この山行は1本のレポから始まった。
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【日付】 2017年3月11日(土)
【山域】 湖北・横山岳界隈
【メンバー】 単独
【天候】 ほぼ晴れ
【ルート】 国道303号線路側駐車地(P265) 6:50 - P722 8:50 - 三角点P865.1 9:40 - 横山岳(三角点P1131.7) 11:50 - 三角点P865.1 12:50 - P722 13:20 - 駐車地 14:20
上記レポの中に、
落第忍者 『横山岳からは東進し、三角点865.1からP722を通って旧国道に着地といったところですか?』
山日和さん 『但し旧国道ではなくバイパスの265m標高点に下りるつもりでした。そこが駐車地。』
というやり取りがあります。
単純な私は、それならそこから登って東尾根に乗れば横山岳に行けると考えたのです。
但し、この界隈で登ったことがある山と言えば土蔵岳だけだったりして。
この山域初心者がやるなら先ずはピストンで、駄目なら引き返せばいいのだからと決行。
前日のYahoo!積雪深でもまだタップリの雪表示で、取り付きからスノーシューを履けるとの読みはバッチリ。
とはいうものの一歩一歩が沈むので最初から難儀の連続で先が思いやられる。
下部では踏み抜きもあるので心が折れそうになるけど、上に行けば何とかなるだろうと先を目指す。
Ca500まで登って振り返ると金糞岳方面が見えてきて、頑張れと背中を押してくれているようだ。
その後もほぼ全行程に渡って金糞岳は見えていたし、標高が上がるに連れてその背後に伊吹山、そしてその右手には未踏の霊仙山まで。
P722までで既に2時間もかかっていて、これは無理かもしれないとの思いが出てくる。
硬い層の上に30センチ以上の新雪が乗っていて、それ以上には沈まないのだけれど一歩一歩は重いままで。
下部は植林だったものの、この辺りまで上がると綺麗な自然林になってきたのが救いかもしれない。
P722の周りはちょっとした雰囲気の良い雪原になっており、ゆっくりしてみたいところだが先が長いのでそのまま進む。
東尾根のコルに登り着いて、ここからは西進になるが、あまり太いものはないもののブナだらけの素晴らしい尾根だ。
相変わらず歩みはのろいままだけど、そんなブナに力を貰って前進あるのみ。
新雪がもっと深くなってきてスノーシューでも膝下まで沈むし、上に乗った雪の重いことといったら・・・
この程度でラッセルとは言えないだろうけど、独りだとしんどいこと。
下の硬い層で止まってくれるのでまだましだと思うのだけど。
復路で自分の足跡を辿ると全く沈まないのは、スノー衆の先頭と2番手で労力が大きく異なることを証明しているかのよう。
勿論、降り道では足跡を外してフカフカの雪を楽しむのだけど、平行移動や登りでは足跡に乗らないとね。
でも、登りと降りでは歩幅が大きく異なるので合わせるのは大変だけど。
こんなに深い足跡を付けているにも係わらず、風の吹き抜ける場所では帰りにはリセットされているので驚く。
新雪だとこんなものなのかもしれないが。
スノー衆だと山座同定して教えてもらえるのだけど、この山域のことを殆ど判っていないので、多分あれがそうだろうと言う程度にしか判らないのが残念だ。
それでも特徴的な山は何とか当たっているような気はするけど確証はない・・・
こんな勿体無い奴にも360度の大展望を楽しませてくれるのだから有り難いとしか言いようがないけど。
東峰から本峰(西峰)に進もうとしたら、いきなり切り立った断崖のような雪壁が足元にあって。
ああ、ここで万事休すかと思ったものの、この雪で階段を造れば行けるかもしれないと、恐る恐る降りてみることに。
上から一見した時には、此処を降りたら登り返しは無理だろうと思われたところも、雪階段で簡単に登れることが判って一安心。
スタートから5時間も掛かってやっと登頂出来た時の嬉しさと言ったら。
途中で諦めて引き返さなくて良かったと思える瞬間だ。
此処まで誰にも会わなかった上に、山頂も未だ誰にも踏まれていなくて。
風も強くなってきたし、独りの時はゆっくり出来ない性格も災いして、物置の周りを一周して下山にかかる。
あまり足が攣ることはないのだが、流石にこの時はプルプル来ていて。
前回のスノー衆で山日和さんが動けなくなったのも見ているし、兎に角安全に戻らなければとそればかり考えてしまう。
東峰に戻る途中で振り返ると北西尾根方面に単独の登山者が見えていて。
山頂でゆっくりしていればお話しできたかもしれないが、こればかりは仕方がない。
もう戻る気力もないしね。
5時間で登ったところを2時間半で降りてしまったけど、雪山の下山はやっぱり速いみたい。
駐車地に戻っても他の車はなくて、こんないい日に他に誰も歩かなかったようだ。
ちょっと太ももがやばかったけど、帰りの運転も何とか支障なく無事に帰れて良かったと思う。
単独の時はこんなこともあるから、やっぱり無理は禁物ということだろう。
帰りの北陸道からは新雪の供給があったらしく、真っ白な伊吹山と霊仙山が綺麗に見えていた。