【 日 付 】13年8月3-4日
【 山 域 】白山
【メンバー】クロオさん、kasaya
【 天 候 】晴れ
【 ルート 】8/3瀬女道の駅===別当出合い8:05---観光新道---12:51室堂---14:30御前大汝峰---16:35七倉の辻---18:36小桜平避難小屋
8/4避難小屋6:50---7:40薬師山---10:10岩間温泉11:24---12:10新岩間温泉12:21===13:25瀬女道の駅
前回白山に行った時に、地元の登山者から白山北部の山について色々話を聞いた。一人で行くなら瀬女道の駅に車を置いてバスで
別当出合いへ行くのがいい。縦走後は歩くか自転車でもデポして戻ればいいとのことだった。その後調べていると、コミュニティ
バスもあることが分かった。これに乗れば自転車のデポも要らないかと喜んだが、念のため確認したら土日は運行していないとのこと。
アララ!まあ本数の少ないバスを当てにして時間を気にしながら歩くより、最初から歩くか自転車がいいのだろうとの結論となる。
決行するにあたりクロオさんが同行してくれることになった。車2台の案もこれで成り立つが、現地までかなり遠い。やっぱり
自転車にしようと2台積んで出かける。初めての道は深夜でもあり瀬女の道の駅を通過してしまった。どうせ自転車デポが必要なので
そのまま進むと白山スーパー林道入り口へ来る。料金所はまだ先だが入り口には自転車と徒歩禁止とある。当初の目論見ではスーパー
林道の途中に自転車置いておくつもりだったが誤算である。仕方が無い。道が細く曲がりくねった真夜中の山道を新岩間温泉まで
進めることとする。目的地の新岩間温泉奥に駐車場らしきところがあり、自転車をデポ。暗いので状況はさっぱり分からないが、
きちんとここに降りてこられるのだろうか。たまにガードレールの途切れるこの山道は落ちたら只ではすまない。慎重にもどり瀬女道の
駅に1時40分ごろ到着。お酒をちょっと飲んですぐに就寝となる。
翌朝6時25分のバスに乗車すべくバス停に並ぶと、年配の3人組がいる。聞けば東京からで昨夜はこの傍のカンポの宿に泊まっていた
そうだ。男性が言うには奥さんに黒百合を見せたいとのこと。室堂の神社横には2週間前にいっぱい咲いていましたよと教えると2週間前
ねと多少懐疑的な言葉。黒百合は花期が長いからきっとどこかで見られますよとクロオさんがフォロー。実際室堂でもまだ咲いていた。
あの人たちも見ることができたのだろうか。
一時間余揺バスに揺られて別当出合に降りる。相変わらずの人だ。前回砂防新道を行ったので今回は観光新道を選択する。急登があり
しんどいが自分の中ではこちらのルートのほうが花の多い印象もあったのだ。しかしやはりきつい。特に昨夜は睡眠不足であり体調は
あまりよくない。それに暑い。普段あまり飲まない水もこうなるとどんどん消費していく。それにしても上空は晴れているのだろうか。
ガスが出ていて頂上辺りはどうなっているかさっぱり分からない。ただ途中ですれ違った人から頂上は良く晴れてますよとの情報を得る。
ガスはこの辺りだけか?
観光新道も尾根に出て花もちらほら見え始めるが、どうもクロオさんのピッチが上がらない。ザックの重さも有るのだろうか、かなり
ゆっくりとした歩行になってきた。黒ボコ岩で小休止。ここは砂防新道との合流点であり若い女性を囲んだグループが写真を取り合って
はしゃいでいる。今までとちょっと雰囲気が違うがにぎやかで良いなあ。
ここからはしばらく弥陀ヶ原の平地を行く。時々雲が切れると白山がその全貌を現したりする。そしてがんばって歩くと突然大きな
小屋と人々々の室堂に到着だ。予定より遅くなったがここで昼食だ。そして水を補給しよう。1時間余ゆったりとしてクロオさんも疲れを
癒す。ただあまり遅いと今夜の目的地に日のあるうちにつけるのだろうかと心配になってくる。
御前峰までは40分の距離。空身なら大したことがないが、体の重い今日は結構堪える。フーフーいいながらの到着である。とりあえず
ここまでこれたことを神社に感謝する。三角点に来るが、如何せん雲が多い。遠くの山はほとんど見られない。まあしょうがないねえ。
ゆっくりしていられないので次を目指す。大汝峰は捲こうかとも思ったが、クロオさんは登っても平気とのことでそのまま登る。御前峰に
比べると人のいない静かな頂上だ。避難小屋があるので一瞬ここで泊まってもいいかと思ったが、やっぱり先へ進む。
- 御前峰
ここから七倉の辻へは意外に長い。這松の中に切られた道を行く。この道が無ければ到底進めないルート。いつできた道か知らないが
最初に作った人はえらいなーと思う。この先はあまり登りも無いと思ったが小さな登りは時々現れる。そして道が急に藪っぽくなって
