日 程: 8月10、11日
天 候: 晴れ
場 所: 清浄ヶ原
コース: 新岩間温泉駐車場(06:20)~丸石谷林道(08:10)~池(15:15)~泊(15:40/05:15)~丸石谷(06:00)~加賀禅定道~七倉ノ辻(09:00)~楽々新道~新岩間温泉駐車場(14:00)
http://maps.gsi.go.jp/#15/36.1961/136.7 ... c1j0l0u0f0
清浄ヶ原への出立の準備をいたし、新岩間温泉に向かうも、深更に至る。
車中にて軽く床に就けば、早、夜明け。急ぎザックを背負いて林道をひた歩む。
もとより覚悟の上なれども待ち受けるはオロロの一群。
かような騒々しさを受くるほどなれば、サイレントなる春も厭わじと思いしはわれ等の勝手千万。
林道進み、清浄ヶ原より北へ延びる尾根末端から取り付けば、人の手になりし切り開き。
令和の御世や、清浄ヶ原にては熊撃つことあたわず。何用あってか、かようなる道開きける。
道あれども、背には重き背嚢背負いつつ、息も絶え絶えなる急傾斜。
枝につかまり、地を這いつつ、ようよう1550m台地へ至る。
さて、眼前に広がるは笹、笹、笹。
熊どもの道、かならずや続くはずと辺りを見れば、右手、傾斜脇に明瞭なる道。
しばし道を進めども、いかなるかな気の迷い。尾根状地形に迷いこむ。
一面笹の海の中、只管に南南西に進めば漸くにして沢状地形に至る。
わずかばかりの流水も期待せし、地形図にて円弧描きしこの地形。
ゴーロ状なる、おおよそたまり水ばかりの涸れたる沢なれども、笹はなく、時折わずかな流水。
快なるかな快。
沢は涸れ、南西に向かいて笹の海を延々泳ぐ。明瞭なる熊道、いづくにかあらん。
高点1851の北東にて再び沢状地形に至る。ここに至れば目的の池まではわずかである。
行くべし乎、行かざるべし乎。迷うたところで、進まねば下山はできぬ。
足を引きずり、笹を掻き分け、清浄ヶ原にたたずむ池に至るも目の前には笹のまにわずかなよどみ。
何たることかと愕然せしも、もとより己が読図の空騒ぎ。
さて、高点1840より分岐せし丸石谷の支流に降り、等高線1950mあたりにてわずかに広がる草の原。
辺り一面の草地期待せしももの、腰丈なる笹に覆われる。
清浄ヶ原とは往年よりかような地なるか、土の乾燥、笹の侵攻によるものなるか。
予定より遅くなりしが、幕を張り、夕餉の支度。
熊におびえつつ、熊どもの巣にて幕営いたすはいかなる酔狂であるか。
夜半、外に出てみれば天に満つる星々。山中にて星を眺むるはいつ振りであろうか。
辺り薄暗きころ、寒さにて目を覚ます。腹ごしらえをしてのち、いかに登山道に向かうべし。
出立時には清浄ヶ原の北西面を検討せしものの、そこに広がるはわずかなる草地と一面の笹とシラビソ。
池塘を探し徘徊しつつ南方へ向かう。途中わずなながらの池塘群に歓喜す。
これをもってこの山行よしとすべしや。
丸石谷に降りし後、対岸の加賀禅定道にのる。
振り返れば清浄ヶ原の広き台地。わが歩きし場所は彼の一端に過ぎぬ。
これよりの下り、加賀禅定道からの誘惑に駆られしも、この蒼き空の下早々に下山しては申し訳が立たぬ。
七倉の辻へ道すがら、清浄ヶ原を眺めてみれば高点1976より左俣を進むのも宜しきコース取りに見受けられる。
七倉辻にて腰を下ろして大休止。山ガールなるものとの遭遇期待せしものの、その気配微塵もなし。
釈迦新道方面にはなにやら通行止めの看板。なればこそ一層静かなるか。
重い腰を上げ、これよりは只管楽々新道を下るのみ。
下り進んでいけば前方より怪しきひげ面、何ヤツなるかと思えば彼のビワ氏。
こちらのコース、ビワ氏のコースなど、たわいなき雑談にて同行者の時間拝借す。
ビワ氏は周回取りやめ今宵も小桜平。かの場所ならば快適なる一夜が約束されていよう。
氏と分かれて後も先の長き道。昨日の疲れに今日の疲れ。登山口未だしかと思い、幾度も腰を下ろす。
下方は二次林なれば林層やや貧弱なれどもときに巨木がわれを励ます。
眼下に丸石谷林道が見えれば、登山口まではわずかである。
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