【日 時】 8月12日(日)
【同行者】 Tim, Mel
【天 候】 晴れ
【ルート】 ウィスラービレッジ駅(11:14)~ランドハウスロッジ駅(11:47)~ブラッコム山ランデブー駅(12:04)~ラウンドハウスロッジ駅(12:25)~ピークチェア乗車(12:39)~ピークチェア下車・ウィスラー山(12:47)~ハーフノート・トレールヘッド(13:08)~ハイノート分岐(14:38)~ハーモニー小屋・ピカのトラバース分岐(15:11)~ラウンドハウスロッジ(16:19)~ウィスラービレッジ駅(17:03)
今回の出張で思いっきり狙っていたのが、ウィスラーのトレッキングルートだ。ウィスラーは2010年の冬期五輪の開催地だったのだが、ウィンタースポーツだけでなく、夏はトレッキングやマウンテンバイクの総本山である。ウィスラーに行くのなら、この週末がラスト・チャンスだった。

- Whistler
しかし、職場からバンクーバーまでが1時間。そして、バンクーバーからウィスラーまでがグレイハウンド(バス)で2時間半。しかも、第一希望のハーフ・ノート(Half Note)と呼ばれるトレイルはゴンドラの山麓駅から往復6時間を見立てる必要があった。
ちょっとハードルが高いなぁと考えていたら、TimとMelが車に乗せてあげると言う。しかも、トレッキングにも同行してくれるというから強力な助っ人である。普段悪行を重ねている私にしては、とてつもない強運に恵まれたものだ。天にも昇る気分!
トレッキングの経験のないTimとMelはこの日のために山靴まで手に入れた。TimがMerrellのシューズ。MelがColumbiaのシューズだ。彼らの優しさにまったく泣けてくる。
ガソリンを満タンにしてからTim Horton'sでコーヒーとベーグル・ベルト(*)をテイクアウトする。このTim Horton'sだが、カナダを旅すると、いつでもどこでもという感じで目にする。日本でいうとスタバとかコメダのようなコーヒー屋さんであるが、かゆい所に手が届く品揃えでカナダ人のティムホ好きは知る人ぞ知る。(私は知らなかった^^;)
(*)ハム・エッグ・レタスがベーグルでサンドイッチされている。

- 雪渓
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バンクーバーを貫いて流れるフレーザー川にかかる橋を渡る手前の高速道路上にいくつもカメラが設置してある。高速道路は原則無料であるが、この橋梁部分だけが有料道路扱いらしい。
その料金徴収の方法だが、日本のETCのようなシステムとは異なるようだ。カメラで車両認識をして郵送で請求書が送られてくるというのだ。支払いはATMであったり、ネット決済であったりする。所変われば・・・である。
コースト山脈沿いの国道99号線は、しばしばシー・トゥ・スカイ(Sea to Sky)ハイウェイと呼ばれ、図抜けた景勝のフリーウェイだ。その名の通り、海から山へと駆け抜ける快走路だ。
スコーミッシュの町を通過。大きなウォールが見えてくる。ロッククライミングの聖地のひとつとか。また、スコーミッシュ渓谷には産卵を終えたサーモンを狙って北米全土からハクトウワシが集結するらしいから、たんぽぽ氏なら卒倒間違いなしだ。
順調にウィスラー・ビレッジに到着。ここからビレッジ・ゴンドラで標高1850mのラウンドハウス・ロッジまで一気だ。ゴンドラのチケットを手に入れるためにチケット売り場の長い列に並ぶが、これが45ドル95セントとバカ高い。おまけに消費税(GST)が12%だから合計51ドル46セント。これは痛い。
ゴンドラから見下ろすとダウンヒルに熱狂する自転車野郎がいっぱいだ。彼らをウォッチングするうち、ゴンドラはあっという間に終着駅へ。
ここから隣のブラッコム山(2284m)までPEAK2PEAKというゴンドラが掛かっていてたまげる。地上からの距離が最高で436m。支柱と支柱との距離も3.024km、と世界最長。着想のスケールの大きさにはとてもついて行けない。誤解を恐れずに言ってしまえば、このミニチュア版は御在所山から鎌ヶ岳にロープウェーをかけるようなものか。

- コースト山脈
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所用11分でブラッコム山のランデブー駅へ渡り、コースト山脈の眺望を楽しむ。再び眼下のフィッツシモンズ・クリークを見下ろしながらゴンドラで戻り返す。眼下にブラックベア(アメリカ・クロクマ)が見えることがあると聞いたが、私に恐れをなしたか、この日は姿を見せなかった。
ウィスラー山に戻ってピークチェアという4人がけリフトに乗り換える。労せずしてウィスラー山の山頂(2182m)である。51ドル強のゴンドラチケットは、リフトとゴンドラに乗り放題のワンデイパスであった。
冬期オリンピックのシンボルでもお馴染み、イヌクシュクのオブジェがトレールヘッドに設置されている。ブラック・タスクと呼ばれる牙のような鋭鋒が印象的。青い空と雪を抱いた山々。見たこともない高山植物の数々。清涼な湧き水。限りなく続くお花畑。涼しい雪渓歩き。夢にまで見たハーフ・ノートのトレッキング。
ウィスラーの名前の由来は、ここに棲息するマーモットの、口笛を吹くような鳴き声だと言う。残念ながらマーモットは岩場に隠れて姿を現さなかった。
日射しはきついが、涼やかなそよ風が心地よい。ヒスイのような色をしたチャカムス湖を眼下に見ながら、ハイ・ノート・トレールの分岐を見送る。Melは右足の親指に大きな靴ズレを作ってしまい自慢げに旦那のTimに披露している。あまりに芸術的な水ぶくれである。
この先、雪渓を越え、リトル・ウィスラー・ピーク(2115m)に登り返すと、ハーモニー小屋だ。ニュージーランドなまりの英語を話す小屋番さんからバナナパンを買って一息つくと、目の前をリスが駆け抜けていった。
ここからは「ピカのトラバース・ルート」だ。ピカというのはナキウサギの一種で、一見ハムスターに似たほ乳類らしい。北米の寒冷な気候にある山地にはどこにでもみられる小動物だ。英語圏の人たちはピカチューと聞くとpikaを思い浮かべるだろうから、これも面白い偶然だ。
5mほどの雪壁をくり抜いた整備道路を歩いて山道に入り、ゴンドラ駅を目指すが最後はトレースが薄くなって適当に下る羽目になったが、これはまぁ得意芸か。

- 花・花・花
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三人、ガッツポーズで締めて山麓のウィスラー・ビレッジを目指す。ゴンドラ内で韓国系のカナダ人夫婦と一緒になる。彼らは毎週のように雄大なトレッキングを楽しんでいる。将来の夢は「パシフィック・クレスト・トレール(PCT)」を完步することだと言う。
これは米国をメキシコ国境からカナダ国境まで4200km歩き通すコースで、ワンシーズンに6ヶ月ほどかけて歩き通すチャレンジだが、初雪が降るまでに歩き通さないとアウトだ。
ウィスラービレッジでは、バイク・トライアルのデモの真っ最中。サーカス並みの曲芸に思わず喝采を送る。
夢が一つかなった充実感に酔いしれながらシー・トゥ・スカイ・ハイウェイを辿る。夢の実現に手を貸してくれた心優しきカナダ人たちに最敬礼である。
ふ~さん