【日 付】 2013年10月27日(日曜)
【天 候】 曇り後晴れ
【山 域】 鈴鹿中部
【メンバー】 クロオ、kitayama-walk
【コース】 御池川林道駐車場-ノタノ坂-廃村茨川-蛇谷分岐(西尾根取付)-藤原山荘-オフ会会場-天狗岩-藤原山荘
-藤原岳展望台-多志田山-迷い尾根分岐-(迷い尾根)-P845-廃村茨川-ノタノ坂-駐車地
http://kitayamawa.exblog.jp/21251663/
- GPS軌跡図
10/27のやぶこぎオフ会の参加山行ですが、オフ会の内容ではなく、オフ会参加の行程についてのレポなので、通常の
「山フォーラム」として投稿します。
今年5月以降、鈴鹿の山に久しぶりに戻ってきた。藤原岳(藤原山荘と天狗岩の中間地点付近)でやぶこぎオフ会が開
催されるというので、どういうルートでアクセスすべきか思案した。三重県側からのルートではちょっと面白くないので、やは
り滋賀県側からのルートにすることだけは決めていた。ルートの候補としては、往路は、①土倉岳経由かT字尾根経由で
御池岳のテーブルランドに登り、県境稜線伝いに藤原岳をめざす、②廃村茨川から茶屋川本流を遡行し、真の谷から県
境稜線にある白船峠に登り、藤原岳をめざすことを考えた。復路は、①藤原岳の西尾根を下って蛇谷分岐から廃村茨川
に戻る、②県境稜線を南下し、迷い尾根分岐点から迷い尾根を廃村茨川に下るというルートである。
問題点は2つ。ひとつは、廃村茨川までの林道を通行して廃村茨川まで行けるかどうか。もうひとつは台風27号通過直
後で茶屋川が増水しているであろうことから遡行ができるどうか、また廃村茨川のところで渡渉ができるかどうかというこ
とであった。
単独行では少し不安もありクロオさんに声を掛けたところ、クロオさんも滋賀県側からのルートを考えていたことから同
行することになった。午前7時に御池川林道の駐車地(小又谷入口)に集合した。まだ小雨が降っていてテンションが上が
らない。帰りは、時間的制約(日没)もあって、やはり廃村茨川経由にならざるを得ないことから、廃村茨川の茶屋川の渡
渉ができるかどうかの確認が必要ということになり、取りあえずノタノ坂を越えて廃村茨川まで行ってみることにした。色々
と意見を出し合っているうちに、小雨も止んで少し青空も広がってきた。また登山者の車が2台入ってきた。多分、土倉岳
経由か、T字尾根経由で御池岳に登るのだろう。
出発は7:30となった。林道を歩き始めると、すぐに小さなコンクリート縁堰の渡渉があり、これは駆け足で渡ることができ
た。小又谷を左に見送り、送電線巡視路に沿って谷を詰め、小さな鉄橋を渡り、山腹に取り付くとジグザグ道を登ると、す
ぐにノタノ坂に到着した。2年前にここから土倉(はぜくら)岳を経由して御池岳に登ったことがあるが、今日は茨川に下る。
ノタノ坂から茨川への道は初めてである。最初はトラバース道であったが、すぐに溝状の道となり、さらにジグサグ道とな
って下降していく。テープもあり、道としてははっきりしている。やがて小さな支谷に降り立った。この谷の左岸沿いに踏み
跡が続いており、しばらく行くと左手下に廃村の建物が見えてきて、茶屋川右岸に降りた。
- 茶屋川の濁流を渡渉するクロオさん(茨川で)
今日の茶屋川はいつもの清流と違い、濁流となって流れが速い。しかし、流れの幅はそう広くないので、何とか渡渉が
できそうであった。私は、十分防水を効かせた登山靴にロングスパッツ装備で駆け足(4、5歩)で渡り切ったが、ほとんど
浸水はなかった。クロオさんは、ゴミ袋を脚に履いてゆっくりと渡ったが、ゴミ袋が川底の石で破れて浸水の憂き目に遭っ
た。これで帰りにここに戻ってくれば無事に帰還することができるとの確信が得られたので、復路は県境稜線から迷い尾
根を下ることにした。しかし、この濁流では茶屋川本流は遡行することができないので、藤原岳西尾根の取付きである蛇
谷分岐までは茶屋川の左岸を高巻きに歩くことにした。
廃村茨川には、滋賀県立八幡工業高校山岳部の小屋(茨川前進基地と書かれている)と名古屋大学ワンゲル部の小
屋がある。前者はまだ管理がなされているようであるが、後者は老朽化が進んでいて利用できるようなものではない。
名大小屋の横手から茶屋川左岸に沿って歩き始めた。やがて大きな蛇行があるところでは、大きく高巻きをせざるを得
なくなり、かなりの斜度のある山腹を登り、尾根を歩くことにした。その後、薄い踏み跡が見つかり、これが高巻き道だと
思い、調子に乗ってかなり進んだ。もうそろそろ蛇谷出合に着いてもよさそうだとGPSで確認したところ、すでに蛇谷左岸
