ネットで庵ノ谷の遡行記録を検索してもでてくるのは沢ナビの記録だけ。沢屋からはほとんど無視された谷のようだ。しかし,沢ナビを見ると上流にはコウセン滝という名瀑があるという。初級者向けの谷のようだし,闇鍋オフ会場が雨子庵に変更になったので帰りがけの駄賃で行ってこようか。
【 日 付 】2013年10月6日(日)
【 山 域 】台高・迷岳付近
【メンバー】単独
【 天 候 】曇り時々小雨
【 ルート 】庵ノ谷林道架線場駐車地 9:20 --- 10:30 コウセン滝 --- 11:30 大熊谷ノ頭近く稜線 12:20 --- 14:10庵ノ谷林道架線場駐車地
庵ノ谷林道入口のゲートをすり抜けて,入渓地点の架線場に着くと林業作業のトラックが一台。でも人はいない。今日は日曜日で作業は休みだろう。沢装束に着替え,いざ出ようとすると小雨がぱらついてくる。「これはだめかな」。「温泉」の2文字が頭にちらつく。車中で様子を見ているとだんだん小降りになってくる。「温泉」の2文字が小さくなってゆく。そのうちやんだので出かけることにする。しばらく歩くと定石通りまた降ってきた。
- 架線場
「これは台高の女神様の仕業だな」。ちょっぴりすねて意地悪な女性みたいに魅力的だ。でもおいでおいでと言っているし。自分は台高の女神様には好かれているような気がする。これまで台高で嫌な目にあったことがない。
- 入口付近の斜滝 快適にこえて行ける
架線場からのびている作業道を歩き,最初の堰堤を越えたところを徒渉し,2番目の堰堤を右岸から越えると斜滝が現れる。ちょっぴり二日酔いの身には目覚ましにちょうどいい。快適に越えて行くと,8m滝が現れる。滝の中間部の流芯を右から左にトラバースすると行けそうなんだけど。でも今日は水量が多いので水流に押されて一気に滝壺へ転落しそうだし。単独では無理は禁物。大人しく左岸を巻くことにする。
- 8m滝 左岸巻き
その上の5m滝も一緒に巻いてしまう。
- 5m滝
小滝を2,3個越えると3段25mの滝が現れる。この滝も2段目までは登れそうなんだけど。と思いながら,やっぱり巻くことにする。右岸のルンゼを巻いて滝口に出る。「やっぱり台高は巻きが多いな。」ピッケルを持ってきた方が良かったかも。
- 3段25mの滝 右岸ルンゼを巻く
その上の斜滝をいくつか越えるとしばらくゴーロ歩きになる。沢ナビでは伐採木で歩きにくいと書いてあるが,それほどでもない。しばらく歩くと右俣に5mと10mの斜滝が見える。「この滝を登っても面白いだろうな。」
- 右俣の2連滝
そのまま本流を進むと,右俣に大きな滝が。有名なコウセン滝だ。「沢ナビ」によると落差40mほどだという。高いので水流がそのまま下に届かず,霧雨状になって 降り注いでいる。登山道がないので,訪れる人が滅多にいない台高の秘瀑だ。左岸を巻いて滝口に登れそうな気がする。地図を見ると滝口近くに林道が来ているので,その林道を下山路に使えそうだけど。でも,それは次回の楽しみにしておこう。
- コウセン滝
戻ってそのまま本流を歩いて行く。沢ナビではその次の二俣を左俣に入っているが,右俣の方が歩きやすそうなので本流である右俣を行くことにする。右俣に入るとしばらくして水流が細くなり,急斜面を登ると大熊谷ノ頭近くの稜線にでた。ここで沢装束を脱ぎ,昼食にする。
- 大熊谷ノ頭付近の稜線
このまま大熊谷ノ頭から林道で下山してもいいんだけど,まだ12時過ぎ。下山にはちょっと早すぎるので,迷岳へ散歩に行ってこようか。迷岳方面に歩き始めるが,登りで嫌気がさす。「迷岳はもう何度も行ってるし,こんなガスガスの日に行ってもあんまり面白くないし今日はやめとくか」。気が変わってP1285の西隣のピークを左折し,布引谷左岸尾根に乗る。この尾根は初めてなのだが,この辺りは地形が複雑で迷いそう。GPSとコンパスを片手に方向を決めながら歩いて行く。P1195で左折し,P943まで真西に稜線をたどる。P943からは南西方向に急斜面をしゃにむに降りれば架線場に着くはずだ。鈴ハイの人たちが去年この斜面を登っているので,降りられないことはないはずだ。幸い岩嵓などもなく,架線場近くにドンピシャで降りることができた。時刻はまだ2時過ぎ。のんびりスメールの湯に浸かって帰ろうか。
庵ノ谷は沢ナビでは「荒れた感じ」と書いてあるが,実際に行ってみると直登できる斜滝が多く,今回巻いた滝でも複数で行けば楽しくチャレンジできるようなところが多かった。フリクションがよく効くので,楽しい沢登りだった。今回はバリエーションルートで下山したが,大熊谷ノ頭から林道を使って下山すれば楽に下山できるだろう。
ところで「庵ノ谷」の読み方だが,沢ナビでは「いぼのたに」となっているし,「あんのたに」と呼ぶ人もいるのだが,どっちが正しいのだろうか。
ネットで庵ノ谷の遡行記録を検索してもでてくるのは沢ナビの記録だけ。沢屋からはほとんど無視された谷のようだ。しかし,沢ナビを見ると上流にはコウセン滝という名瀑があるという。初級者向けの谷のようだし,闇鍋オフ会場が雨子庵に変更になったので帰りがけの駄賃で行ってこようか。
