【飛騨南部】寺河戸からオサンババ(山中山)と烏帽子岳登山
今回は、岐阜県のオサンババ(山中山)と烏帽子山に登ってきました。 当初は、めいほうスキー場方面から周回で予定していましたが、北から緩やに続く尾根を巡りたいと思い、寺河戸(てらかわど)からのピストンとしました。 朝は快晴となり、純白の白山を見ながらスノーハイクを楽しみました。 また、北アルプスなども終日望め、充実した登山となりました。
【 日 付 】 2015年2月21日(土)
【 山 域 】 飛騨南部
【メンバー】 1名
【 天 候 】 快晴のち時々曇
【 ルート 】
時刻(差) 標高 距離 場所
06:55 988m 0.0Km 寺河戸駐車地 出発
07:10 (00:15) 1022m 0.6Km 尾根取付
07:55 (00:45) 1233m 2.1Km 1233mピーク
09:00 (01:05) 1531m 3.8Km 1531mピーク
09:50 (00:50) 1631.3m 5.5Km オサンババ(山中山) 三角点
09:55 (00:05) 1643m 5.7Km オサンババ 最高点
10:05 (00:10) 1530m 6.3Km ゲレンデトップ分岐
10:30 (00:25) 1552.5m 7.2Km 1552.5mピーク
11:20 (00:50) 1625.2m 8.6Km 烏帽子岳 昼食休憩
11:40 (00:20) 1625.2m 8.6Km 烏帽子岳 出発
12:10 (00:30) 1552.5m 10.0Km 1552.5mピーク
12:35 (00:25) 1530m 10.8Km ゲレンデトップ分岐
13:10 (00:35) 1622m 11.9Km オサンババ北展望地 休憩
13:25 (00:15) 1622m 11.9Km オサンババ北展望地 出発
13:55 (00:30) 1531m 13.4Km 1531mピーク
14:25 (00:30) 1233m 15.1Km 1233mピーク
15:05 (00:40) 988m 17.2Km 寺河戸駐車地 到着
【 距離 】 17.2Km
【 累積標高 】+1433m -1433m
【 時間 】 8時間10分
Picasa(写真) :
https://picasaweb.google.com/1058822305 ... /20150221#
ルートラボ :
http://latlonglab.yahoo.co.jp/route/wat ... 8a4b86970e
長かった冬も終わりに近づき、日本海側の天候も回復傾向となってきました。 久しぶりに飛騨の山に登ろうと、幾つかの候補の中から飛騨南部の「オサンババ(山中山)」に登ることにします。
とは言え、今年の飛騨の積雪量も例外なく多く、2m近くあることが予想されます。 近くの山への予備案も計画し、いつもの様に高山市内に前泊するべく向かいます。
東海北陸道の郡上ICを過ぎると周りに雪が見られだし、道路脇に除雪された雪の高さも3m以上となっていきます…。 清見ICで降り、慣れない雪道をゆっくりと走って行きました。
翌日の出発は、ここから登山口まで(高速利用で)30分ほどしか掛からないと思われたため、いつもよりは遅い就寝とし、ゆっくり?と5時半に起床しました。 準備をして6時頃出発すると、安全を見て高速道で荘川ICへと向かいます。
道路の温度計は氷点下9度とこの辺りとしては温かい?朝のようです。 荘川ICで降りると、国道158号線を少し戻ります。 程なく寺河戸へのY字路が見えてくるので、これを右に入って橋を渡り右折して行きました。
集落のよく除雪された道を奥へと進むと、所々凍結路となっていますが、思っていたほどではありません。 出発地とした林道分岐は、まったく除雪されずに雪に埋もれています…。 その先から、車幅が狭まり凍結路となっています。 手前に2箇所ほど駐車可能地があったので、そこに停めて出発の準備をします。
周りの積雪量は思ったほどではなく、1.5~2mといった所です。 雪の状態はこの時期としては固くよく締まっているようでした。 念の為、ワカンとピッケルをザックに括りつけ、手にはスノーシューを持ち先ほどの林道へと降りていきます。
