【日 付】 2014年3月9日(日)
【天 候】 晴れ一時曇り
【山 域】 奥美濃
【メンバー】クロオ、kitayama-walk
【コース】 7:30西俣出合(駐車地)-9:25JCTピーク-10:10P1075-12:05▲蕎麦粒山13:30-14:30 P1075 14:40-15:10JCTピーク
-16:00西俣出合(駐車地)
- GPS軌跡図
今年は、奥美濃の山-黒津山、湧谷山、上谷山、ミノマタと登ってきた。次は奥美濃のど真ん中に位置する蕎麦粒山に登ろうと考えていた。これまで無雪期
には一度登ったことがあるが(2012/11/3)、積雪期の登頂はない。蕎麦粒山に登頂するなら晴天の日に限るということで機会を窺っていたところ、3/9が天気
がよさそうだ。クロオさんも蕎麦粒山を狙っていたので声を掛けて一緒に登ることにした。
冬期登頂の場合は、やはり西俣出合から西尾根経由でピストンするのが基本であろう。西俣出合からアラクラ→黒津山→五蛇池山→小蕎麦粒→蕎麦粒山
→P1075→JCTピーク→西俣出合という周回コースも考えられるが、これは雪が締まっているときでないと完遂することができない。従って、今回は基本どおり
ピストンすることにした。参考にさせてもらったのは、2013/2/5の山日和さんと2011/4/11のbiwacoさんの山レポだ。
今日の待ち合わせは、道の駅「さかうち」に午前7時ということだったが、ちょうど時間ぴったりに到着すると、クロオさんが待っていた。聞くと、今朝ここで山日
和さんに遭遇したと。何でも山日和さんは烏帽子山と高丸に登るということで、すでに出発したとか。私たちも急ぐことにし、遊らんど坂内スキー場に向かった。
ここからどこまで車で入れるかと思い、林道を進むと途中多少落石があったものの、西俣出合まで入ることができた。身支度を整えて出発することにした
(7:30)。
まずは大谷川の渡渉だ。この時期、水量は少ないので飛び石伝いに渡渉した。登山道が整備してあることは無雪期の登山でわかっていた。尾根の取り付き
からいきなり直登するのではなく、一旦左方向に回り込むように登山道がある。折り返しからジグザクを切って尾根に登ることになる。このあたりから積雪が出
てきた。大した雪ではないが、昨晩降ったものと思われる。この登山道は少し急登ではあるが、汗が噴き出してきたのでヤッケを脱いで体温調節をした。ちょう
ど湧谷山が見える地点だ。空は晴れていて、これからもっと青くなってくるだろう。樹間に蕎麦粒山の姿が見えてきた。西尾根が白くなっている。 左に回り込む
ようにして次の尾根に取り付いていく。 次第に雪が多くなってきたところでスノーシューを装着することにした。やがて自然林がブナ林に変わってきたが、天気
の方もさっきまで青空だった空に雲が広がってきて、蕎麦粒山も雪が舞っているみたいだ。
やがてCa1000mのJCTピークにやってきた(9:25)。天気はますます悪くなってきて小雪がちらついてきた。ここから蕎麦粒山が見えるのだが、うっすらとしか
見えない。テンションが大いに下がってきた。しかし、今日の天気予報は晴れなので、これは一時的なもので、そのうち回復してくることを信じて蕎麦粒山に向
かうことにした。JCTピークからは右に直角に曲がる北上していくことになる。 これからしばらくは前方に蕎麦粒山を見ながら稜線漫歩になるところだが、生憎
うっすら見えるだけだ。しかし、進むに連れて曇り空に青空が出てきた。おお、天候回復の兆しだ。 P1075の手前のピークまで来ると、蕎麦粒山がくっきりと見
えてきた。左手には高丸と烏帽子山が白く光っているのも見える。いい感じだ。もう一登りでP1075に到着した(10:10)。 ここから眺める蕎麦粒山は大きく、西
尾根がすらりと延びているのがよくわかる。ピークから少し北方向に歩けば、さらによく見える。
- P1075から蕎麦粒山を望む
P1075で小休止してから、西尾根に向かうことになるが、ここからは一旦鞍部に下り、約280m登り返すことになる。この鞍部への下りはいわゆる二重山稜に
なっていて、無雪期には左側の尾根を急降下していくことになる。そのイメージがあったので左側の尾根から急降下してしまった。鞍部は小さな尾根に挟まれ
た谷間になっていて、ブナの木があるいい感じのところだ。左手の尾根に大きなブナが林立している。谷間からこの尾根に乗り上がった。ここからいよいよ西
尾根の登りが始まるのだ。前方を見ると、尾根には雪庇ができていて、右側が切れ落ちている。無雪期にここを下ったことがあるが、登山道が作ってあったも
のの、結構ヤブっぽいところで、シャクナゲが茂っていて、何か所か左側を巻いていた記憶があった。 尾根芯を進むと、案の定シャクナゲに阻まれたところに