【 日 付 】2013年10月6日(日)
【 山 域 】台高・迷岳付近
【メンバー】単独
【 天 候 】曇り時々小雨
【 ルート 】庵ノ谷林道架線場駐車地 9:20 --- 10:30 コウセン滝 --- 11:30 大熊谷ノ頭近く稜線 12:20 --- 14:10庵ノ谷林道架線場駐車地
庵ノ谷林道入口のゲートをすり抜けて,入渓地点の架線場に着くと林業作業のトラックが一台。でも人はいない。今日は日曜日で作業は休みだろう。沢装束に着替え,いざ出ようとすると小雨がぱらついてくる。「これはだめかな」。「温泉」の2文字が頭にちらつく。車中で様子を見ているとだんだん小降りになってくる。「温泉」の2文字が小さくなってゆく。そのうちやんだので出かけることにする。しばらく歩くと定石通りまた降ってきた。
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「これは台高の女神様の仕業だな」。ちょっぴりすねて意地悪な女性みたいに魅力的だ。でもおいでおいでと言っているし。自分は台高の女神様には好かれているような気がする。これまで台高で嫌な目にあったことがない。
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架線場からのびている作業道を歩き,最初の堰堤を越えたところを徒渉し,2番目の堰堤を右岸から越えると斜滝が現れる。ちょっぴり二日酔いの身には目覚ましにちょうどいい。快適に越えて行くと,8m滝が現れる。滝の中間部の流芯を右から左にトラバースすると行けそうなんだけど。でも今日は水量が多いので水流に押されて一気に滝壺へ転落しそうだし。単独では無理は禁物。大人しく左岸を巻くことにする。
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その上の5m滝も一緒に巻いてしまう。
[attachment=3]P1040406.jpg[/attachment]
小滝を2,3個越えると3段25mの滝が現れる。この滝も2段目までは登れそうなんだけど。と思いながら,やっぱり巻くことにする。右岸のルンゼを巻いて滝口に出る。「やっぱり台高は巻きが多いな。」ピッケルを持ってきた方が良かったかも。
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その上の斜滝をいくつか越えるとしばらくゴーロ歩きになる。沢ナビでは伐採木で歩きにくいと書いてあるが,それほどでもない。しばらく歩くと右俣に5mと10mの斜滝が見える。「この滝を登っても面白いだろうな。」
[attachment=5]P1040415.jpg[/attachment]
そのまま本流を進むと,右俣に大きな滝が。有名なコウセン滝だ。「沢ナビ」によると落差40mほどだという。高いので水流がそのまま下に届かず,霧雨状になって 降り注いでいる。登山道がないので,訪れる人が滅多にいない台高の秘瀑だ。左岸を巻いて滝口に登れそうな気がする。地図を見ると滝口近くに林道が来ているので,その林道を下山路に使えそうだけど。でも,それは次回の楽しみにしておこう。
[attachment=6]P1040422.jpg[/attachment]
戻ってそのまま本流を歩いて行く。沢ナビではその次の二俣を左俣に入っているが,右俣の方が歩きやすそうなので本流である右俣を行くことにする。右俣に入るとしばらくして水流が細くなり,急斜面を登ると大熊谷ノ頭近くの稜線にでた。ここで沢装束を脱ぎ,昼食にする。
[attachment=7]P1040426.jpg[/attachment]
このまま大熊谷ノ頭から林道で下山してもいいんだけど,まだ12時過ぎ。下山にはちょっと早すぎるので,迷岳へ散歩に行ってこようか。迷岳方面に歩き始めるが,登りで嫌気がさす。「迷岳はもう何度も行ってるし,こんなガスガスの日に行ってもあんまり面白くないし今日はやめとくか」。気が変わってP1285の西隣のピークを左折し,布引谷左岸尾根に乗る。この尾根は初めてなのだが,この辺りは地形が複雑で迷いそう。GPSとコンパスを片手に方向を決めながら歩いて行く。P1195で左折し,P943まで真西に稜線をたどる。P943からは南西方向に急斜面をしゃにむに降りれば架線場に着くはずだ。鈴ハイの人たちが去年この斜面を登っているので,降りられないことはないはずだ。幸い岩嵓などもなく,架線場近くにドンピシャで降りることができた。時刻はまだ2時過ぎ。のんびりスメールの湯に浸かって帰ろうか。
庵ノ谷は沢ナビでは「荒れた感じ」と書いてあるが,実際に行ってみると直登できる斜滝が多く,今回巻いた滝でも複数で行けば楽しくチャレンジできるようなところが多かった。フリクションがよく効くので,楽しい沢登りだった。今回はバリエーションルートで下山したが,大熊谷ノ頭から林道を使って下山すれば楽に下山できるだろう。
ところで「庵ノ谷」の読み方だが,沢ナビでは「いぼのたに」となっているし,「あんのたに」と呼ぶ人もいるのだが,どっちが正しいのだろうか。