手前の除雪置き場に人の足跡がついており、斜面を降りて(登って)います。 この足跡を追って林道へショートカットして行きました。 すぐに橋がありますが、そこには釣り師か猟師のワカン跡だけが付いていました。 この先は完全な雪道となるので、ここでスノーシューを装着していきます。
橋を渡り雪に埋もれた林道を歩いていきます。 スノーシューやストックの沈み込みは5cm程と少なく、表面の雪質も良いので今回も問題無さそうです。
蛇行する林道を無視し、そのまま奥へ進むと、沢沿いに植林帯の間を縫う道となりました。
このまま林道歩きをするか悩みますが、途中比較的緩い尾根が登っており、ここから取り付くことにしました。
5cm下の雪はガリガリに凍っているので、スノーシューの刃がよく効いて急登も問題ありません。 一気に登って行くと傾斜が緩み、細尾根となりました。
樹間から主尾根と思われる稜線が見えているので、そこへと進んでいきます。 稜線に近づくに従って、陽が差し込み始めて来ました。
程なく予定していた主稜線に合流すると、広い尾根が南方面に続いていました。
ここから暫くは、自然林の雰囲気の良い道を歩いていきます。
思ったよりも早く、出発から30分程で初めのピークに到着しました。
すぐ先で左手から植林帯と合流しました。 その樹林帯のすぐ下まで林道が延びているのか、木々の間から道らしき物が見えています。
地図には東の寺河戸川から登っている林道は途中で切れていますが、その林道が延長されているのか唐突に林道と合流しました。(衛星画像で確認すると、林道が尾根沿いに上がっていました)
広い林道で現役で利用されているようですが、1m以上の雪に覆われ流石にこの季節は通る車は無いようです。 その林道は向かう尾根沿いに延びていました。
林道から後方を望むと、いつの間にか標高が上がっており、白山方面の展望が広がり始めていました。
林道はショートカットして尾根沿いに歩いて行くと、前方が明るくなってきました。
そこに歩いて行くと、東斜面が広範囲に伐採された広場へと出てきました。
伐採された広場
その広場を取り囲むようにボコボコと柵と思われる跡が分かります。 夏場は牧場なのか、何かを栽培しているのか謎ですが、よい展望が望めました。
広場の脇を通り奥へ進むと、緩やかな傾斜の道が続きました。
この辺りから、カラマツなどに混ざりブナが目立ち始めます。
立派なブナが残る
前方に白い斜面が見えて来ると、1438mへの登りとなりました。
ここまで傾斜が緩く樹林帯で展望がありませんでしたが、斜面途中からは後方や右手に展望が広がり始めました。
展望を見ながら斜面を登りつめると、赤い境界標識が木に付けられたピークに到着しました。
ここまで登ると、右手に奥美濃や白山の山々を見ながらのスノーハイクとなります。
展望地からのパノラマ
ひときわ目立つ荒島岳の横には、週末予定している木無山と巡る尾根まで、詳細に確認出来ました。
銀杏峰・部子山(左奥)、毘沙門岳(左)、荒島岳(中央)、木無山(中央右)など
展望を見ながら気持よく気が付くと1531mピークへと登っていました。
書籍(美濃の山 第2巻)によると、この1531mから1585mピークまでを「兎ヶ馬場(うがばば)」と呼ばれていたようです。 その名の示す通り、至る所にウサギやイノシシ、それにタヌキと思われる足跡が縦横に見られました。 その「兎ヶ馬場」が訛って「ウサンババ」と呼ばれていて、更に山名を収集する際に聞き間違え、「オサンババ」を山名にしたとの事です…。
ここに来て、ようやく前方にその山名となっているオサンババが見えてきました。
緩やかな登りが続きますが、尾根が複雑に入り乱れ進む方角に悩みます。 右斜面が樹林のない雪道となるので、そちら沿いに登っていきます。
下の谷間を見ながら1585Mピークへと登って行きます。
1585mピーク手前からは、180度遮る物がなく展望か広がります。
1585mピーク手前からのパノラマ
そして1585mピークに到着しました。