きた。歩くのに困るわけではないが、今までの高速道路のような道に比べると足元の見えないような状態になったりする。やはり人は
それほど多くないのだろう。時刻はだいぶ遅くなってきた。果たして日没までにつけるのだろうか。単に着くだけでなく本当は夕暮れの
ひと時をサイト近くでマッタリと過ごしたいと願う自分にとってその時間がどんどん失われていくのがさびしい。しゃあないな。
見返り坂という割と単調な尾根を下っていくとついに小桜平への分岐に出会う。やったねこれで後ちょっと。何とか明るいうちに
着けそうだ。そして分岐を過ぎてすぐに小屋が見えた。平地に小さくぽつんと立った小屋。近年新築されたというが概観からは分からない。
ただ広い平地に立つその小屋は大草原の小さな家を思い起こさせるとてもかわいらしいものだった。先客がいるかなと思い近づくが
扉は完全に閉まって人の気配が無い。ガラッとあけて入ると雨戸が閉まっており真っ暗。何も見えない。一度外に出てヘッドランプを
出す羽目になる。中に入ってみれば二人には広すぎる小屋で雨戸を開ければ明るく木の香りも新しい気持ちの良い小屋だった。
いいなあここは。マッタリとした夕べの楽しみは時間が無くて叶わなかったがすばらしい小屋に満足満足。夜、ヘッドランプをつけようと
したら点灯せず。さっきまでは点いていたのに。最近調子が悪くなってきたなと感じていたが、とうとうここでお陀仏となる。クロオさんの
ヘッドランプが有ったので助かったが、一人だったらちょっと不便だったなあ。やっぱり道具はきちんと点検しおかしいと感じたらきちんと
直すなどしないといけない。ちょっと最後に来て反省の一日となる。
- 小桜平避難小屋
翌朝は明るくなってからの起床となる。今日はほとんど下りだけの行程で時刻が気にならないので楽だ。小屋の外で出発の準備をして
いると、水場が目に留まる。近づいてみるとあまり流れは無いが十分にきれいそう。そのままでもよさそうだが煮沸すれば間違いなく使
えそう。そんな水場だった。
さあ出発だ。夕べは急いでいたのでじっくり見られなかったがこのあたりはハクサンコザクラがたくさん咲いている。きれいな奴を
写真に収めながらゆっくり歩く。やがて昨日も来た分岐から薬師山に向かう。最初の下りは草に埋もれた中の苔むした岩の道だ。これが
滑って歩きにくい。つるつるしながら下りていく。この辺りから岩間温泉までで熊の居る確率が高いと聞いていたので多少用心していると
突然人が現れてびっくり。御前峰以北で人に会ってなかったので、ここいらにはあまり歩く人は居ないのかと思っていたのだ。ちょっと
話を聞くと今日は別当出合い間で歩くそうだ。まだかなりあるが、時間的には早い。不安そうにもしていたがきっと歩きとおしたこと
だろう。
薬師岳を過ぎ急な坂を下ると樹木も変わってきたのか松が多くなってきた。地図にはコエト小屋跡の表示もあるが気づかずに通過。
そのままどんどん下っていくと谷底にブルーシートが見えてきた。温泉がいよいよ間近だ。今日の目的はこの温泉に入ることにある。
誰も居ないかと思ったが遠めには既に2人の人が入っている。近づいてみたらご夫婦のようだ。一瞬まずいかなと思ったが特に問題も
無い感じである。結局ご一緒させていただく。元湯は熱いのだろうが、うまく水をひいて調節しているようでいい湯加減だ。
これからまた汗だくで歩かねばならぬが、しばしお湯を満喫する。
- 岩間温泉
お湯の後は食事にしようとするが。クロオさんは疲れているのか木陰を求めて先に歩き出す。自分もパンを少々食べて後を追う。
電信柱の細い影で休んでいるクロオさんと合流して後はチンタラ歩いていく。これでもし自転車がデポされていなかったら気が重い
だろうが、もう楽勝気分である。そして駐車場着。さあ出発だと思ったら自分の奴がパンクしている。ゲー!調べてみるとムシがかなり
劣化している。クロオさんがそれを少しいじって直すが、空気入れが無い。旅館の人に聞いてみようかと声をかけると、その人は
無類の自転車好きだったようで、愛想よく空気入れを貸してくれるのみならず、自分所有のスノー自転車、二駆自転車その他を見せて
説明してくれる。珍しいものがあるんだなあ。町に行ったときはこれでよく走り回るそうだ。ともかくも自転車好きの人でよかった。
- スノー自転車
全体に下りとはいえ途中厳しい坂を手押しで上がったがおおむね順調に瀬女に戻る。途中で檜新宮山道の入り口を見つけので
今度はこっちを使ったルートも歩いてみたいなと思わせる。初めての北部縦走。ハプニングもあったが結果はまずまずで予定通り
完走でいい山旅となった。
Kasaya