山日和さん、めずらしくこんばんは、です。
植林の中の谷はごく平凡で見どころもない。ホントにあの兔夢さんの写真のような渓相になるのだろうか。
しばらく進むとやっとそれらしいナメが現れた。ここまで左岸に杣道に続いているようだ。
植林もよくやく姿を消し、気分も良くなってきた。しかし顔にまとわりつくクモの巣だけはいただけない。拾い上げた棒切
れを振り回しながら歩く姿は、さながらオーケストラのコンダクターか。
おお、壮大なナメナメ交響曲の始まりですね。
ひな祭りのひし餅のように重なった岩が多く、他ではあまり見ない景色が新鮮だ。
とにかくやたら大きな岩が多い。滝は大したことがないので、岩の造形に見とれてしまう。
岩フェチに転身ですか。
20mほどの連瀑に行き当たる。正面はハングした大岩で遮られているので右のルンゼへ逃げた。こちらも頭上にはとて
つもない大きさの岩が積み重なっている。
右から回り込んで流れに戻りGPSで現在地を確認すると、なんと支流の右俣にいた。
3つ続く二俣を右・右・左と頭に入れて歩いていたつもりだが、「右」がひとつ抜けてしまっていたようだ。
ひとつ間違えたくらい大丈夫です。私も先日、つうさんと降りるべきICを一つ間違えてりゅうさんを待たせてしまいました。そういや、ちまたには降りるべきバス停を一つだけ間違えてトンでもない目にあった方もおみえのようで・・・(^^;)
ほぼ水切れというところで初めてチェーンスパイクを試してみる。ズルズルのトラバースを試みると、なんとしっかりグリップ
して滑る気配もない。こいつはいい。雪山ではダンゴになって使い物にならなかったが、沢の高巻きには使えると予想した
通りだった。濡れた岩の上でもしっかりグリップしてくれた。こういう使い方はメーカーの想定外だろう。
前回の失敗を補って余りある活躍だね。忍者さんも安堵のため息・・・?
ヤブもなく、高速道路のような立派な登山道にポンと飛び出した。半分植林の面白くない道だ。
ヤブヤブにまみれたたんぽぽ氏やBiwa爺に申し訳ないと思いませんか?
スパッツを外すと足元に風が吹き抜けて気持いい。
その風、爽やかというより臭そうですね。
気持ちいいついでにズボンをひざまでまくり上げて歩けば更に涼しく快適だ。
いい加減にしてね。清純な山ガさんが来たらどうするんです!?
20分ほどの我慢で到着した広大な国見岳のピークは、中継所跡の更地が空しく広がるばかり。いつの間にか出てきた
ガスで周りは何も見えない。1125mの最高点ピークまで行くも、ただ標識を確認しただけだった。
中継所跡まで戻ってランチとした。日蔭の無いここではガスっているのがかえってありがたい。
ビールを飲んだ後はひっくり返って恒例となった昼寝を決め込む。
スネだしスタイルでお昼寝でしたか?
日が当ってきたのでここを汐に下山にかかるとしよう。下山と言ってもさっき間違えて登れなかった左俣本流の下降だ。
言うなればここからがメインディッシュである。
お~!メインディッシュがこれからとな!
山頂から北東に下れば自然に上岩井谷源流に導かれるはずだった。少し東向きに尾根を進んで北に下りかけて現在地
を確認すると、なんと春日中山へ下りる谷へ向かっていた。
まだ傷は浅い。少し登り返して軌道修正。今度は北東に向けて下って行く・・・はずだった。面白みのない源頭を急降下す
る。これがツメなら結構長くてしんどく、かつ退屈だ。
しばらく下ったところでGPSを確認して愕然。またもや春日中山に向かう谷を下っていた。
ガスで視界のない時には気を使うよね。私も、こんな間違いよくします。
ここは左手の尾根へトラバースして、尾根を乗り越して上岩井谷へ出るという選択をした。
ヤブの薄いところを選びながら、時折出てくる獣道も利用しつつ延々とトラバースを続ける。しかし少しでも登りを避けようと
いう意識が出るのか、下り気味のトラバースで尾根までの距離は延びるばかりだ。
いい加減嫌になりかけたところでやっと国見岳の北東尾根に乗った。と思ったらまだ南に派生する支尾根。幸い尾根上の
ヤブは薄いので、ひと登りで本物の北東尾根に到達した。結構しっかりした踏み跡がある。面倒くさくなって、この踏み跡
が下まで続いているならこのまま下りてもいいかなと思ったりしたが、思い直して上岩井谷への急降下に入る。
この斜面は下生えも少なく歩きやすい。立ち木を頼りにぐんぐん下ればほどなく本流に合流。
さあ、ここからが本番のはずだ。
あれやこれやで心の葛藤ですね。もう一頑張り。
いきなりのナメ滝に日が当たり、思わず顔がほころぶ。この滝を皮切りに、出るわ出るわ。ナメ滝のオンパレードである。
滑り降りて小さな滝壺の倒木の山に突っ込んだりしながら快適に下降していくと、間違えた右俣と同じような巨岩帯が現
われ、右からかわして進んで行く。
そしてついにこの谷の核心とも言える場所に来た。谷幅一杯に落ちるナメがどこまでも続いている。水量がもう少しあれ
ば見事だろうが、それでもこれだけのナメ滝はなかなかお目にかかれないだろう。
進んでも進んでも途切れることのないナメは300mばかり続いただろうか。まったく見事というしかない。
まさに「奥美濃の赤木沢」か。
やはり尾根を下りないでよかった。紅葉の季節もさぞ美しい姿を見せることだろうが、その頃はもっと水量が少ないので沢
としては貧相かもしれない。
素晴らしい!一人ナメナメ状態でしたか。(深い意味なし)
延々と続いたナメがやっと終わったところで左から支流が合流した。右俣である。往路でここを左へ進んでいたら5分も経
たないうちにこの風景に出合えたと思うとガックリである。しかし記録を見ない右俣も遡行できたことだし、良しとするか。
復路は杣道の終点から左岸を歩いて、大堰堤も左から簡単に巻けた。
仕上げは白山神社に参拝。山行の無事を感謝して、奥美濃のマイナーながら大いに遡行する価値のあった沢旅を締め括
った。
充実の沢旅でしたね。これからも安全山行で!
ふ~さん