セイカントロ・・・沢に似つかわしくないこの名前がズット気になっていた。変なとこで切ると風俗系のような響きも・・・。
もはや恒例(?)になった、『シューさんあめちゃん沢遠征』。今年はわがままを言ってここにしてもらった。サイアクそこが風俗系だったとしても我慢しよう。
メンツ集めをする前に、たまたま会った人たちに声はかけていた。総勢5人。さあメンツ集めになったときにシュー隊長から、『今回のミッションの成否は車移動にあり。車1台の精鋭部隊で攻めるのじゃ』メンツ集めをする前に〆切がきた。
【日付】平成29年8月26日(土)
【山域】和歌山南紀ツアー1日目(熊野川水系小口川:清閑瀞 )
【メンバー】シュークリームさん、ぐーさん、piccoloさん、ケルトさん、雨子庵
【天候】晴れ時々曇り(前線通過したが天気崩れず)
【ルート】滝本集落スタート(8:50)~左岸より大きい枝谷(滑滝)ランチ(12:05~12:50)~岩の谷川ゴール(15:25)
初日は朝7:30に道の駅瀞峡街道熊野川に集合。前夜着野宿、去年も野宿したところだ。道路より一段下がったところが暗くて静か。ただとにかく暑かった。朝テントをたたもうかと思っているとぐーさん登場。雑談しているとpiccolo&ケルト組も草陰から登場。4人が揃ったところに、道路、つまり一段高いところから我々見おろすようにシューさん登場、もう沢装束だ。結局7時過ぎに全員集まり移動開始。
ゴール地点に車をデポ。沢装備に着替える。ぐーさん以外は全員ウェットスーツ着用。見た目一番年上に見える(失礼!)ぐーさんはカッパで頑張るとのこと。内心大丈夫かな、と心配になる。そしてわたし以外はライフジャケット着用。私はワンピースウェットなのでこれが強力な浮力になる。念のため20mザイル2本。まあもしも用だし、浮き袋代わりにもなるしと1本もらう(入念に防水処理)。あとで見たらシューさんはザイルむき出しだった・・・あれは重かっただろうなぁ。そしてシューさん号に乗り込みスタート地点に。
- あめちゃん装備。ドンブラコ完全武装
ここからの道はスゴイ。一応舗装路だが狭くてガードレールが不十分。しかも林道と違い生活道路なので前方から車が来るかもしれない。これは未体験ゾーン。シュー隊長『ここでかなり精力使います』<ミッションの成否>と言ったのがうなづける。まあ車内はそんな雰囲気を吹き飛ばそうとケルトちゃんのおしゃべりオンステージが続きます。
滝本集落に到着。あの道を通ってきての人家には軽い感激すら覚える。おじさんにアイサツ。さあ、いよいよセイカントロだ。
入渓は里川のようなところから。どこにでもあるような日本の原風景のような感じ。いつもと違い川を歩き下る。piccolo&ケルト組はスライダー用の浮き輪を新規購入したとのこと。海水浴に来た子供よろしく、浮き輪を引っ張りながら歩いていく。
- 橋のとこから入渓
ゴロタ石をただ歩くのもつらい。膝くらいの深さになったら、だれともなく浸かって流れ出す。
♪プカプカ、ゴロゴロ、ズンズン、プカプカ、ゴロゴロ、ズンズン。♪
遡行(降下?)図の最初に出てくる吊り橋がナカナカ出てこない。
「吊り橋が出てこないですねぇ」
「あめちゃん、さっき有ったでしょ」
「イヤ、それは入渓した時の・・・」
やがて先に吊り橋が見えてくる。近づくと犬の鳴き声が。この吊り橋はまだ生きているんだ。かつてはあの集落から、家財道具も冷蔵庫もこの吊り橋を担いで運んだんだろうなぁ。
「これでどれくらい来てるのぉ?」
「遡行図でいうと、1/20くらいです」
「えっ!」
だってぇ、遡行図だと泳ぎはこの先がスタートですよ。さっきからずーっと泳いでるじゃないですか。
「まあ、いいよね」
♪プカプカ、ズンズン、ゴロゴロ♪
いやぁ、皆さんすごいわ。とにかく泳ぐ、流される。
特にケルトちゃん、とりあえず相手がバスタブくらいでも容赦しない、飛び込む。泳げるところ全制覇するつもりですか?身を投げ出して聖地へ向かう巡礼者のように。
