【日 付】 2016年12月25日(日)
【天 候】 晴れ時々曇り
【山 域】 台高中部
【メンバー】kitayama-walk(単独行)
【コース】 7:40マナコ谷登山口(駐車地)-8:30造林小屋-9:20▲桧塚-9:45桧塚奥峰10:00-10:10P1394-10:30ヒキウス平-10:40P1353-11:10P1394-11:25判官平-11:45明神平分岐-12:15笹ヶ峰13:30-14:10明神平分岐-14:30判官平-14:50P1286-13:25ワサビ谷出合-16:00駐車地
- GPS軌跡図
1週間前の12月18日台高の山ノ神の頭から馬ノ鞍峰へと歩いたが、雪がほとんどなかったが、桧塚奥峰や明神平付近では樹氷や積雪があったそうだ。標高200mほどの差である。1週間後のクリスマス・イブの夜は冷え込み、翌日の天気予報は晴れだ。こうなっては今シーズン初の樹氷を見に行くしかない。アプローチは人の少ない三重県側からにする。積雪期にも4回ほど歩いているので不安もない。今回は、万歳橋のたもとから奥山谷経由で明神平に行き、台高主稜線を笹ヶ峰まで歩き、引き返して桧塚奥峰・桧塚に戻り、マナコ谷登山口に下ろうという計画にした。
<アプローチ>
京都からは、高速を使って大阪経由で行く方が時間は短縮することができるが、早朝なので一般道経由で奈良市内に入りR24-R165-R166(伊勢街道)と走り、高見トンネルを越え、木梶トンネルを抜けたところで栃谷集落に向い、加杖坂峠(トンネル)を越えて青田(おおだ)発電所のところから千秋林道に入る。万歳橋まで入れるという情報だったので、千秋橋、誉橋と進み、万歳橋の手前に路肩に駐車した。他に駐車車両を見かけなかったので一番乗りだ。
<マナコ谷登山口~桧塚>
予報どおり朝早くから晴れており、太陽も昇ってきたので樹氷が落ちることが心配で予定を変更し、マナコ谷登山口(標高760m)からまず桧塚に登ることにした。マナコ谷の左岸に取り付きがあり、植林帯の中をジグザグを切りながら登っていく。途中に明確な作業道(杣道)があるが、登山道はこれを何度も横断しながら登っている。やがて造林小屋に出会うと、支道を右に取って少し進むと植林と自然林の境界線を登っていくことになる。このあたりから雪が出てきた。どうやら昨日のものと思われる複数人のトレースがある。気温が低かったせいか、踏み跡が今もはっきりと残っている。やがて樹林の中から飛び出した。広々とした尾根が桧塚のある主稜線に続いている。雪面に残ったトレースを追いながら一歩ずつ登っていくと、景色が広がってくる。前方には樹氷のついた樹木が「おはようごさいます」と出迎えてくれる。右手には、台高主稜線にある水無山、国見山、赤ゾレ山と連なって見えているが、後ろを振り返ると、台高山脈北端の高見山があり、その尾根筋には三峰山、修験業山、栗ノ木岳、局ヶ岳などが続いている。その向こうには特徴ある室生火山群の住塚山、鎧岳、兜岳、倶留尊山、大洞山が並んでいる。主稜線に出ると樹木にたくさん樹氷がついているが、風も少しあって寒く、手がかじかむ。まずは桧塚にあいさつに行くことにした。少し下って登り返すと桧塚の三角点が雪の中にあった。
- 樹氷のお出迎え
<桧塚~桧塚奥峰>
桧塚にあいさつした後、稜線を戻り、桧塚奥峰(1420m)に向かう。向こうに見えている奥峰とは指呼の距離だ。稜線上は風の影響を受けて樹氷が発達している。寒さを我慢してたくさん写真を撮った。少しの時間で奥峰に到達した。今日はまだ誰も来ていないようである。奥峰からの眺望もいい。間近に桧塚があり、その左向こうには局ヶ岳から三峰山の山並みが見える。南東には、池木屋山から東に派生している尾根にある迷岳、大熊の頭、白倉山、古ヶ丸山、野江股ノ頭が並んでいる。さらに南には、池木屋山、奥ノ平峰、赤嵓山、千石山(奥ノ迷峰)、笹ヶ峰の台高主稜線の山が続いていて、その向こうには遠く、大台ヶ原の日出ヶ岳と加茂助谷の頭、さらに仙千代ヶ峰も見ることができる。何ともいえないほどの眺望を目の当たりにできるのがうれしい。そして、目の前にはこれから歩くヒキウス平も見えている。しばらく眺望にうっとりしていると、明神平方面から単独行の男性がやってきた。さらにもう一人やってきた。さあ先は長いので急ぐことにする。
