【日 付】2018年7月1日(日)
【山 域】福井
【天 候】晴れ
【メンバ】副館長、K氏、kasaya
【コース】横谷川終点7:58---9:23甲森谷出合---11:20二股---13:24ca860---13:52 庄部谷山---15:40林道---15:45駐車地
今日は久しぶりの甲森谷。当初、夜叉ヶ池に行く話も合ったが、暑そうなので沢歩きに変更。当日奥揖斐あたりは大雨警報が出ている。天気に関しては福井にして正解だった。
横谷川の林道を行くと終点近くに先行車がいる。何度か訪れたことのあるこの地だが、自分たち以外の人に会うのは初めて。終点近くの林道が通れなくてちょうど戻ってきたところだった。話をすると同じく甲森谷で芦谷山の方へ行くとのこと。地元の人の様でこの耳川流域をかなり歩いている感じだ。
ゆっくり準備をしているその人たちに挨拶してさあ出発だ。今回副館長は渓流シューズと沢用スパッツを新調している。K氏はゴム底のスニーカーみたいな履物。そして自分は釣具店で買った沢足袋。足元は皆ばらばらであり、先ほどの人たちとはずいぶん出で立ちが違う。
最初は横谷川本流沿いにつけられた道を行くが堰堤を過ぎたところで沢に入る。ちょうど林道が終わる処でもあるがここから巡視路が現れたり消えたりする。水の中を行く分には巡視路は関係ないが深くなっているところで水流から外れると不意に鉄製の足場が合ったりして巡視路だと分かる。そしてとても使えなさそうな吊橋も。来るたびにこうした巡視路がひどくなっている気がする。これはもう使わなくて久しいのか。
今回沢歩きが初めてというK氏は慣れないのと多少足元が滑るのか遅れがち。それでも甲森谷入り口には時間ほど到着。ここで初めての休憩。いつものごとく副館長から大福の差し入れがある。うまい。他にも差し入れがありゆっくしていると先ほどのパーティーがやってきた。自分らの予定コースを地図で見せると斜面が結構急だし巡視路もどうかなあなどと言う。確かに、急なことは承知だけど。ちょっと休憩しているその人たちに先立って出発するがすぐに抜かれてしまった。速いなあ。
甲森谷は入口辺りではまだ栃とカツラのワンダーランドにならないが進むにつれて大きな木が現れ始めて雰囲気がよくなる。道はあくまでも緩やか。適度な流れのなかを歩いていく。上空は青空ものぞいているが木が茂っているので暑くもなく気持ちいい。やっぱりここは沢歩きに最適だ。
そしていつもの大きな窯跡に着いて休憩とする。ここが初めてのK氏も結構気に入ってくれた様子。そのK氏を誘い高台に登るとドーナツのような窯跡が眺められる。ここへ来るたびに見ているがなんとなく面白い景色である。
時刻は11時ごろ。ランチはこの先の二股と決めて出発だ。まだまだワンダーランドは続き、大木を眺めながら進み二股までやってきてランチタイムとする。前に独りでテント泊したのはこのあたりだった。またしてもいいかなと思うが、他の二人はその気がなさそう。
ランチ後は左に進路を取り滝のある処までくる。この滝の手前から取り付くつもりで来たのだが斜面がかなり急だ。ちょっと戻って緩やかになっているところから取り付くこととする。沢歩きもこれでお終いと声をかけて登山靴に履き替えるが脱いだ沢足袋を見てびっくり。踵側のフェルトが半分位剥がれかけている。イヤーよく持ってくれた。沢歩きの頻度は多くないがそれでも入手から10年ぐらいたつ。やっぱり替え時か。
CA860のピークに向かって尾根に取り付くが地図通りやはり急だ。木につかまったりして登っていく。もう少し踏み跡がはっきりしていた覚えだったが、多少の藪漕も必要だった。あーしんど!途中で立派なブナが目立つようになってくると頂上も近いがやっぱりここは大変だ。それでも上り詰めたCA860の頂上はブナに囲まれた雰囲気のいい場所である。庄部谷山より広いこの頂は自分のお気に入り。急な登りで遅れていたK氏もやってきて小休止。凍らせてきたフルーツゼリーを皆に振る舞う。程よく溶けて冷たくおいしい。
その後、庄部谷山に向かって歩くがこの稜線もブナの森で気持ちのいいところ。副館長も満足そう。低山で眺望があるわけでもないがこうしたブナ林を歩くのも悪くない。そして庄部谷山着。
時刻は2時少し前。思ったより時間がかかっているがこれからは下る一方だ。ほどなく降りられるだろうとその時は思っていたのだが。ルートとしては庄部谷山から北西に延びる尾根を選択する。これが駐車地に一番近い尾根だ。急こう配であるがさして危険でもなく適度に制動をかけながら降りていく。こういうルートが不得手なのかK氏は少してこずっている感じ。副館長は登山靴でなくスニーカーのようなもので少し滑るらしいが問題なく降りてくる。山慣れしてるよねえ。そして尾根上にある鉄塔の下に来て最後の休憩をとる。樹林帯の中でここだけ唯一展望がある場所。今日は差し入れがいろいろあるが最後のグレープフルーツを3人で分ける。夏場にはやはりおいしい食べ物だ。
ここで鉄塔があるから巡視路もあるはずなのでそれを探しながら降りてみようかといったのが今日の誤算か。鉄塔付近に巡視路は見当たらずまっすぐ降りていくとプラ階段が見えてきた。これがそうか。当初ははっきりした形だったのでそれに従って行くと道は下らずに谷に向かっていく。ずいぶん回り込むんだなあと思っていたらそこで道が失せた。あれっと思い周りを見渡すと斜面にロープが張られている。これは道の印なんだろうか。道は既に谷に入っており対岸は急斜面で通れそうもない。踏み跡が全く見られないような感じのところにロープだけが張られている。どうも変な感じだがそれを伝ってみることにした。足元は急な斜面で柔らかな草地。足がとられそうで歩きにくい。そしてその頼みのロープもなくなったところで谷に降りると踏み跡があった。他に選択するすべもなく結構急だなあと思いつつ下っていく。ただこの斜面は泥がたくさんあり滑りやすい。だましだまし下ったが、Kさんは滑り落ちるのがいやなのかやけに慎重に降りてくる。ストックを地面に突き刺しながら。
3人が谷に降り立つ頃には靴も手足もドロドロだ。イヤー参ったねえ。一番てこずっていたK氏は沢歩きの良かったことを今の悪路で全部忘れてしまったと笑ってる。確かに癒しの沢歩きと道の無い下山路。ほんとは巡視路の助けを借りずそのまま尾根を下りて行けばどんなに楽だったろう。一息つくがこの先の道の状況もよくわからない。少し偵察に出かけることにした。踏み跡は先ほどよりも濃いし道も緩やか。何とか行けそうと目安を付けて二人のところに戻る。今見た状況を知らせて出発だ。確かによくなっていると副館長はいう。そして、ほどなくして橋を見つける。朝方このあたりに降りてくるかもといっていたまさにその場所だ。ヤレヤレこれで何とか帰ることができる。そう思った瞬間だった。
ここから歩いて数分で駐車地。他のグループはまだ戻ってこないようだ。すっかりドロドロとなった衣服を着替え急いで温泉に向かった。
Kasaya