【北ア】六右衛門ルートで奥又白池
~ 噴煙の焼岳から静寂の池へ ~
【年月日】 2017/10/04~05
【北ア】 中ノ湯~焼岳~上高地~奥又白池~上高地=中ノ湯
【コースタイム】①中ノ湯登山口P6:00-P2050広場8:10-北峰9:55/10:10-
焼岳小屋11:20/45-上高地登山口13:45-田代橋14:00-河童橋-嘉門次小屋15:45
②嘉門次小屋5:10-徳沢6:06-中畠新道分岐7:27/50-奥又白池10:00/11:15-
分岐13:00/25-徳沢14:20/40-明神館15:25/40-バスターミナル16:30
30年ほど前の山渓で秘境の池として特集されていた。いつかは行きたいと思っていた。
先週、笠の稜線から眺め続けていた焼岳、この二つのファクターが溶けかけた脳をくすぐっている。
ヤブで検索したらバッチシ出てきた「六右衛門さんの『混まない紅葉狩り 焼岳~奥又白池』」だ。
読み込むほどに考えられたルート、そのままいただこう。
ただ、徳沢ロッジも苑も満杯だった。二日目に1時間後退するが嘉門次小屋泊とした。
前夜の車中泊で少々呑みすぎたらしい。体調に不安を抱きながらも予定通りの時刻に歩き出した。
曇り空、霧が立ちこめる中、笹とブナや栂の大木を縫って登っていく。
傾斜が弛む頃、ベンチのある広場に出た。
ここから見る上部斜面は、笹の緑、岳樺の黄色、ナナカマドの赤と見事に色づいてまさに錦繍の装いだ。
これで背景が青空ならば最高なのだが・・
登るにつれ、勢いよく吹き出す噴煙とそれに伴う強い硫黄の匂いも漂う。
北峰と南峰のコルから池を伴う景色は秀逸だ。
回り込んで北峰に登る。風が冷たい。十数人の人たちが360度の展望を楽しんでいる。
先週歩いた笠ヶ岳の稜線が雲の上に姿を現している。
右手には槍穂の稜線から大河の流れのように雲が押しだし、雲海へと流入している。
大きく下って展望丘をさらに下り谷へはいると焼岳小屋
ここからもひたすら上高地へ向けて下る。途中、垂直に近い長~いハシゴはちょっぴり緊張させられた。
上高地に泊まっているのだろう西洋系の外国人がたくさん登ってきている。
チャーミングな単独女性と一緒になった。
言葉が通じればもっとお近づきになれそうだったが、お互い笑顔で手を降ってわかれた。
上高地側の登山口まで辿り着いたが、ここからが長かった。
観光客を縫いながら平坦な道を歩き疲れ切った頃にやっと嘉門次小屋に到着した。
きれいな檜風呂に一人で入り、囲炉裏のある古い別棟の小屋では居酒屋風にビールと岩魚の燻製で今日一日を振り返った。
朝食はおにぎりにしてもらい、4時半起床、5時過ぎには歩き出した。
最初はヘッデンを点してたったかと歩く。
パノラマ道と中畠道の分岐で一部の荷をデポし、枯れた沢の右手の小尾根に取り付く。
全般に急登で岩が滑ることもあり、気を抜くことはできない。
が、ルートははっきりしているし、特に危険なところもなくどんどん高度を上げていくと
眼前に前穂の北尾根が迫る。振り向けば常念、蝶の稜線しかも誰にも出合わず静かなことこの上ない。
枯れ沢の右股支沢の岩盤を登ったところで下ってくる二人の男性と分岐以降初めてであった。
ここから上はもう誰もいないとのこと。一人で静かな奥又白池を満喫できそうだ。
緩く左へ弧を描き目の前の尾根に乗ると突然池が現れた。
向こうの空には南アルプスの稜線と富士山のシルエットがくっきりと浮かんでいる。
誰もいない。
思わず「お~わ~」訳もなく池にか富士にか前穂にだか叫ぶ。
たった一人北アルプスの絶景地に抱かれてかけがえのない時を過ごさせてもらった。
今回先にも記したとおり、YaSさんのrepをそのまま辿らせていただきました。
体調に不安があった後にこのルートを歩かれたとのこと、さすがの健脚だと思います。
また、今回初めてGPS専用機を持たず、スマホのジオグラフィカで現在地、トラックをとりましたが完璧でした。
機内モードの利用で電池は長持ちしますし、小さめのモバイルバッテリーを持っていたので安心でした。
ヘッデンやカメラもこのモバイルバッテリーで充電できれば言うことなし(一部あるよう)。
では また どこか 錦繍の稜線で
SHIGEKI