【日付】 2018年5月27日
【山域】 剱岳
【メンバー】 登り単独/下りパーティー
【天候】 晴
【コース】馬場島駐車地4:40---林道終点5:20---雷岩6:40---西仙人谷出合12:00---11:40小窓12:00
---西仙人谷出合13:20------雷岩14:30---林道終点15:50---馬場島駐車地6:10
久々のレポです、しかも賞味期限切れですがお許しくだされ。
さて、10年以上前のことだろうか剱岳のそそり立つ岩の回廊の長い雪渓の写真を見て、いつか行ってみたいと憧れていた。
その谷の名は仙人谷、剱北方稜線の小窓から西にのびる谷である。数年前にひょんなことからこの谷へのお誘いがあって参加
したのだが、思わぬトラブルで中止となってしまった。そして今年、再びお誘いをいただいたので懲りずに出かけてみた。
- まずは大窓を目指して雪渓を進む
「ワシら4時に出発するでよっかたらおいで、返事はいらんよ~」というのがお誘いの言葉だった。馬場島荘駐車場で前夜から
車中泊、定刻を過ぎてもメンバーが来ないので、林道をもっと奥に進むとメンバーはすでに出発していた。仕方ない、彼らの後
を追うとしよう。
林道終点からは高巻きの連続となり、気を抜いて足を滑らすと大変なことになる。標高差200m近い尾根の乗越ですでにバテて
しまい、小窓まで届くのだろうかと心配になる。高巻を終えて谷に降りると目の前に大きな岩が現れた、雷岩だ。池ノ谷に入るに
はここから小窓尾根を乗越すらしい。
- いよいよ小窓が見えてきた、でも遠い
雪渓が始まっている雷岩周辺が一番の難所のようだが、白山のワケのわからん雪渓を歩き慣れているたんぽぽにとってこんなのは
ワケなく通過した。幸い一度雪渓の上に出ると雪はずっと繋がっており、雪渓歩きとなると俄然元気が出てきてどんどん前進して
いく。遥か前方にはメンバーの姿も補足できた。
東仙人谷を左手に見送るとすぐに中仙人谷と西仙人谷の分岐である。雪崩で形成された大きな雪山を乗越すとそこは西仙人谷の
入り口。クランク状に曲がる面白い地形は別山谷左俣、南白山へ登る雪渓を思い出させる。目の前には待望の巨大な岩壁がそそり
立ち、しばらく見とれてしまった。
- 毛勝三山に励まされて最後の頑張り
しばらくして長大な雪渓の遥か向こうに三ノ窓が見えてきた、あそこまで登るのに一体どれだけ時間がかかるのだろうか。
登れども登れども三ノ窓は近づかず、先行パーティーとの距離も縮まらない。標高2,000mに届く頃になるといよいよ酸欠状態に
なりいっそうのペースダウン。背後に聳える毛勝の山々に励まされてやっとのことで雪渓末端に到着。アイゼンを外せばひと登り
で小窓に出た。穏やかな後立山のパノラマが広がり、見上げれば天高く聳える小窓の王をガスが流れている。
結局、先行パーティーに追いつけず、ここでようやくN氏と数年ぶりの再会も果たすことができた。
剱というと身構えてしまいがちだが、登ってみれば特に緊張するような場面もなく、長丁場に備えて早立ちさえすれば何も問題
がない雪渓歩きだった。
- みなさん先輩ばかりですがとてもパワフル