- 落打滝
奥ノ平谷からの下山中にえっちゃんとmichiさんが中ノ谷、立間戸谷行きの話をしているのを小耳にはさみ、ちゃっかり同行させてもらうことにした。熊野地方に前線が停滞し、天気予報に一喜一憂することになったが、いざ蓋を開けてみると良い天気で、南紀の名渓二つを一度に満喫する楽しい沢行になった。
【 日 付 】2015年8月19日(水)~20日(木)
【 山 域 】南紀 熊野川水系
【メンバー】michi、シュークリーム
【 天 候 】(1日目)曇り時々晴れ一時雨;(2日目)曇り時々晴れ
【 ルート 】
(1日目)駐車地 7:25 --- 7:35 落打滝30m --- 9:00 牛鬼滝35m --- 12:00 子ノ泊山(昼食) --- 13:50 植林小屋 --- 14:30頃 ケヤキ平(テン泊)
(2日目)ケヤキ平 7:15 --- 7:40 屏風滝100m --- 8:10 牛鬼滝60m --- 9:00 50m滝 --- 10:05 大釜を持つ50m滝 --- 10:50 植林小屋 --- 12:30子ノ泊山 --- 13:40子ノ泊山登山口 --- 14:00頃 駐車地
(1日目)
道の駅ウミガメ公園に朝6時半集合。自宅からわずか2時間だった。十分に日帰り圏内だ。michiさんの車で中ノ谷に向かう。入渓してすぐに落打滝30mがお出迎えだ。いかにも南紀の滝らしい末広がりのスラブ滝やねえ。
ここは右岸のがれ場を登り、テラスに上がってから落ち口にトラバースするのだが、テラスへの登りが意外に渋かった。テラスへ回り込む別ルートがあるのかいな。落ちれば確実にあの世に行けるという落ち口へのトラバース。ロープをつかんで1段下へ降りる部分が確かにいやらしかったが、その後ははしごも設置されていて思ったよりは簡単だった。少しでもいやらしいところはすべてロープを出して安全を図るというmichiさんとの合意で、ロープを出して通過する。
次は牛鬼滝35m。スラブの直瀑だ。ここも右岸巻きで、急傾斜だが木が生えているので、それほど怖くはなかった。ここもロープをつないで巻いていく。ちょっと高巻きしすぎかと思ったが、うまい具合に落ち口にぴたりと降りることができた。
- 牛鬼滝
落ち口付近でウオータースライダーをして遊ぶ。これもmichiさんとのお約束。「ウオータースライダーができるところは全部やってみましょう。」
- ウオータースライダーで遊ぶ
この後は全長200mという長いナメが。michiさんが「こんな長いナメは初めて」と喜んでいる。舗装道路みたいに綺麗なナメやねえ。
- なめを行く(michiさん提供)
ナメが終わった後は平凡になり、子ノ泊山の二つのピークの鞍部に上がる。頂上で休憩したのち、立間戸谷方向に降りる。登山道の入り口がガイドブックの地図とは違っとって最初ちょっと戸惑ったけど、林道みたいに広い道の終点に登山道のとりつきがあって、古い道標に従って下和気方面に行くとあとは迷うことなく立間戸谷に降りることができた。難路と言われているが,まだ新しそうな虎ロープがたくさん設置してあって,それほどでもなかった.
足が疲れてきた頃にテン泊予定地のケヤキ平に到着.ここにはケヤキの大木があっていいテン場だ.テント設営後は薪を集めて焚き火の準備.ちょっと湿気っていたが,うまく火がついた.これからは至福のひと時.焚き火の前に座り込んで,それぞれ持ってきたウイスキーを飲みながら四方山話にふけったり,適当に夕食を食べたりして時が過ぎていく.ウイスキーを飲み干して就寝.二人ともいつもよりたくさんウイスキーを飲んだはずやけど,悪酔いもせず,いい酒やった.楽しかったんやねえ.
(2日目)
焚き火で服を十分に乾かしたせいで,寒くもなく熟睡できた.5時半頃起床.朝食後7時過ぎに出発する.まずは左俣の屏風滝の見物.70mとも100mとも言われるこの谷最大の滝だ.大きいねえ.
- 屏風滝
分岐まで戻って右俣へ行くとすぐに牛鬼滝60m.ここは滝の右側の岩場を登っていく.足場が結構あるので,快適な巻きやった.立間戸谷は大滝となめが魅力やけど,大滝がコンパクトに詰まって出てくるのがいいねえ.
次は核心50m滝の巻きだ.ここは右岸のリッジを巻き登り,最後に落ち口に向かうバンドを際どくトラバースする.前回ここを通った鈴ハイのNちゃんはフリーであっさり抜けたらしいが,安全第一に考えているmichiさんと私は当然ながらロープで確保した.もちろん落ちたら50m滝の下まで行ってそのまま昇天ということになる.
- 落ち口へのきわどいトラバース(michiさん提供)
次の30m滝に続く20mスラブ滝は滝芯の右側をフリクションを信じて登っていく.michiさんはさっさと登って行ったが,私は前回木屋谷川の滝ですべった記憶が体に残っているせいで,フリクションが信じきれず,途中で右側に逃げた.
そして最後の50m滝も右岸巻き.この上に大きな釜を持った5m滝があり,ここで最後のウオータースライダーをして楽しむ.どうせ時間はたっぷりあるのだ.michiさんは5回くらい,私も2回くらいしたかな.
- 泳いで遊ぶ(michiさん提供)
この後,きれいななめを上がっていくと,昨日の下山時に通った植林作業小屋に出る.この上に長いなめがあるはずなんやけど,歩けど歩けどちっともなめが出てこない.「落石で埋まったんかいなー」と言いながら歩いていると,6m斜滝の上にようやくなめが現れる.待ってましたあ.長さ1 km,標高差200 mという長大ななめだ.これがほとんど頂上近くまで続いているのだ.こんなに長いなめは初めてとmichiさんが感激している.もちろん私も初めてだ.やっぱ,南紀の渓の魅力は大滝となめやねえ.
- 長いなめを行く(michiさん提供)
なめ歩きに疲れた頃にやぶこぎもなく子ノ泊山の稜線にひょっこり飛び出す.いやあ,立間戸谷,さすがにいい渓やったねえ.もういっぺん来てもいいなあ.子ノ泊山の頂上で休憩した後,登山道を林道に向かって下り,桐原登山口から林道を20分ほど歩いて駐車地に戻った.
michiさんとは初めての二人だけのコラボやったけど,足が揃ったいいコンビやったねえ.また今度よろしくです.