炙ってかじる。
せせらぎの音を切り裂くように遠くで鹿が鳴き、梢の向こうに月が光る。
焚火の炎とウヰスキーで体が温まった頃、ビリー缶の豚骨肉野菜鍋が煮えてきた。
朝陽が射しこんで山毛欅の森が輝く清々しい朝となった。
焚火を起こしたり、朝飯はもちろんコーヒーを沸かしたり、直ぐ濡れるのに靴下やスパッツを炎で暖めたりなど
なかなか出発できない。
起き出して3時間を過ぎてからやっと歩き出した。
二股を左にとって南下し、次は右にとって北上する。
奥美濃の源頭から稜線へ出るのにこんなカンタンでいいのだろうか?
それなりの急登と薄いヤブを漕いで神又峰東の稜線に出た。
初めての神又峰 三角点と頭上の標識だけでそれを認識する。
次は、雪の稜線から訪れよう。
稜線への詰めより、ここから渓への下降点までの方がヤブが鬱陶しかった。
西方に見えた近江の山が元気をくれた。
中ツ又谷は神又谷以上の平流だった。
少しの連漠帯もゴルジュもなく、それ以外はミラー反転とは流石の分かり易い表現だ。
この穏やかな平流だが、穏やかに降ったのは途中までで、あとはいつものごとく日没との競争になってしまった。
と言っても慌てることな全くない。いつものとおりだから・・・
しかし、5連発の核心部が気にはなったのだ。
一発目は落陽の残光を頼りに右岸を灌木をロープ代わりに降りた。
二発目は真っ暗な中、少し難儀した。よくよく落口から左岸右岸を監察して左岸をトラバースしながら降りた。
三発目は同じく落口から見ると右岸にトラロープが見える。上部の結び目が危うそうだったが木と併用して降りる。
四発目は右岸、最後の1m余りが暗くて分からず、お助けロープで降りた。
「いつでも来いや~五発目」と気合いを入れて河原を歩いていたら橋が見えてきた。
午後7時、いつになく無難に二日間の行程を完遂した。
では また どこか 錦秋の山肌を映す滝つぼのほとりで (長いなぁ~)
SHIGEKI