- 桧塚奥峰にて
<桧塚奥峰~ヒキウス平>
奥峰から明神平へのルートは、ブナ林が続く樹林帯で小さな起伏がある複雑な地形をしているが、最近は歩く登山者が増えているせいか、踏み跡やテープがたくさんついている。今日は、昨日のトレースがしっかりとついていて迷うようなこともない。P1394には明神平への標識があるが、ここはヒキウス平への分岐点となっている。分岐を南に向かうトレースがついていた。昨日一人の登山者が向かったようである。樹林の中を快適に進むと尾根は次第に左に向かっていき、ヒキウス平の第一劇場に到着した。いつものように「支配人の木」が出迎えてくれた。目の前には先ほど登った桧塚奥峰と桧塚がある。ここでランチしてもよいのだが、今日の目的は笹ヶ峰なのだ。そうそう、ここには第二劇場があることを思い出し、先のP1353まで足を進めた。
- ヒキウス劇場の支配人の木がお出迎え
<ヒキウス平~笹ヶ峰>
ヒキウス平からはP1394まで戻り、明神平方面に向かうと、明神平からやってくる登山者とすれ違うようになった。判官平付近でおやっと思う三人グループがいた。やってきた方向が明神平方面ではなく北斜面からだ。聞くと万歳橋から木屋谷沿いの山道を歩いて、途中から尾根を登ってきたという。これは帰りに予定しているルートではないか。まあ帰りに確認してみることにして先に進もう。トレースの跡をそのまま進むのは嫌なので、ちょっと外したところを歩いてしまう。それだけエネルギーがいるのであるが、何せ性分なので仕方がない。明神岳(1432m)手前の急登を終えると左折して笹ヶ峰に向かう。このあたりも再び樹氷が大きく育っている。笹ヶ峰にもトレースがついている。ここからは下っていくことになるが、3つの小ピークを越えて4つ目のピークが笹ヶ峰(1367m)である。2つ目のピークが1380mと最も高く、この辺りはブナが林立して気持ちがいいところである。笹ヶ峰には12:15に到着した。ちょうどランチタイムとなった。少し東に寄ったところのブナの下に腰を下ろした。今日はお決まりの得正のカレーうどんだ。「福ヱビス」のビールがうまい!天気がよく太陽が照りつけて樹氷が溶けてバラバラ落ちてくる。また、それも乙なものである。笹ヶ峰は東西に長い台地状になっているが、東に行ってみると黄色のテープが続いている。少し東に歩いてみたが、どうやら千石谷に下っていくようである。
- 笹ヶ峰ランチタイム-ビールが欠かせません
- 笹ヶ峰に到着
<笹ヶ峰~判官平>
笹ヶ峰にて1時間余りのランチタイムを堪能して引き返すことにした。台高主稜線にある小ピークのアップダウンを乗り越えて行く。主稜線にはまだまだ樹氷が健在だ。左向こうには往路では見えていなかった大峰の山上ヶ岳、稲村ヶ岳、大普賢岳、仏生ヶ岳、釈迦ヶ岳、孔雀岳などの山並みが見え、さらに大台ヶ原の山も見渡せるようになってきた。明神平分岐からも往路をそのまま判官平まで戻った。
- 大峰の山々が見える
<判官平~駐車地>
判官平からは北斜面の尾根を下ることにする。行きで出会った三人組が登ってきたルートである。それを確かめるように進むと、ここにもテープがあって結構歩かれているようだ。P1286の手前に檻が置いてあったが、入口が固く閉まっているので獲物は入らない。P1286から先もピンクのテープがあり、これに導かれるように下っていくとさらに急な傾斜になった。樹林帯の中に突入するとやがて木屋谷に沿いの山道に合流した。ここからは歩いたことはあるので一安心だ。ワサビ谷手前では固定ロープがあり慎重に下る。あとは山腹のトラバース山道を駆け足で進むとやがて万歳橋のたもとに辿り着いた。ここから林道を歩いて数分で駐車地に戻った。
- 入口の閉まった檻があった