突き当たった。左側を巻こうと試みたが、それでもスノーシューがシャクナゲに引っかかり、歩きづらいので、 スノーシューを外すことにした。しかし、急斜面に
なっていて、ここは雪が固くなっている。アイゼンがほしいところだが、ここは我慢してシャクナゲの枝につかまってよじ登った。再び尾根芯に出たところで、左
側の眺望が得られた。越美国境の山々が白く輝いている。ピラミダルな烏帽子山となだからな高丸だ。今日は山日和さんがここに登っている。そして、その2
つの間には三周ヶ岳が頭を覗かせている。左の方には夜叉ヶ丸、三国岳、左千方と、いずれも昨年登った山が見える。結局、今回は左を巻いたのは2回だけ
だった。よく見ると、木の枝が切除してあって、登山道になっていることがわかった。再びスノーシューを装着した。
- P1075から下った鞍部は二重山稜になっている
- 雪庇の右側が切れ落ちている西尾根
前方を見上げるとまだまだ雪庇の尾根芯が続いている。 次第の高度が上がってくると樹氷が出てきた。 今日は気温が低いので昨晩できたものであるが、
気温が上がるに従って樹氷も落ち始めていた。 そして、やっと雪庇の向こうに蕎麦粒山の山頂と思われる雪の頭が見えた。あともう少しだと思うと俄然元気
が出てきた。エッサホイサとスノーシューを蹴る足も軽やかだ。踏み跡の全くない山頂に到着した(12:05)。出発から4時間半かかったことになる。山頂からの
眺望は遮るもののない360度ぐるりの大パノラマが広がっていた。尾根の正面に能郷白山とイソクラ、その左には、若丸山、冠山、金草岳、千回沢山、不動山、
笹ヶ峰、美濃俣丸、烏帽子山、三周ヶ岳、高丸、夜叉ヶ丸、三国岳、左千方と並んでいる。右には、小蕎麦粒、五蛇池山、雷倉、花房山、小津権現山、湧谷山、
貝月山、ブンゲン、金糞岳のラインナップである。 山日和さんは今頃烏帽子山でランチタイム(後で12:53~13:58とわかった)を楽しんでいるだろうかとクロオ
さんと話が弾む。
- 蕎麦粒山の山頂である
- 越美国境の山々が見える
ほぼ快晴の下、そして風もなく、暖かい。お腹も空いた。一通り写真を撮り終えたらランチタイムである。今日は、クロオさんも得正のカレーうどんを持ってき
ていたので、二人とも同じメニューになった。 得正は大阪を中心に店舗をもっているカレーうどんの店であるが、日清とコラボでカレーうどんを発売している。
アルミ鍋(一人前)と袋(二人前)があるが、もちろん後者が割安になっている。刻んだ野菜、豚バラ肉、天ぷら(練り物)を入れたカレーうどんが出来上がるま
でに、おにぎり1個を頬張りながら缶ビール(ロング)で乾杯だ。ビールの味が喉に染み渡って美味い。 甘辛のカレーうどんがまた美味い。山頂での大パノラ
マを楽しみながらのランチタイムはあっという間に過ぎてしまう。 いつしか時間は1時半になっていた。天気がよいので立ち去りがたいが、そろそろ下山に取
りかかろう。
- 缶ビール(ロング)で乾杯だ!
- 能郷白山(左)と小蕎麦粒、五蛇池山
下山はピストンなのでP1075手前の鞍部からの登り返しが少しあるだけで、あとは下り一方なので気が楽だ。おそらく4時までには駐車地まで戻れるだろう。
尾根の雪庇の踏み抜きに注意して下っていく。途中でシャクナゲに邪魔されたところでシノーシューを外した。スノーシューを外せば下りは難なく通過すること
ができる。シャクナゲを通過してからもツボ足のまま(アイゼンなし)下ってくことにした。ツボ足の方がキックステップを効かすことにより早く下ることができる。
P1075手前の鞍部の二重山稜は向かって左側の尾根を登ることにした。この方が傾斜が緩く登りやすい。あっという間にP1075に到着した(14:30)。
P1075で小休止して時間調整をする(14:40)。蕎麦粒山にまた少し雲が懸かってきていたが、しばらくするとまた雲散してくれた。ここからホハレ峠に続くJCT
ピークまでは稜線漫歩の箇所だが、往路ではガスっていて眺望がなかった。帰路では往路で見られなかった眺望を目に焼き付ける。行く手には金糞岳、振り
返ると蕎麦粒山、左手には黒津山、アラクラ、そして天狗山だ。気分よくJCTピークまで歩いた(15:10)。 ここまでツボ足で歩いてきたが、JCTピークからのブナ
林の中の下降も、 トレースのない雪面を選んでキックステップを効かすと沈み込むこともなくサクサクと下りることができる。 ブナ林の小台地からさらに下り雑
木林に入ると途端に雪が少なくなった。朝積もっていた雪が溶けてきたのだ。太陽の当たるところは地面が露出している。完全に地面が出ているところはよい
が、ちょっとだけ雪が残っている部分が滑りやすく一度転んでしまった。しかし、そう難儀することもなく早足で下山し、西俣出合の駐車地に到着した(16:00)。
予想どおりの時間であった。