鈴鹿の小岐須渓谷周辺には,池ヶ谷,ヤケギ谷,紺屋谷,大岩谷,松の木谷など手軽に沢登りを楽しむことができる谷が幾つかあるが,夏はヒルの巣窟になるので,これまでは早春か晩秋などヒルの活動時期を避けていくのが常であった。しかし,先日は山日和さんが大岩谷に行っているし,SWさんもヤケギ谷へ行っている。まあ,梅雨時期であっても沢中にはヒルはいないので,気をつければ大丈夫かと思い,行ってみることにした。
ヤケギ谷は,沢登りを始めた2012年に単独で行ったことがあり,それ以来の2回目であると思っていたのだが,このレポを書く前に調べてみると2014年にたろーさんと一緒に行っていることが分かった。2014年は3月1日に遡行しており,その時は上の方はまだ積雪があった。
【 日 付 】2019年7月8日(月)
【 山 域 】鈴鹿・小岐須渓谷
【メンバー】単独
【 天 候 】曇り
【 ルート】 大石橋駐車地 8:41 --- 9:15 核心の10m滝 --- 10:05 co640m二俣 10:27 --- 11:06 登山道横断 --- 11:53 宮指路岳 12:45 --- ヤケギ谷道 --- 13:55 駐車地
短い谷なのでのんびり歩いても早い時間に帰ってこれるだろうと思い,ゆっくりと自宅を出る。さすがにこの時期の平日の小岐須キャンプ場の駐車場は車が一台もない。トイレを済ませ,キャンプ場の駐車場で沢装備をする。大石橋で準備してもいいのだが,ヒルが心配だったのだ。
大石橋で身支度を整え,出発。大岩谷に通じる林道に入り,最初に合流してくるのがヤケギ谷だ。ヤケギ谷道に入り,堰堤を一つ越えてから入渓する。ここまで5分ほど。沢に入ってしまえばヒルはいないので,この谷はヒルに遭遇する確率の低い谷であると言っていいだろう。
谷の中は透き通った美しい水の流れ。入渓してすぐに3,4m程度の登りやすい斜滝が幾つか連なって出迎えてくれる。流れの横を登ってもいいのだが,せっかくなので流れの中を選んで登っていく。水は冷たくはなく気持ちいい。やっぱり沢はゴー路を歩くよりは滝を登る方が楽しい。前回登った記憶が全くなくなっているので,いつも新鮮に登ることができる。忘れるというのはいいことだ。それにしてもヤケギ谷,いい谷だねえ。
- 核心の10m滝
連続した斜滝を過ぎるとゴルジュの中に核心の10m滝。この滝が登れるかどうか分からなかったので,一応登攀道具一式を持ってきたのだ。一見登れそうにないが,試しに右下に取り付いてみると,いい具合にホールドがあり,登れそうだ。岩は滑っていないし,ホールドはしっかりしている。そのままフリーで登ってみると意外に簡単に登ることができた。帰宅して調べてみると,たろーさんと行った時もフリーで登ったことが分かった。すっかり忘れていたのだ。
10m滝の上流も直登できる斜滝や時折ナメが出てきて飽きない。
7m末広滝。流れが幾筋もの白い糸になって広がりながら落ちている。端正で美しい滝だ。取り付きがちょいむずでどうしてもシャワーになってしまうが,取り付いてしまえば後は簡単に登ることができる。
- 7m末広滝
co640m付近の二俣で休んでいると右俣に見覚えのある10mCS2条滝が見える。うっかりすると直進してしまいそうだが,右俣が本流だった。ヤケギ谷ではこの2条滝だけは直登不可能。アカガシの落ち葉で滑りやすい左岸斜面を巻いていく。
- CS2条滝10m
その上がヤケギ谷名物の40m大ナメである。ナメというよりは斜滝といった方がいいだろう。CS2条滝を下にしてほぼ一体化した滝なので,全体を合わせると標高差60mほどの大滝である。上部は簡単に歩いて登ることができるので気持ちがいい。
- 気持ちのいい源流部
大ナメの上流は一挙に源流らしい緩斜面になり,ヤケギ谷登山道が横切る。単独男性が登山道を下っていく。さすがに鈴鹿,梅雨の季節の平日でも歩く人がいるんだ。小川状になった谷をのんびり遡行していく。時折,斜滝があらわれてアクセントになる。水が枯れてから5分ほどもアセビの間を登るとそこが宮指路岳の頂上だった。
