【 日 付 】2012年9月13日(木)
【 山 域 】両白山地/カサバノ谷~三ノ峰
【メンバー】単独
【 天 候 】晴れ
【 ルート 】上小池P6:45-7:30林道終点7:48-5m滝1160m8:12-右岸高巻き-8:55沢復帰9:00-銚子峰谷出合10:08-一ノ峰谷出合10:22-12:05大滝12:35-枝尾根13:00-14:03稜線(水呑釈迦堂跡)14:20-三ノ峰避難小屋14:50-16:15六本檜16:23-17:25駐車場
白山の三ノ峰から南方に延びる越美県境尾根を挟んで岐阜側に「笠羽谷」、福井側に「カサバノ谷」と、同じような名前の谷がある。福井側のカサバノ谷は歩いたことはない。残雪期のほうが歩き易そうだが道路が閉じていて上小池まで入れない。雪のない時期に、沢は素人、体力衰退のbiwa爺に登れるんやろか? 「初めてのお使い」並に不安だらけの未知のゾーンだったのだ。
ところが、ネット情報とは有り難い(恐ろしい)もので、投稿されたレポを読んで見ると、この谷は大きな滝もなく、沢の初級者でも遡行できるとのこと。これはいい! Y導師やF編隊長、美濃のウサギちゃんのようにロープやらガチャガチャ金具で滝や急流もスイスイ通過できるなら、どんな谷だってへっちゃらポンなんだろうが、こちらはそうは行かない。だけどこれなら大丈夫やろ?! !(^^)!
そのときがやって来た。暑すぎず、日が短すぎず、距離は長すぎず…。天気予報を睨みながら、今がチャンス!と、決行したのだが…
上小池駐車場を遅くとも7時にはスタートしようと、暗いうちに家を出たのだが、西勝原からの県道が長い。鳩ヶ湯を過ぎ、まだまだクネクネ道を走って、駐車場には6時半近くになってしまった。さすがに平日、車は1台もない。
そそくさと準備して7時前には出発。打波川沿いの林道を30分ほど進み、刈込池への周回路と別れて左へ。あれ? 橋が崩壊してる。岩の上を渡って左岸に。ここらで入渓した方がいいのかな?
林道はまだ延びている。草ぼうぼうだけど。被さってくる雑草の朝露でビショビショになって大きな堰堤を越えると林道終点。左に河原へ降りる踏み込みがある。剣ヶ岩谷合流点の少し下流。フェルト底の沢タビに履き替える。登山靴はリュックの中に。

- これ岩防堰堤? それとも水門の一種?
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すぐに堰堤だ。右側の草藪から巻く。川に戻って5分ほどでまた前方に堰堤が現われる。これは堰堤と言っても足骨だけの門構えみたいなものだ。水も人間も柱の隙間から通過できる。大きな岩だけを堰き止めるためのものなんだろうか?

- いきなりの5m滝。左のルンゼから巻いたのだが…
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さらに10分足らずで5mほどの滝がとうせんぼだ。どうしよ? 右岸の涸れ滝から突破できそうだけど…(あとでレポを読み返してみたら、それが正解だった)。涸れ滝と言っても少しは水が流れ黒くてヌルヌル。ホールドはあるのだがなんだか不安になって、左のルンゼから高巻きする。これが失敗のもと。ルンゼの右端っこを辿って上ったのはいいが、沢に復帰ができない。こんなときに懸垂下降でもできたら簡単なことなんだろうが、それができない悲しさなのだ。
とか思っていたら、足元が狂って草と雑木の斜面を後方半回転半ひねり滑り降りって状態に。ヤバイ! 止まりそうで止まらん(@_@;) やっと静止したのは沢まで10mほどの崖の端っこだ。それでもまだ甲羅をひっくり返されたカメさん状態。ここでバランスが崩れたら、今度こそ谷底行きだろう。落ちつけ落ち着け。
首だけ回してつかめそうな枝や根っこを探すが草地のためササすらない。足だけでも踏ん張れるようにして、なんとか体を正常位に戻す。やれやれ、なんとか助かった。
滑落って、こんな感じで思いがけず遭遇してしまうんやなあ…と、感慨を覚えるが、そんなこと言ってる場合ではない。慎重に下れそうな場所を探してヤブ斜面をトラバース。小さな枝沢に沿って本流へ降り立った。本日1回目のハプニング劇は約45分間のロス。(>_<)
小休止を含め1時間ほどで現われた二股は銚子峰沢との出合。といっても流れは小さい。
さらに15分ほどで右から一ノ峰沢との二股。二条になって流れ込んでいるので分かりやすい。トリカブトの紫の花があちこちに。もう秋の気配が。
確かに滝らしい滝は最初の5m滝くらい。あとはヒタヒタピチャピチャ、流れに足を突っ込みながら涼しい水遊びだ。
とはいえ、思ったより長い遡行。やっとゴーロの向こうに稜線が見えてくる。あそこまでどれくらいかかるんやろ? 背中の荷物は軽い日帰り装備とはいえ、もう歩きはじめて4時間、けっこう足にきている。足を置いた石が動くと踏ん張れずにオットット~(@_@;)
気合を入れるため、声を出して進むことにする。細くなった水流は何度か分岐し、草藪になって消えてしまうことも。一ノ峰沢分岐からは水流に忠実に、前方の稜線をめがけて登って行く。

