
- 珍布峠
【 日 付 】2024年5月9日(木)
【メンバー】単独
【 天 候 】晴れ
【 ルート】近鉄津新町駅 7:16 ---

--- 7:35 松阪駅 7:50 ---

--- 9:20 森 9:30 ---

--- 9:35 乙栗子 大定峠登り口 9:40 --- 10:03 大定峠 --- 10:30 七日市 --- 12:55 田引 (昼食) 13:40 --- 14:51 珍布峠 --- 15:15 飯高道の駅15:40 ---

--- 16:33松阪駅 16:57 ---

--- 17:15 近鉄津新町駅
今回は飯高町乙栗子(おとぐるす)を起点として松阪方面に歩くことにする。森までは三重交通バスが走っているが,それ以降のバスの便はない。森から乙栗子までは約3キロなので歩けないことはないが,飯高町コミュニティー交通があることを知り,試しに使ってみることにした。
前日に電話を入れ,森のバス停に9時半で予約した。三重交通のバスが森バス停に到着するとすでにコミュニティー交通の車が待っていてくれた。通常の乗用車タイプである。運転手の方と話をしながら5分ほどで乙栗子に到着。和歌山街道を大定峠方面に歩くことを伝えると,登り口のところで降ろしてくれた。料金はなんと50円。松阪駅から森までのバス運賃がシニア割引で1300円。バスからの乗り継ぎ割引とシニア割引が合わさってコミュニティー交通の料金がこの値段になるようだ。なんと高齢者に優しい制度であることか。
おまけに,私が出発の準備をしている間に運転手の方が登り口の民家の女性に取付き口を聞いてくれていた。さらに,帰りの足の心配までしてくださった。山村の方のなんと優しいことか。飯高町コミュニティー交通はバスではなく,乗合タクシーの制度で,乗車の1時間前までに予約を入れると,指定時刻に指定場所に来てくれる。乗降場所が決まっているので,どこにでも行けるわけではないが,格安で使い勝手がいい。飯高町の住民ではないのに税金を使って格安で利用させてもらうのは気がひけるが,利用者が少ないと廃止になりかねないので,なるべく利用したほうが良いと思った。

- 大定峠のタヌキ
大定峠への取付きやコースは,三重県が作成したマップとは違っていた。実際のルートは,廃業した理髪店の脇を民家に向かって斜めに登り,民家の脇を通り抜けると峠に向かって続いている。取付き部分はややわかりにくいが,踏み跡はあるのでそれを辿るとすぐにはっきりとした道型になる。古街道らしく,道は緩やかな一定勾配で峠に向かっているので,歩きやすい。

- 民家の横を入って行く
大定峠の手前に来ると,峠の祠のところに小さな動物がいる。タヌキだった。タヌキは街道をこちら側に向かって歩いてきて,私から10mほどのところで立ち止まって何か考え込んでいる。逃げていくかと思いきや,驚いたことに再びこちらに向かって歩き始めた。私を無害と判断したのだろうか。3,4mほどまで近づき再び立ち止まる。ちょっと立ち止まって,考え直したらしく,タヌキはもと来た道を引き返していった。

- 七日市側登り口
峠には役行者を祀った祠があった。峠を越えると道は踏み跡程度になり,あきらかに街道は消失している。明瞭な踏み跡があり,ピンクテープが頻繁に付けられているので,多少とも山を歩き慣れた人なら迷うことはないだろう。踏み跡に従って堰堤を二つ越えると林道にで,林道を辿って七日市に出た。登り口から1時間も経っていない。街道が整備されていた時代を考えると,櫛田川に沿って迂回するよりも峠越えのほうがずっと楽だったことが容易に想像される。

- 大定峠 役行者の祠
七日市からは新旧の国道166号線を櫛田川を常に右に見ながら歩く。新国道は櫛田川を縫うように,右岸,左岸に渡しながら通っているが,昔の和歌山街道である旧国道は常に左岸を通っている。こんなに天気のよくて気持ちのいい日に櫛田川の清流を眺めながらの歩きは楽しい。
眼下に粟野の沈下橋が見える。沈下橋のある風景。以前,熊野古道大辺路を歩いた時に沈下橋のことを書いたが,実は三重県にも結構沈下橋があることを知る。国道を車で走っている時には気が付かなかったが,自分の足で歩くとこれまで知らなかった色々な景色に出会う。

- 櫛田川
田引の旧道はグーさんの実家のすぐ裏手にあたる。グーさんは子供のころこの辺りで水遊びをしたのだろうか。たしかに溺れるような深みもなくて遊ぶにはいい場所だ。田引の唯一の蕎麦屋さんで蕎麦を食べる。高齢の女性が一人でやっている蕎麦屋だったが,美味しかった

- 沈下橋のある風景
赤桶(あこう)で旧道に入り,珍布(めずらし)峠をめざす。舗装された林道は杉林の中をゆるゆると登っていき,珍布峠に着いた。峠には小さなお地蔵様5体が赤いよだれかけをつけてもらって祀られている。両側が高い切り通しになっている。江戸時代にこのように岩を穿つことは大変な作業だっただろうと想像する。

- 珍布峠の切り通し
珍布峠を越えると林道はゆるゆると降り,下り終わると飯高道の駅の近くだった。もう3時も過ぎているので,今日はここで終了することにした。暑くも寒くもない,気持ちの良い快晴の元,櫛田川の清流を見ながらの1日は楽しかった。道の駅始発の三重交通バスに乗って松阪に戻った。