【若狭】茶屋谷からWLそして山毛欅の尾根を行く
【日時】2019/05/18、19(土、日)
【山域】若狭 耳川周辺
【天候】18日 強風曇時々晴れ 19日 強風 晴れ
【コース】5/18 P9:15-茶屋谷二股-ca830山毛欅の森-甲森谷14:00-WLテン場
5/19 テン場11:40-稜線13:45/14/35-峠15/50/16/10-P 16:50
5年ぶりに折戸谷林道奥の広場にやってきた。
当時も何度かここから山毛欅の尾根や栃の谷を歩いた。
今回は、山日和repに触発されて茶屋谷からWLへ降り立ちゆっくりしようという目論見だ。
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以前はなかった倒木を越えると懐かしい光景が広がった。
田舎者の不肖Sは炭焼きの情景が微かな記憶に残っている。
だからなのかどうかは分からないが、二股周辺はどこか懐かしみのあるホッとする風景だ。
このまま右俣を詰めてもいいのだが、以前歩いているし、間の尾根がこれ以上ない位取り付きやすい末端で媚びを売っている。
道がないからとこれを避ける理由はない。
尾根が北西から北へと方向を変える頃から強風が吹き荒れた。
最初は汗ばんだ体を冷やしてくれてちょうどいい程度に思っていたが、山が鳴りだした。
こんなところで風に倒れた山毛欅の下敷きになったら、永遠に発見されない。
山毛欅の倒木が自然の墓標となるだろう。息絶える前にイニシャルの一つでも山毛欅の樹肌に彫り込んでやろう。
いや、そこまでの山毛欅フリークではない。
新緑の低木を片手でコグ程度のヤブを抜けるとca830山毛欅の森だ。
南端の倒木に座り込んでうつらうつらしていると、何と人が現れた。
しかも4人もだ。
先頭の男性は軽く会釈してさっさと行くし、少し離れた3人も挨拶してナンノ愛想もなく歩き去ろうとする。
「えっこんなところで人に出会ってどこから登ってきたとか、どちらへとかそういうの思わないんっすか~」
不肖Sよりはちょっと(かなりと感じたが・・・)先輩の方々、こちらから話しかけると芦谷岳までは行かず、
P806から稜線を林道方向へ戻るとのことだった。
鉄塔巡視路からP795の尾根を来られたのだろう。
山毛欅の森の北端から何とか尾根を降り、谷に降り立った。
ここでショートの登山靴から20年前に潰れる直前の釣具屋で買った1500円の鮎足袋に履き替えて谷中を行く。
不肖Sの行動食を狙ってイタチがウロチョロしている。
大産岩室の滝はいつもの右岸根っこに支点を取り懸垂偵察
水量は連休時より減ってはいるが、けっこう濡れてしまいそうなので登り返して、更に右側の灌木2本を支点にした。
またもややってきましたWL、今夜はさるはし谷との二股を見下ろす右岸台地をねぐらにしよう。
ここは、kasayaさんや雨ちゃんも一夜を明かしているはずだ。
不肖Sもここで寝るのは3年ぶりだが、今回は倒木で台地が塞がれているのでノコギリでスペースを確保し、ついでに薪とした。
倒れているとは言え、まだ生木状態のもありましたが、山日和さん怒らないでくださいネ。 (19年前の鈴鹿ネタ)
渓の夜は焚火と酒だ。
今夜は地元の「松の司」産土(うぶすな)安価でかなり旨い。
『焚火の炎が桂の樹形を浮かび上がらせ、いつしか瀬音だけがほのかな月光の森に谺していた。渓のなかには流れがあり、
森があり何物にも代えがたい癒やしがある。』
思いだしたようにやってくる風の玉が谷を鳴らし、いい加減に張ったツェルトを吹き飛ばそうとする。
とてもおちおち寝てなんかいられないが、気がついたら小鳥がさえずる気持ちのいい朝を迎えていた。
ゆっくり過ごして目の前の急登に取り付く。
樫の木?のコバから石庭を越えるとしばらくで山毛欅の森となった。
稜線にでるとまたもや怖い位の強風が吹き荒れていた。
尾根芯の少し西側を歩いて風を避け、山毛欅に酔い、2年あまりで4万キロの道中を友にした相棒の待つ林道へと歩を進めた。
では また どこか 風に吹かれて
SHIGEKI