の山腹をかなり遡っていた。高巻き道と思い込んだのは、蛇谷を遡行する道だったのだ。ここで蛇谷に下降し、蛇谷は
増水がさほどでもなかったので登山靴で歩くことができた。蛇谷分岐まで戻り、見覚えのある藤原岳西尾根の標識を確
認し、やれやれである。廃村茨川を出発して、ここまで1時間以上かかっている。茶屋川本流が遡上できれば30分のと
ころが倍以上かかってしまった。
蛇谷分岐で小休止の後、藤原岳西尾根への取付きを登り始めた。最初からかなりの急登を強いられる。やがて左側は
植林、右側が自然林の尾根道となり、P893の手前で善右ヱ門谷分岐から登ってくる尾根道(地形図に記載されている)
と出会った。このあたりが少し不鮮明であり、西尾根を下ってきた場合には迷いやすいところである。西尾根に乗ると自
然林の中の登りとなる。P893から少しは傾斜が緩やかだが、その後急登になってきた。尾根芯に沿って登っていくと、や
がて傾斜が緩やかになってきた頃、左手の眺望が開け、正面に藤原岳展望台(1140m)が見え、山肌が紅葉している。
南側には下山に歩く県境稜線、その向こうには静ヶ岳と竜ヶ岳も姿を見せている。時刻は11:05、オフ会開始時刻の11:
30まで25分しかない。ここで藤原岳展望台に直進せず、トラバース道を藤原山荘に行くことにした。どうせ帰りには展望
台を通過するからである。藤原山荘には11:20に到着し、それから石灰岩のカレンフェルトの庭を通過し、オフ会会場に
は11:30ちょうどに到着することができた。
- 西尾根から藤原岳の紅葉を望む
オフ会は2時間の予定どおり終了となった。帰りは県境稜線を南下する予定であるが、せっかくなので天狗岩に立ち寄
ることにした。天狗岩からは、藤原岳の紅葉が見え、さらに登ってきた西尾根、その向こうに迷い尾根が見える。さらに県
境稜線の向こうには、銚子岳、静ヶ岳、竜ヶ岳、そのまた向こうには御在所岳、雨乞岳の姿も望めた。また、西方向には、
土倉岳からテーブルランドへの稜線、その向こうには天狗堂とサンヤリが眺望できた。
- 天狗岩から藤原岳展望丘を望む
さて時刻は14時前だ。そろそろ急がねばならない。天狗岩から引き返して、再びカレンフェルトの道を進み、藤原山荘の
前を通過して、展望台に駆け上った。展望台からは、西尾根とこれから歩く県境稜線や迷い尾根も確認できる。天狗岩で
は見えなかった御池岳と霊仙山の姿も見ることができた。もう14:30を回ったので県境稜線を下ることにした。藤原岳展望
台の先からは石灰岩のゴロゴロした尾根を急降下だ。慎重に下る。石灰岩がなくなってもまだ急降下が続く。登山道は少
し山腹に入っているようだが、尾根に沿って下っていけば問題はない。やがて孫太尾根分岐点となる多志田山(P965)に
やってきた。ここで県境稜線は右(西)にほぼ直角に曲がっている。県境稜線は小さなアップダウンを繰り返しながら、迷い
尾根分岐点までやってきた(15:15)。ここを直進すると迷い尾根に入ってしまうので、ここには標識があって、迷い尾根に
踏み込まないように注意を促している。また、迷い尾根の入口にはトラロープが張ってあった。
- 迷い尾根分岐点の標識
私たちは、敢えて迷い尾根を下るのだ。尾根に入ると、まずP845ピークに登る。この次のピークで尾根が別れており、右
に行けばP743を経て蛇谷分岐に近い茶屋川に下ってしまう。ここでは左に行くことになる。事前に山日和さんに尋ねたとこ
ろ、迷い尾根を下るのが最も早く廃村茨川に着けるルートで、この分岐さえ注意すれば、危険箇所もなく踏み跡もしっかり
しているので問題ないとのこと。山日和さんのアドバイスどおり、迷い尾根はテープもちゃんとついていて、問題なく歩くこと
ができた。最後は名大小屋の前に着地した(15:45)。廃村茨川に16時までに着ければOKと思っていたので一安心した。
茶屋川の水量は、少しは減っているかと思ったが、午前とほとんど変わらなかった。再び濁流を渡渉して、ノタノ坂への道
を登る。最後にこの登りが堪えるかと思ったが、オフ会で2時間の休憩時間があったせいか、まだ余力があり、ノタノ坂mで
30分で登り返すことができた。あとはゆっくりと御池川林道の小又谷駐車地までの下り道を歩いて戻った(17時到着)。
<コースタイム>
7:30御池川林道駐車場-8:05ノタノ坂-8:35廃村茨川8:50-10:00蛇谷分岐(西尾根取付)-11:20藤原山荘-11:30オフ
会会場13:30-13:40天狗岩13:50-14:05藤原山荘-14:15藤原岳展望台14:30-14:50多志田山-15:15迷い尾根分岐-
(迷い尾根)-15:20P845-15:45廃村茨川16:00-16:30ノタノ坂-17:00駐車地