「いよいよプールです。そこから泳ぎです・・・まっ、みんなとっくに泳いでるか・・・」
「ぐーさん、寒くないですか?」
「寒くない。水温もソコソコ高いね」
そうなのである。天気も上々で、水温もソコソコ。ウェットで歩いていると暑いくらいだ。
みなそれぞれおもいおもいのスタイルで流れていく。
piccolo&ケルト組はモハヤ沢をリゾート地に変えている。浮き輪にゴーグル&ウェット、完全武装だ。
- スパイでも特殊部隊でもありません。可愛い浮き輪が目印
シューさんは外見は正統派沢屋の格好。いわゆる背泳スタイルで先頭を切って流れていく。グーさんは初めてのライジャケお気に入りみたい。平泳ぎだけどこれがまた早い。
「さすが櫛田川のカッパ」シューさんの合いの手が入る。
わたしはザックを背負っているときは背中浮き袋の背泳で。ザックを枕に見上げると木々の上には青空が。すべてを忘れさせる。
- 見上げるとこんなカンジ・・・ただスイマセンこれはイメージ
ザックを外して浮き袋にするときはゴーグル着けて水中見学、アユの群れが出迎える。
- 気分はジャングルクルーズ(行ったことないけど)
顔を上げると周りの風景はちょっとしたジャングルだ・・・ここはどこなんだろう・・・。
またイニシエの跡が?途中にも水を取る石積み堰堤の跡があったのでまた、と思っていたら、これが自然の地層でできた取水堤!?そっくりの構造物。それぞれがハッと気づいてそれぞれが驚いている。
ブラタモリ垂涎の物件だ。
- これが人工物ではないとわかったときの驚きは・・・
だんだんプカプカが増えてくる。
♪プカプカ、スイスイ、プカプカ、スイスイ。♪
「もうすぐ核心部です・・・ってずっと泳いでて核心部もへったくれもないか」
ただ、遡行図の半分も来てないのにもう昼だ。
「あの左岸から入る支流(滑滝)の向こうで休憩しましょう」
寒いと思って用意したカレーうどん。汗を流しながら食べる。
「どれくらい来た?」
「遡行図だと半分来てません」
「ほなイコカ」
始まった核心部。はなから泳ぐと決めているので、歩かなくて済むのでかえってラクだ。大瀞、長瀞、大きい瀞。違いは判らないけどとにかく泳ぐ。
- ここは100mほど泳ぎます
「あんな深い瀞、初めて見た」
カッパのケルトちゃんが言うんだからホントだろう。
カメラを向けられるとずっと笑ってしまう。こんな沢登り(?)もたまにはいいかな。
- 沢装備で泳ぐシュークリームさん。かなり慣れてましたね
途中でワイヤが横切る。あとで知ったのだが吊り橋の跡らしい。車道の途中にあった「静閑瀞入口」を辿るとここにつながるのだろう。廃集落マニアの自分としては、これについての下調べが不十分だったのが心残りでした。
やがて空が開けてきた。ゴールも近い。右側から入る谷の横を上がるとポンと林道に出た。
今からシューさん号を回収に向かうと、温泉が遅くなる。
「あめちゃんお金貸して」
「お金は貸せますけど、パンツは貸せませんよ」
「パンツまでは言わん」
そのまま温泉に向かう。
シューさんご推薦の湯の峰温泉初体験。「壺湯行ってきます」なぜかみんなは遠慮してた。イザ入ろうとしたら、入口にはカップルのサンダルが、中からはキャッキャ、キャッキャ。どうやら自由には入れないみたい。ヨカッタ開けなくて。これは次回の宿題。民宿の豪華な宴。せっかくなんで焼酎を持ち込んだがみんなアワワでできあがっている。夕食後の温泉のあと、ビール呑んでさあコレカラと思ったら、シューさんぐーさん寝てしまった。まだ9時前ですよ。まっイイか。この後朝6時まで爆睡でした。温泉素人の私、けれど快適なのは実感しました。
翌日の沢はケルトちゃんのレポの通りです。
熊野の沢合宿。こんな方法もあるんだなぁ。シュー隊長、みんなのわがままを受け入れて、まぁるく収めてくれてありがとうございました。
思い出に残る夏の2日間でした。
あめちゃん