- 大ナメ
風もなく,暑くもなく気持ちがいい。こんな平日ののんびり沢行,昼寝でもしていこう。昼食を食べ,のんびりしていると三重県側からガスが上がってきて,ついでに気温も下がってくる。濡れた体が冷えてきたのでそろそろ降ろうか。
下はヤケギ谷コースをおとなしくたどる。ほとんどが山腹を巻くコースだが,アカガシの落ち葉が積もって,沢靴では滑らないように気を使う。やっぱ登山道よりも沢を歩く方が楽しいし,気を使わなくても済む。こんなに登ったっけと思うほど下るとようやく入渓地点に戻った。ここから2,3分で大石橋だ。
今日はヒルに合わなかったなと思って足元を見ると,なんのことはない4匹のヒルが沢ぐつの上を這っている。早速ヤマビルファイターで撃退。さらに地面を這っていた2匹も撃退。これで終わりかと思って着替えながら何気なくお腹を見ると,へその上に黒褐色の大きいやつが寝そべっている。薬をかけて落とすと,へその上に赤い斑点が残ったが,血は出ていない。ちょうど牙を立てたばかりだったようだ。
自宅に帰り,沢装備の後片付けをしているとさらに2匹をお持ち帰りしたことが分かった。そのうちの1匹は超巨大なやつ。こんな大きいやつは初めて見た。
最後のヒル騒動は余計だったが,ヤケギ谷はほとんどの滝を直登することができ,しかもそれほど危険ではないので,のんびりと沢登りを楽しむにはいい谷だと再認識した。とくに源流部は気持ちのいい小川状になり,やぶこぎなしに頂上に到達できる点,完成度の高い谷であった。
鈴鹿の小岐須渓谷周辺には,池ヶ谷,ヤケギ谷,紺屋谷,大岩谷,松の木谷など手軽に沢登りを楽しむことができる谷が幾つかあるが,夏はヒルの巣窟になるので,これまでは早春か晩秋などヒルの活動時期を避けていくのが常であった。しかし,先日は山日和さんが大岩谷に行っているし,SWさんもヤケギ谷へ行っている。まあ,梅雨時期であっても沢中にはヒルはいないので,気をつければ大丈夫かと思い,行ってみることにした。
ヤケギ谷は,沢登りを始めた2012年に単独で行ったことがあり,それ以来の2回目であると思っていたのだが,このレポを書く前に調べてみると2014年にたろーさんと一緒に行っていることが分かった。2014年は3月1日に遡行しており,その時は上の方はまだ積雪があった。
【 日 付 】2019年7月8日(月)
【 山 域 】鈴鹿・小岐須渓谷
【メンバー】単独
【 天 候 】曇り
【 ルート】 大石橋駐車地 8:41 --- 9:15 核心の10m滝 --- 10:05 co640m二俣 10:27 --- 11:06 登山道横断 --- 11:53 宮指路岳 12:45 --- ヤケギ谷道 --- 13:55 駐車地
短い谷なのでのんびり歩いても早い時間に帰ってこれるだろうと思い,ゆっくりと自宅を出る。さすがにこの時期の平日の小岐須キャンプ場の駐車場は車が一台もない。トイレを済ませ,キャンプ場の駐車場で沢装備をする。大石橋で準備してもいいのだが,ヒルが心配だったのだ。
大石橋で身支度を整え,出発。大岩谷に通じる林道に入り,最初に合流してくるのがヤケギ谷だ。ヤケギ谷道に入り,堰堤を一つ越えてから入渓する。ここまで5分ほど。沢に入ってしまえばヒルはいないので,この谷はヒルに遭遇する確率の低い谷であると言っていいだろう。
谷の中は透き通った美しい水の流れ。入渓してすぐに3,4m程度の登りやすい斜滝が幾つか連なって出迎えてくれる。流れの横を登ってもいいのだが,せっかくなので流れの中を選んで登っていく。水は冷たくはなく気持ちいい。やっぱり沢はゴー路を歩くよりは滝を登る方が楽しい。前回登った記憶が全くなくなっているので,いつも新鮮に登ることができる。忘れるというのはいいことだ。それにしてもヤケギ谷,いい谷だねえ。
