【日付】2019年9月3日(火)
【山域】鈴鹿/瀬川谷
【ルート】小又谷駐車場-瀬川谷出合-サンヤリ-天狗堂-君ヶ畑林道-駐車場
【天候】晴れ、時々曇り
【メンバー】単独
日曜日の沢行企画に参加予定だったのだが、天候が曖昧なこともありモチベーションがドンビキで、ドタキャンさせてもらった。
ところが予報は上方修正で今週は猛暑のぶり返しだとか。そうなると、水が恋しくなる。食べそびれた御馳走をいただこうと、晴れ間違いなし予報を見て決行を決める。
とはいえ、平日となれば相棒、介護人なしの単独行。ヤバイ沢には入れない。そこで脳裏にへばり付いていた沢を思い出す。S氏に「お墨付き」を頂いていた瀬川谷だ。「そんな谷、どこにあるの?」と聞いたら、「近江に住んでいながら知らんとは、お前はモグリか?」…とまでは言わないが、沢屋、釣師にはよく知られた名川らしい。
暑いうちに一度は訪ねてみよう…と思いながら、いつの間にか秋の声が聞こえる時期になってしまった。暑さ復活というから、今がラストチャンスだろう。
君ヶ畑から林道を走り御池川と小又谷との分岐にある駐車場に8時前。驚いたことに、以前は単なる空き地だった駐車スペースが境界柱とロープで仕切られた立派な「駐車場」に変貌しているではないか! おまけに小又谷側にも新たなスペースが整備されている。これなら数十台が余裕で停められる。それほどの車がやってくる人気エリアかな?とは思うが、有料駐車場オンリーの隣県側と比べたらありがたいもんだ。
ちなみに、本日の駐車は我が車以外には1台のみ。ま、平日だもんね。
さて、支度に…掛かり始めて、?????
沢用のウエットスーツがない! スパッツもない!
一気にベクトルが低下する。もう帰ろうかな…(゜o゜)
でも、せっかくここまで来たんやから、沢の入り口辺りまででも行ってみるか?
結果、沢足袋に半ズボン、半袖シャツ。足元が少し心配だが、ヘルメットもいらんやろ。
河原に降りて御池川を遡上。この辺りは平流で大きく蛇行している。前夜に雨でも降ったのか水に勢いがある。河原を歩いたり、流れを楽しんだりしながら30分ほど進むと前方に堰堤が現れた。手前の左岸にコンクリートの階段がある。登ると立派な小屋。御池林道からT字尾根への登山口になっている・603標高点から御池川に突出した支尾根のあたりだ。小屋の横に広い道が続く。降り口の標示から御池川に出ると、その向かい側が瀬川谷との出合だった。
さあ、どうしよう? ここの写真だけ撮って引き返そうか?
出合には2mほどの滝が白波を立てている。右横から上がると、その奥にもちいさな斜瀑が誘ってくれる。まだ8時半をまわったところ。もう少し進んでみましょう。
右岸の目の上に巻き道が付いている。でも怪しい丸木橋…。これなら沢を進んだほうが安心だ。
階段状の滝、CS滝、斜瀑など連続するがみんな1~3mの小滝ばかり。なのに、大きな釜や淵を抱えている。今日はスーツも無いので濡れていいのはヒザ上10cmまで!と決めているが、暑い日は冷水浴が嬉しいだろう。
前方に動くもの発見! よく見ると釣師のようだ。こりゃ、邪魔したらいかんな。左岸の巻き道へ上がってそーっと通過する。
この巻き道(急斜面の踏み跡)、結構ヤバいがそれほど高度はないので、釣師が見えなくなるまで進んでから谷に降りる。
両崖がV字に切れ込んだゴルジュにやってきた。左手の右岸中段から古い残置ロープが下がっているが、使う気にはなれない。淵が深そうだがなんとか股下くらいで通過できそう。そう思って、いつもは足元の石が動いてドブンとなる。だから今回はいっそう慎重に通過。
ゴルジュにひっかった倒木を越えて、続く段滝をクリア。短いが磨かれた滑り台のような滝もある。
平流の前方が怪しい…と思ったら左折した谷の上から5,6mの水が落ちている。本日最高?かも。もちろん登れないので、左岸の小ルンゼから巻く。ここが一番の高巻きとなるが、この滝の上の同規模の平滝も眺めながら巻いてしまう。
あれ?こんなところまで来てしまっていいのか? この時点なら選択肢はいろいろだ。
①この辺で谷筋を引き返す。
②サンヤリまで詰め上がる。
③北側の尾根下に伸びてきている林道に逃げる。
④右岸の適当な支尾根から天狗堂の尾根に上がる。
時間はあるので、結論は後回しにしている。③は左岸が急斜面なので逃げるのはco750mくらいからだろう。④は尾根のヤブがどんな具合かわからない。①は最悪の場合にして、とりあえずこのまま谷筋を詰めましょう。
だんだん水量も減り気味に。休憩を入れながら、どこかでランチに?と進むと二股にぶつかる。GPSで確認するとco790mの二股だった。
右俣に3mほどの滝が懸かり、その上は平流が続いているようだ。これを進んで回り込んでサンヤリへ、という選択肢もある。読んだレポでは二股の間の支尾根に取り付き山頂へ登っている。左俣のレポはなかった。しかし、尾根はキツそうなので、左俣を行くことにする。
水量はすっかり少なくなる。それでも涸れずに谷を形作っている。出てくる小滝は感謝をこめてできるだけ直登していく。黒い岩盤を辛うじて流れ落ちる水。草付きのために履いたチェーンスパイクが邪魔だけど、そのまま岩盤に取り付く。
斜度が上がりさすがに無理な時は横の斜面に逃げる。
最後の二股を右に進むとブナに迎えられ、サンヤリ山頂東側の稜線に出た。2、30mで山名板の立つ山頂へ。
結局、②を選んだ結果となった。12時25分。駐車場から4時間20分。元気な人なら3時間ほどで到達できるだろう。ロープなど登攀具、保温着衣などなしでも楽しめる初級者の谷といえる。
- 展望岩から御池岳方面
下山は郡界尾根を天狗堂へ向かい、岩合谷右岸の登山路で君ヶ畑林道へ。25分歩いて駐車場に16時30分。
そうそう、ランチは結局、天狗堂ピーク手前の鞍部で。巨ブナが数本、御池岳を背景に立ち並び、野鳥のさえずりを聴きながらの木陰のテラスでした。
★じつは、天狗堂から東に延びる尾根を下るつもりだった。co900あたりまで下ってみたが、シャクナゲとアセビなどのヤブが濃く、情報も無かったので断念。登り返して事なきを得た。約1時間のロス。
★サンヤリ山頂には山名板以外はないので、天狗堂へのルートの取付きが分りにくい。真南に下りながらやや南東に進めば良い。・924ピークも左に踏み跡があるがすぐ行き止まり。
★瀬川谷ピストンなら御池林道の・603下の路側に駐車して御池川へ下ったほうが早い。
★ヒル被害 発見数匹、吸血2ヶ所。秋になってもヒル除けスプレーなど必携です。
~biwaco