ここまで登りはじめて東方面の展望も広がります。 間近に木曽御嶽山と、その左に乗鞍岳から北アルプス南部の山々が連なるのが見えていました。
1585mピークから木曽御嶽山(右)と乗鞍岳(左)
北アルプス(立山から南部)
また白山方面もこの時間になり、紺色の空に白い山々が映えて見えていました。
ここまで来るとオサンババはすぐでした。
右に白山を左に御嶽山や北アルプスを見ながら、気持ちのよい稜線歩きとなります。
見られると思っていませんでしたが、樹木に付着した樹氷も見られ文句ない状態です。
前方にピークが見えてきて、そこを廻り込むように登って行きました。
少し登ると周囲の山々が一段と綺麗に見えてくるので、中々山頂へと辿り着けません・・・。
オサンババから白山を望む
そして出発から3時間弱と予定より1時間以上早く、オサンババ(三角点)に到着しました。
オサンババには近くのスキー場から誰か登っているかと思いましたが、人の姿はまだしも足跡すら見あたりません。 しかし、この先に10mほど高い最高点があり、そちらから人の話し声が聞こえてきました。
そのピークに向かって歩いて行くと、驚いたことに10名以上の登山者がピーク付近に屯しています・・・。 この最高点ですが、展望は三角点峰よりは悪く、白山方面が良く見えません。
混雑する最高点には帰路寄ることにして、予定通り南方面に見える「烏帽子岳」へと向かいます。
しかし、この時間から南方面より一気に雲が立ち込め雨が降ってきそうな天気となります。 最悪、ガスって来たら撤退だなと考えながら、ゲレンデとの分岐付近まで100mほど降りて行きました。
ゲレンデ分岐を過ぎ、烏帽子岳方面へと足を踏み入れると、こちらは以外にも人の足跡は付いていません。 ここからも稜線沿いに南下して幾つかのピークを通過します。
奥にハッキリと烏帽子岳が見えてきました。 ここまで、1153m峰、1500m鞍部、1560m峰と上下に歩き、そしてまた1140m鞍部へと降りていきます。
奥に烏帽子岳が見えてくる
山頂への最後の大きな登りとなる斜面が前面に迫ってきます。 しかし、ここまでの高低差から、流石に疲れが出て足が鈍って来ました…。
後ろを振り返ると、先ほどまでいたオサンババが見えています。
次第に傾斜が緩み、奥に山頂と思われるピークが見えてきました。
平坦な山頂部をピークに向かって歩いて行くと、オサンババ(最高点)から1時間半弱で烏帽子岳に到着しました。
烏帽子岳からは、残念ながら南部の展望はありません。 しかし、北東斜面からは遠く北アルプスなどが見えていました。
烏帽子岳からパノラマ
ここで休憩とし、山頂から少し降りた斜面で風を避けながら昼食にしました。 温かいカップ麺とパンなどを食べて体力が復活して行きます。
先ほど通過したピークを見ていると、オサンババにいた団体登山者もこちらに向かっているのか、姿が見えます。 昼食後、帰路はピストンとなりそれなりに距離があるので、早々に下山することにします。 先ほどの団体登山者とは、途中ですれ違い、総勢13名だと分かりました。
帰路は来た道を戻りますが、団体登山者の圧接した踏跡や、簡易ソリで滑った跡などで、急斜面の登りは歩きやすくなっていました。
帰路も1時間半程でオサンババの最高点に到着すると、先ほどは撮影できなかった山頂標識(個人のもの)を撮影し、奥の展望地まで降りていきます。
オサンババの三角点から、更に降りた展望適地まで来た所で、時間に余裕があるのでおやつタイムとして行きました。 最近飲んでいるココアとパウンドケーキで一息つけながら、一時的に回復した展望を見て行きます。
休憩後は、一気に下って行きました。 途中、遠目にカモシカを見かけますが、珍しく脱兎のごとく逃げていきます…。 下山時も雪はあまり緩むこともなく、順調に標高を落として行きました。 その為、途中の謎の広場から寺河戸川沿いに林道を歩こうかと考えていましたが、最短距離となる自分の足跡を追いながら降りて行きました。 そして展望地から1時間40分程で駐車地へと無事戻ってきました。
帰路は高山へと戻りますが折角なので、荘川IC近くの温泉にゆっくり浸って行きました。
おど+