- 最後の8m滝。右からササヤブへ突入!
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やっとこさでレポにあった大滝(8m)が目に入る。ここまで来たら安心。稜線上の登山路は目と鼻の先(のはず)だ。滝の下まで行って休憩。シャリバテ気味だし、ちょうど12時を回ったところなのでとにかくランチにする。
最近、山での食事が苦痛になってきた。ご飯が喉を通らないのだ。いつまでも噛んでいると余計に飲み込めない。それもあって、今日のランチはコンビニのオロシ蕎麦。アワワは保冷バッグで眠っているが、ここではグッと自制心を働かせる。
食事しながら考える。さて、この滝をどうしよう?
8mというけど見上げると10m以上はありそうだ。いっぱいホールドはあってボルダーさんなら喜びそうだが、間違っても直登など考えてはいけない。レポでは「左から巻く」とあったような気がしたが、コピーしてきた遡行図では右側から巻いている。どっちやねん(@_@;) まあ、別々の人のレポだから仕方ないんだけど…。
地形を見ると左側の方が高さがなく草地を攀じ登れば右より楽そうだ。しかし、右側は少し手前に小さなガレのルンゼがあり、これを辿れば斜度は緩そうだ。
思案の結果、遡行図通り右から巻くことにする。
ガレた枝沢から、草や木の枝、ササを掴んで攀じ登る。滝の落ち口くらいの高さまで来たが、ここから沢筋は見えない。左へ回り込めばいいのだが、もう少し上まで進んで見る。結局、ヤブと格闘30分で稜線(?)に出る。とはいっても白山禅定道の稜線ではない。西から二ノ峰への小尾根の稜線へ出てしまったのだ。本来ならこの尾根の左下の谷を進まないといけないのに…。
尾根に出たからといって喜んではいけない。確かに振り返れば見晴らしは抜群なのだが、目の前はササの海。胸くらいの高さかと思えば頭を超す元気者も。それでもササはまだマシだと気付いた。なんとササに混じってシャクナゲ、ハイマツ、ムシカリなどが絡み合ったバリケードが待っている。一歩前進二歩後退、三歩進んで二歩下がる。下がってダメなら回り込め、巻いてもダメなら…どないしたらエエネン(>_<)ってヤツだ。
滝の下で蕎麦食べておいてよかった、アワワを我慢しておいて助かった! 心底そう思う。
なんとか最後の激ササを漕いででた小高い丘から見下ろせば、鞍部に何やら標柱が立っている。その傍に登山道も見える。
標柱には「水呑釈迦堂跡」とある。この下に水場があるらしいが、水は汲んで来たので大丈夫。時計を見れば14時を回ったところ。とにかく小休止。
沢タビやスパッツを脱ぎ、登山靴に履き替える。汗と水で濡れたシャツも着替えてスッキリ。ここからははっきりした登山路を下るだけなのだ。

- 這い上がった稜線から三ノ峰~別山
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まずは目の前の三ノ峰への登り。三ノ峰といっても見えているのは「打波の頭」(越前三ノ峰)。引かれた登山路にそって登る。足元には花が次々に。今までは花どころじゃなかったからカメラをマルチモードにしてシャッターを押しながらの登りだ。

- オヤマリンドウ
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マツムシソウ(紫)、オヤマリンドウ(青紫)、カライトソウ(ピンク)、アキノキリンソウ(黄)、タツナミソウ(紫)、ウスユキソウ(白)など夏と秋の花のファッションショーだね、これ。(^^)/
「打波の頭」には寄らず、今夜は泊まり客がないらしい三ノ峰避難小屋にあいさつだけして下りにかかる。もう15時前。時間があれば別山往復? 出来たら三ノ峰くらい踏んでから…なんて事前の思惑などとっくに総崩れなのだ。
遡行してきたカサバノ谷(打波川)を見下ろしながら帰路を急ぐ。が、西日に映える三ノ峰~銚子ヶ峰~願教寺山の稜線や、足元の花たちについ足が引き留められてしまう。
それでも予想通り上小池駐車場には17時半までには到着。朝も今も、駐車場にはほかの車はなかった。
途中、いろいろあったけれど、最近では珍しく予定ルート通り歩けた山行になりました。
~biwaco