- ピクニックポイントから見たTabletop Mountain
私が住むToowoombaはオーストラリア・クイーンズランド州の州都ブリスベンから西(内陸部)に130キロほど入った人口約16万人の田舎町である.標高600〜700mの山上台地に作られた町で,そのため亜熱帯地域であるにもかかわらず冬は寒いくらいである.ちなみに今週は最高気温17度,最低気温1度程度である.紫外線が強いので,日中陽が当たると暑いくらいだが,日没とともに気温が見る間に下がっていく.
周囲はなだらかな丘陵地帯で,公共交通機関があまりないので,車がないとどこにも出かける気にならない.Toowoombaの町の東側にTabletop Mountainという標高600mほどの山がある.Toowoomba市内の最高地点のピクニックポイントの標高が約700mなので,ピクニックポイントから見ると山頂を見下ろす感じになる.そんなことでこれまであまり登高意欲をそそられなかったのだが,7月14日の予定がぽっかり空き,しかも素晴らしい晴天になったので,運動がてら行ってみることにした.
【 日 付 】2018年7月14日(土)
【 山 域 】オーストラリア・クイーンズランド州南東部
【メンバー】単独
【 天 候 】快晴
【 ルート 】自宅 8:17 --- 9:36 登山口 --- 10:02 Tabletop Mountain 11:23 --- 11:48 登山口 --- 13:09 自宅
- 自宅前
朝8時に自宅を出発.サウスストリートを東にまっすぐ歩いていく.Toowoombaは比較的新しい町で,道路が南北に碁盤の目のように走っているので,東西南北さえわかればまず迷うことがない.道の両側は平屋建ての住宅が並ぶ住宅地である.土地が有り余っているので,2階建てにする必要がないのだ.どの住宅もびっくりするほど広い芝生の庭を持っている.ピクニックポイントのあたりが最高地点になり,それを超えると一気に下っていく.道は舗装路から地道になり,標高400m近くまで下るとそこが登山口だった.自宅から約1時間半.もう何台か車が止まっている.
ここからは岩の多い登山道の登り.単純な登りかと思ったら,一旦小ピークに登り,そこからコルに下りて再度登るというパターンだった.小さな子供連れとすれ違ったり,さっき車で追い越して行った中年女性二人連れを追い越したり.挨拶を交わしながら登っていく.
空気が乾燥していて,気温も適当に低いので,快適に登ることができる.最後の岩場を登りきるとそこが頂上だった.登山口から約30分.頂上台地はTabletop Mountainの名前通り平らな台地状になっており,御池のテーブルランドをミニチュアにしたような感じ.
台地の周囲が周回路になっているので,反時計回りにブラブラ歩いてみる.標高は低いが,独立峰なので360度のパノラマである.そのまま降りてもつまらないので,途中の景色のいいところで腰を下ろして休憩.風もなく,暑くも寒くもなく気持ちがいい.最高の天気である.ビールでも持って来ればよかった.
土曜日なのでどんどん人が登ってくる.ハイキングの人たちが大半だが,中にはちゃんと日帰り用のザックを背負った人たちもたまにはいる.1時間ほどのんびり景色を楽しんだのち,ゆっくりと降り始める.それでも30分ほどで登山口に着いてしまった.
もと来た道をそのまま戻り,午後1時過ぎには自宅に帰着した.そのあとは自転車で町に出てちょっと買い物し,ベランダでビールを飲みながらのんびり過ごす.行き帰り2時間ずつの街歩きと山歩き.久しぶりにちょっぴり山歩き気分を味わうことができて楽しかった.こんなことならもっと早くに行っとくんだった.
オーストラリアでの3ヶ月の滞在予定も,もう残り1ヶ月を切ってしまった.これまでの2ヶ月間のオーストラリアでの生活で自分は何を得たのだろうかと自問自答する.1家4人でハンガリーから移住し,必死にオーストラリアという国に順応しようとしているレベンテ一家の姿を間近に見ながら,彼らの目から見たオーストラリアや自分の目で見たオーストラリアを考えることで何かを感じることができればそれでいいじゃないかという気がする.もちろん自分の専門分野の学問でも,何かを得ようともがいているのではあるが.