[attachment=7]P7080008.jpg[/attachment]
[attachment=6]P7080011.jpg[/attachment]
連続した斜滝を過ぎるとゴルジュの中に核心の10m滝。この滝が登れるかどうか分からなかったので,一応登攀道具一式を持ってきたのだ。一見登れそうにないが,試しに右下に取り付いてみると,いい具合にホールドがあり,登れそうだ。岩は滑っていないし,ホールドはしっかりしている。そのままフリーで登ってみると意外に簡単に登ることができた。帰宅して調べてみると,たろーさんと行った時もフリーで登ったことが分かった。すっかり忘れていたのだ。
[attachment=5]P7080021.jpg[/attachment]
10m滝の上流も直登できる斜滝や時折ナメが出てきて飽きない。
[attachment=4]P7080025.jpg[/attachment]
7m末広滝。流れが幾筋もの白い糸になって広がりながら落ちている。端正で美しい滝だ。取り付きがちょいむずでどうしてもシャワーになってしまうが,取り付いてしまえば後は簡単に登ることができる。
[attachment=3]P7080057.jpg[/attachment]
co640m付近の二俣で休んでいると右俣に見覚えのある10mCS2条滝が見える。うっかりすると直進してしまいそうだが,右俣が本流だった。ヤケギ谷ではこの2条滝だけは直登不可能。アカガシの落ち葉で滑りやすい左岸斜面を巻いていく。
[attachment=2]P7080065.jpg[/attachment]
その上がヤケギ谷名物の40m大ナメである。ナメというよりは斜滝といった方がいいだろう。CS2条滝を下にしてほぼ一体化した滝なので,全体を合わせると標高差60mほどの大滝である。上部は簡単に歩いて登ることができるので気持ちがいい。
[attachment=1]P7080077.jpg[/attachment]
大ナメの上流は一挙に源流らしい緩斜面になり,ヤケギ谷登山道が横切る。単独男性が登山道を下っていく。さすがに鈴鹿,梅雨の季節の平日でも歩く人がいるんだ。小川状になった谷をのんびり遡行していく。時折,斜滝があらわれてアクセントになる。水が枯れてから5分ほどもアセビの間を登るとそこが宮指路岳の頂上だった。
[attachment=0]P7080089.jpg[/attachment]
風もなく,暑くもなく気持ちがいい。こんな平日ののんびり沢行,昼寝でもしていこう。昼食を食べ,のんびりしていると三重県側からガスが上がってきて,ついでに気温も下がってくる。濡れた体が冷えてきたのでそろそろ降ろうか。
下はヤケギ谷コースをおとなしくたどる。ほとんどが山腹を巻くコースだが,アカガシの落ち葉が積もって,沢靴では滑らないように気を使う。やっぱ登山道よりも沢を歩く方が楽しいし,気を使わなくても済む。こんなに登ったっけと思うほど下るとようやく入渓地点に戻った。ここから2,3分で大石橋だ。
今日はヒルに合わなかったなと思って足元を見ると,なんのことはない4匹のヒルが沢ぐつの上を這っている。早速ヤマビルファイターで撃退。さらに地面を這っていた2匹も撃退。これで終わりかと思って着替えながら何気なくお腹を見ると,へその上に黒褐色の大きいやつが寝そべっている。薬をかけて落とすと,へその上に赤い斑点が残ったが,血は出ていない。ちょうど牙を立てたばかりだったようだ。
自宅に帰り,沢装備の後片付けをしているとさらに2匹をお持ち帰りしたことが分かった。そのうちの1匹は超巨大なやつ。こんな大きいやつは初めて見た。
最後のヒル騒動は余計だったが,ヤケギ谷はほとんどの滝を直登することができ,しかもそれほど危険ではないので,のんびりと沢登りを楽しむにはいい谷だと再認識した。とくに源流部は気持ちのいい小川状になり,やぶこぎなしに頂上に到達できる点,完成度の高い谷であった。